ローマ旅行記 5
2014年10月31日() 5日目 <S.プラッセーデ教会、ピア門>


<今日は報告日>

 ローマ5日目。少しだけ仮眠を取りつつ、昨日の夜から報告の準備を進める。英語報告の準備は際限がないので、結局朝10時過ぎくらいまでやったところで打ち止めにした。質問想定問答集なんか作っていたらいつまでたっても終わらないので、どこかで区切りをつけないといけない。

 一区切りをつけたところで、かなりお腹が空いていることに気付いた。そう言えば昨日の午後3時頃に駅のセルフレストランで食べて以来、何も食べていなかった。ということでまだやっていたホテルの朝食会場へ。今回のホテルは全て朝食込みで予約していたのだけど、面倒だったり時間を惜しんだりして結局ずっと食べてこなかった。最終日も朝早くホテルを出ないといけないので食べられそうにないし。大体イタリアのホテルの朝食はかなり質素で、あまり食べたという感じがしない。

 今回宿泊したのは大型ホテルだったので、街にある小規模なホテルよりも少しは豪華な朝食内容だった。といっても温かい食べ物はスクランブルエッグとベーコンくらいで、後はいわゆるコールドミール。量としてはまあまあだけど、やっぱり何だか寂しいなあ。ドイツのようにソーセージがたくさんあって、その上朝からシャンパンがあるなんてのは夢のまた夢だな。


<5日目の朝にして初めてホテルで朝食>

<イタリアのホテルにしてはまあまあの食事>

 食後、準備をしてから出発する。午後のセッションに間に合うようにするには12時過ぎにテルミニ駅前のバスに乗れば大丈夫なようだったので、小一時間ほどホテルの近辺をぶらぶらする。今日のローマも天気が良くて、スーツを着ているとやや暑い。


<街中をトラムが走る>

<S.M.マッジョーレ大聖堂の全貌>

 この前見たサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の全貌を見てから、その近くにあるサンタ・プラッセーデ教会に行く。地球の歩き方によれば、ここはローマの教会でも1,2を争うモザイクが残っているとのことで、そのモザイク画を見に行くことにした。巨大で威圧的なサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の外観に比べて、サンタ・プラッセーデ教会は路地裏にぽつんとあって、外観も教会っぽくない。ガイドブックに場所が載ってないと分からなかった。

 プラッセーデ教会の中は確かにモザイク画が多く、9世紀に建てられてから1200年近く経過しているにも関わらず、未だにピカピカと光っている。ただこのモザイク画、確かにすごいとは思うけど、なんとなく素人が作ったように見えてしまう。モザイクを作った人たちも多分絵を描いたらもっと上手く描けるのだろうとは思うけど、モザイク画の顔は小学校高学年から中学生が美術の時間に描くような人間の顔にそっくりなんだよなあ。


<質素なサンタ・プラッセーデ教会の外観>

<サンタ・プラッセーデ教会>

<教会のモザイク画>

<教会のモザイク画その2>

<モザイク画その3>

<モザイク画その4>

 モザイク画を見て、ついでに近くにあるサンタ・プデンツィアーナ教会にも行ってみる。この教会もモザイク画が有名で、4世紀に建てられたローマで最も古い教会の一つであるとのこと。午前中の開館時間が12時間までだったので、時間的にちょっと厳しかなあと思って行ってみると、ちょうど目の前で係りのおじさんに門を閉められてしまった。おじさんは「ごめんね、午後は3時からだよー」と言っていたが、午後は学会なので行けない。残念だけどまた今度かな。


<S.M.マッジョーレ大聖堂の裏側>

<入れなかったサンタ・プデンツィアーナ教会>

 ということで12時になったのでテルミニ駅前のバスターミナルへ行き、チケットを買う。昨日でバス乗り放題のローマパスの効力が切れてしまったので、今日はバスチケットを買わないといけない。ローマのバスは1回1.5ユーロで1時間乗り放題になるということで、帰りの分も含めて2枚買っておく。帰りのバス停近くにはチケット売り場がなかったと思うので、その辺りは抜かりがない。ということで、チケットを2枚買って90番のバスに乗って学会会場に向かう。


<バスチケットは1.5ユーロで1時間乗り放題>

<90番のバスに乗る>

 途中でどこで降りるか分からなくなり、結果乗り過ごして迷ってしまうという失態はあったものの、午後のセッションが始まる前に何とか会場の大学に到着。そして、午後最後のセッションで報告して今回のミッションは無事終了。まあ、無事ではなかったかもしれないけど。ここは一応旅行記なので学会の内容については詳しく書かないけれど、とりあえず僕の出たセッションで起こったことはまるで白昼夢を見ているようだった、と言っておきたい。でも何はともあれ、これで大きな大きな肩の荷がようやく下りて一安心。無事に終わると、ここ最近酷かった胃の痛みも不思議となくなった。


