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北海道調査 6  
2010年2月26(金) 六日目 <札幌(道庁聞き取り、時計台、サッポロファクトリー、大通り公園、羊が丘展望台、ジンギスカン)>


北海道の中心 札幌> 

 昨日寝るのが遅かったのに加え、段々と疲れが溜まって来たこともあって、目が覚めたのは8時半でした。胃もたれも激しくなりつつあったので、朝食はパスしてシャワーを浴び、9時20分にホテルのロビーに集合してから、本日のヒアリング先である北海道庁へ。道庁最上階である14階の環境生活部でヒアリングさせてもらいました。道庁のヒアリングではこれまでになくかなり有意義なことが聞けたように思います。やっぱりこういったヒアリング類は少人数で行くほうが密度が濃いものになるようです。


<思ったよりも小さかった北海道庁>

<北方領土問題>

<北海道庁ロビー>

<北海道庁旧本庁舎を裏側から>

 道庁のヒアリングで全ての調査が終わり、後は帰るまで悠々自適です。解放感に浸りつつ、ヒアリング後は皆で歩いて札幌駅まで。昨日は外に出なかったので分かりませんでしたが、外から見ると巨大要塞のような建物であることが分かります。まさに北海道の中心となるような建物、といった感じでしょうか。こんなに大きな建物だとは思わなかった。


<JR札幌駅>

<「壁」という感じ>

 昼食は札幌に来たからには札幌味噌ラーメンを食べなければということで、札幌駅隣のエスタ10階にある 「札幌らーめん共和国」 へ。流行りのラーメンミュージアムで、昭和30年〜40年代の日本の下町を再現しているという点で、新横浜のラーメン博物館に近いかもしれません。東京でも見かける「なんつっ亭」、函館の「あじさい」などがある中、ここはさすがに札幌味噌ラーメンだろうということで、札幌の中でも知名度の高い 「けやき」 へ。昨日の夜中2時頃行こうとしたラーメン屋は、このけやきの本店でした。夜中2時で満席だったので結局は諦めましたが、夜中でそれだけの集客力があるなら、支店でもきっとおいしいだろうと。

 僕は味噌ラーメン(850円)を注文。東京で食べる味噌ラーメンに近い味でしたが、思ったよりもマイルドで薄めでした。野菜を炒めて乗せているので油っぽさはありますが、総じて本場の味噌ラーメンは東京で食べるようなどこまでも濃いラーメンではないようです。濃くなくてもうまみと味を出せるのが本場のラーメン。優等生的でまとまりのある一品なので、札幌味噌ラーメンの入門編として最適かな。ただ、東京ならまだしも、北海道で850円という値段は結構高いような気もします。


<札幌らーめん共和国>

<けやき 味噌ラーメン>

 食後はいよいよ街歩き。札幌に来たからには(こればっかり言っている気がしますが)、例の時計台を見ておかなければなりません。高知のはりまや橋、長崎のオランダ坂と並ぶ日本三大がっかり名所の一つ、札幌時計台。札幌駅からまっすぐ歩いて5分くらいのところにありました。周りを高いビルに囲まれていて窮屈そうです。でも、言うほどがっかりかなあ?個人的には結構いい建物だと思うのだけど。北海道というと広大なイメージなので、この時計台も広大な中にぽつんと立っていれば絵になるのかもしれませんが、札幌市街地のど真ん中にあることが札幌初心者のイメージと異なるためにがっかりさせるのかもしれません。元々は北大の建物だったのだから、北大の移動と一緒に移築してしまえばよかったのに。


<この通りの一角に>

<有名な時計台がある>

 次は以前Yさんが来たときに行って良かったという「サッポロファクトリー」へ。日本初のビール工場(サッポロビールの前身である開拓使麦酒製造所)の跡地を利用した複合施設で、当時の煉瓦造りの建物の中にいろいろな店が入っています。横浜の赤レンガ倉庫と似ているかな。いろいろな店を冷やかした後、ちょっとした見学スペースで歴史をお勉強。三船敏郎の「男は黙ってサッポロビール」というコマーシャルは、僕はリアルタイムで見たことはありませんが、どういう訳か記憶に残っています。有無を言わせない説得力が凄い。


<サッポロファクトリー>

<昔のビール工場をそのまま使用>

<ちょっとした見学スペースも>

<男は黙ってサッポロビール>

 敷地内には「札幌開拓使麦酒製造所」があり、昔ながらの製法で地ビールが作られていました。ビールを飲めるお試し売店のような場所があったので、レッドスター(アルト)とブロンドスター(ピルスナー)をそれぞれ一杯ずつ。一杯250円で量は少ないですが、どちらも新鮮でおいしいビールでした。平日の昼から飲む背徳感がたまらない。