<ローマ郊外にある学会会場の某大学>

<学会会場の建物>

 学会のクロージングに出てから再びバスに乗ってホテルに戻る。バスの途中でミケランジェロ最後の建築物だというピア門を通るので、そこで降りてから夕暮れのローマの街をぶらぶらしつつホテルに戻ることにした。ピア門は1564年のミケランジェロの作品ということで、ミケランジェロが亡くなる間際の89歳の時に完成した作品らしい。サンピエトロ大聖堂で見たピエタは25歳の時の作品だったので、60年以上も第一線で活躍するミケランジェロの凄さに感心した。そして建てられてから450年も経つ建造物がそこかしこにあるローマの凄さにも感心した。

 ピア門を過ぎてローマ中心部に入ると、官庁街に入ってさらに暗くなってきた。人通りがあまりないので少し怖かったけれど、その分重厚な建物と夜空に浮かぶ半月が綺麗で、大通りの雑音からも離れていたので、なかなか良い雰囲気だった。夕暮れの景色を見ながら、ローマも実質的に今日で終わりだなあ、と少しだけ感傷に浸る。


<歩兵部隊の像とピア門>

<ピア門>

<夕暮れのローマ>

<ディオクレティアヌスの浴場跡と半月>

<夕暮れの共和国広場>

<オペラ座>

 一旦ホテルに戻って荷物を置き、楽な格好に着替えた後で最後の夕食を取りに、いつものようにテルミニ駅のセルフレストランへ。本当はホテルの近くにあるというカルボナーラ発祥のレストランに行こうかと思ったけど、その店は予約しないと厳しいのと、そもそも一人でレストランに入るのは勇気がいるので、今日も大人しく気楽なセルフレストランにした。レストランはまだ今度、誰か連れがいるときに入ろう。

 セルフレストランでは今日もカルボナーラがなかったので、その代りにトマトのペスカトーレとお決まりのフライドポテト、そしてケーキを1個。大事な学会報告が何とか終わったので、アルコールはビールに加えてハーフボトル(375ml)の白ワインも注文した。調理を見ているとスパゲティは茹で置きで、イタリアなのに何てこったと思ったけど、セルフレストランなので当たり前か。その割にはスパゲティが結構おいしかったのでむむむ、という感じではあったけど。ワインはRUFFINOというトスカーナワイン。きちんとコルクで栓がされていたので、料金を支払うときに開けてもらった。品質はDOC(イタリアワインの4つのうち上から2番目)なので、これで4.9ユーロなら安いもの。すっきりとした味わいだった。


<最後の晩餐(合計19.7ユーロ)>

<RUFFINOの白ワイン>

 僕にとってビール1杯飲んだ上でのワインハーフボトルは量が多いので、残りはホテルに持って帰ってちびちび飲もうと思っていたけれど、コルクを持っていかれてしまったので持ち帰るのが難しくなってしまった。ということでペスカトーレをつまみにちびちびとワインを飲みながら、周りの雰囲気を眺めつつ、結局1時間半くらいだらだらと飲み食いしていた。ローマ最後の晩餐としてはチープかもしれないけれど、報告が終わった解放感もあり、ワインを飲んでほろ酔い気分になったのでこれで十分。ちなみに値段は19.7ユーロ(約2800円)なので結構いいお値段しました。

 食後、初日の夜にも行った駅地下のスーパーに行き、いろいろとお土産を買う。初日に行ったときは深夜の閉店間際だったのでほとんど人がいなかったが、今日は結構人がいた。特に日本人の学生が多くて、関西弁でべらべらしゃべっていたので少しげんなり。このスーパーだけでなく、ローマは本当に日本人観光客が多い。これまで訪れたドイツやオーストリアではあまり日本人を見なかったので、ローマはやっぱり世界的観光地なのだと思う。

 買物を終えて9時過ぎにホテルに戻り、帰国の準備をする。そして海外のホテルで初めてバスタブにお湯を溜めて入ることにする。海外歴も20回近くになるけど、バスタブにお湯を溜めて入るのは初めてのような気がする。スマホに入れていた1995年の音楽集を流しながら、婦女子のように1時間近く半身浴を楽しんでしまった。やっぱりバスタブにお湯を溜めて入ると疲れの取れ方が違うな。


<ホテル3階>

<5泊したこの部屋も明日で終わり>

<避難経路を示した館内見取り図>

<日本語がすこぶる怪しい>

 風呂から上がったあとは、明日の朝も早いので寝ることにする。今日の朝からインターネットがつながらなくなったため、インターネットもできないのでやることがない。そもそもインターネットがつながらなくなったのが今日の朝でよかった。海外のホテルは無線の電波が弱いのか、よくつながらなくなるので、この辺を改善してほしい。「制限付きで接続されています」って一体何なんだ?


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