<札幌開拓使麦酒製造所>

<ランドマークの煙突>

<レッドスター(アルト)>

<ブロンドスター(ピルスナー)>

 さっきまでは疲労でかなり眠くてどうしようもない状態でしたが、ビールを飲んだことで若干テンションが上がりました。しかし同時に腹も痛くなってしまう始末。どうしようもないので、今日の夜の飛行機で帰京するYさんFさんとここで別れて、敷地内のトイレに籠ること30分。何とか治まったけど、何か変なものでも食べて当たってしまったのだろうか・・・。せっかくテンションが上がって来たところだったのに腹痛とは残念です。これはまずいと大事をとってすすきののホテルに戻り、しばし安静にすることに。しかしせっかく札幌に来ているのに街を歩かないのは勿体ないと思い、薬を飲んで再び札幌の街に繰り出しました。

 気を取り直してすすきのから大通公園へ。まずは大通公園の東の端にあるテレビ塔です。ちょうど昨日のローカル深夜番組で、大泉洋率いるチームナックス(だっけか?)のメンバー一人がテレビ塔に上っており、そこに出てきたエレベーターガールのお姉さんが綺麗だったので行ってみようかと。700円払って展望エレベーターに乗ったものの、エレベーターガールは昨日テレビで見たお姉さんではありませんでした。まあ仕方がないか。


<札幌テレビ塔>

<意外と古くて小さい展望室>

 テレビ塔の展望台は高さ90m。展望台は意外と小ぢんまりとしています。そして古い。完成が昭和32年で、東京タワーの昭和33年よりも古いことを考えると仕方がないのかもしれません。しかしテレビ塔から見る大通公園と札幌の市街地は圧巻。正面遠くに大倉山スキージャンプ場も見えます。

 札幌が綺麗で理路整然とした街に見えるのは、計画的に作られた碁盤目状の都市だからかも。高いところから見ると碁盤目状であることが良く分かります。普通、こういうシムシティで作りたくなるような街は味気なかったりするものですが、札幌に関しては都市のパワーというか活気があるのか、味気なさを感じません。むしろ理路整然とした中に人々の活気があるから、スマートな大都会に見える。こんな大都会を今まで知らなかったとは。都会だと思っていた福岡よりもでかいです。さすがに190万都市は伊達じゃないですね。


<テレビ塔から大通公園>

<すすきの方面>

<札幌駅方面>

 タワーから降りて大通公園を歩くと、雪まつりの残骸であろう雪山がたくさんありました。雪まつりにも一回行ってみたいけど、果たして近いうちに行けるのやら。


<雪まつりが終わったあとの大通り公園>

<雪像の残骸か?>

 調子に乗って大通を歩いていましたが、札幌は前日の網走よりも寒く、気温はマイナス1度しかありません。暖かいものが食べたくなりました。さっき腹が痛くてうなっていたばかりですが、こればっかりは仕方がない。寒い時には味噌ラーメンということで、大通近くのビル4階にある、「味の三平」へ。ここは札幌味噌ラーメン発祥の店で、札幌に来る前から目を付けておいた店でした。昼食にラーメンを食べたばかりですが、まあ3時のおやつということで。。

 週末や昼時は長い行列ができるそうですが、今回は平日の午後3時過ぎだったのですんなりと入店できました。カウンターに座り、元祖であるみそラーメン(850円)を注文。出てきたラーメンは今まで見てきた味噌ラーメンとは少し違います。シンプルそうなスープ。一口スープを飲んでみると、少し薄めの味噌汁を飲んでいるような感覚です。しかしそれは決してまずい訳ではなく、薄めの味噌の味の上に炒められた野菜のうまみと香ばしい油、少しきつめの塩分が合わさることで、全体としてちょうど良いバランスになります。薄めの味噌汁の中に玉ねぎともやしの野菜炒めを入れ、塩で味付けした感じです。なるほど、最初の味噌ラーメンはこんな感じで始まったわけか。本来は濃厚じゃないわけです。味噌ラーメンに対する見方がちょっと変わりました。ネット上の評価を見ると毀誉褒貶あるようですが、僕個人としてはかなりおいしかった。ただ、やっぱり北海道で850円は高いような・・・。


<味の三平 みそラーメン>

<味噌ラーメン発祥の店>

 次はどこへ行こうか迷った末、ホテルからも近くアクセスが良い羊ヶ丘展望台へ行くことに。地下鉄東豊線の大通駅から南下して終点の福住駅まで行き、羊ヶ丘展望台行きのバスに乗りました。展望台行きとはいっても、途中までは普通の住宅地を通るので、学校帰りの学生がたくさん乗っています。女子高生は冬の北海道で生足を出して寒くないのでしょうか。お洒落をするというのも大変です。


<大通公園付近>

<地下鉄大通駅>

<地下鉄東豊線>

<終点福住駅に到着>

 終点の羊ヶ丘展望台まで行ったのは、僕の他には中年男性三人組と高校生の女の子一人。制服を着ていたので修学旅行か何かの自由行動で一人で行動することになったのでしょうか。友達いないのかな。そういうことを想像して、勝手に可哀そうに・・・と思ってしまいました。まあ向こうからしたら僕も可哀そうな男と思われているかもしれませんが。

 羊ヶ丘展望台は想像していた通りの場所で、有名なクラーク博士の像があり、遠くに札幌ドームを始めとした市街地が見えます。ただし、冬なので手前の草原は雪に覆われ、羊もいません。王道観光地を見ることができたからよかったか。それよりも、さっきの一人で来ていた学生服の女の子が気になって仕方がありません。一人で景色を見て静かに写真を撮っています。表情もどこか悲しそう。総じて何だか可哀そう。


<やってきた羊ヶ丘展望台>

<有名なクラーク博士の像>

 羊ヶ丘展望台の敷地内には雪まつり資料館があるので、入って見物しました。戦後すぐの始まった頃は、中高生が雪像製作の中心だったそうです。今の大規模化した雪まつりでは考えられないけど、昔はもっと牧歌的な催しだったのかも。


<教会と雪まつり資料館>

<やや黒ずんだ雪だるま人形>

 羊ヶ丘展望台は思ったより小さかったので、30分程で全て見終えてしまいました。再びバスに乗って福住駅に戻り、地下鉄に乗り換えてホテルの最寄りの豊水すすきの駅まで。豊水すすきの駅は「すすきの」という名前がついてはいるものの、あまり人を見かけません。道路を一本隔ててある南北線のすすきの駅の方はかなり賑わっているそうですが、こちらはいつ来ても静か。広い地下通路が何となく寂しい。


<地下鉄に乗って戻り>

<人がほとんどいない豊水すすきの駅>

 一旦ホテルに戻って休息した後、夕食をとるべくすすきのの街に繰り出しました。一度は見ておきたかった繁華街すすきの。まだ日が完全に落ちてない夕方6時前なので、ネオンは少し物足りませんが、これから週末の夜にかけて盛り上がりそうな雰囲気ではあります。この繁華街の大きさは東京のような大都会と比べても引けを取りません。僕としてはあのニッカのマスコットキャラクターを実際に見ることができただけで満足です。


<一度見ておきたかったすすきの交差点>

 僕は今まですすきのと言えばニッカの髭おじさんの絵のイメージを強く持っていましたが、実際によく見るとすすきの交差点はアルコールメーカーの激戦区になっています。上の写真を見るだけでも、アサヒ・キリン・サッポロが見え、ニッカとキリンがあるすすきのビルの交差点対角線上にはサントリーのネオンが輝いています。しかもニッカに対抗するように、サントリーもウイスキーの響を全面にプッシュアップしています。あと、ニッカはアサヒビールの子会社なのに、上にかぶさっているのはキリンというのが何とも言えません。

 一通りすすきのの風景を堪能してから早目の夕食へ。夕食はジンギスカンと決めていました。正直言って、僕は羊肉が苦手です。あの臭いがする肉を口の中に入れると想像するだけで駄目です。しかしせっかく札幌に来たのだから、話のネタにジンギスカンを食べておくのもいいだろうと。事前に下調べをして、ジンギスカンの超有名店(らしい)、だるまへ行くことにしました。ここならカウンターのみなので、一人でも入り易いというのが決定打。

 だるまはいつも行列ができるというので、開店直後の5時過ぎに行ってみたものの、既に満席で行列ができ始める頃。本店がだめなら支店でもいいやと、近くにある4・4店へ行ってみると、こっちはまだ空いていました。カウンターに座り、ビールとジンギスカン(マトン)1人前を注文。さっきのラーメンがまだ腹に残っているし、羊は苦手なのでこのくらいの量で大丈夫だろうと思っての注文です。

 が、焼いて食べて見るとこれがびっくりするほどのおいしさでした。マトンなのに全く臭みがない。レアでも食べられると言っていたけど、本当に新鮮だと羊肉も臭くないんですね。臭くはないけれど、牛でも豚でも鳥でもなく羊を食べているという実感はあります。久しぶりに目からウロコの体験をしました。肉自体も柔らかいし、野菜もおいしい。腹一杯だからあまり食べない方針だったにも関わらず、ご飯を注文し、肉とビールをお替りする始末です。それほどおいしかった。最後は残ったご飯と付けダレに番茶をかけて、その上に余った野菜と肉を乗せて特製のジンギスカン茶漬けにしてもらえます。これもおいしかった。


<だるま4・4店>

<マトン1人前(735円)>

<ジンギスカン>

<残ったご飯と付けダレでお茶漬けに>

 こういう店はサッと食べてサッと帰るのがいいもんだと思ったので、店にいたのはたった30分でした。お会計は2800円。でも本当においしかった。ジンギスカンに対する見方がちょっと変わった気がします。一人でも気軽に入れるのも良いです。食後はすっかりと日が暮れたすすきのの街並みを見てからホテルへ。

 ホテルに到着したらまだ6時半でした。しかしものすごく疲れたのと腹一杯なのもあって、7時過ぎには寝てしまいました。睡眠は大事。


<明日は普通の寒さに戻るらしい>

<晴れるのはよかった>

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