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東京見聞録
2005年2月6日() 五日目 <きび刈り三日目 〜ナカソコさんの畑>


<きび刈り三日目 〜ナカソコさんの畑とナカソコ親子 曇りのちのち晴れ

 7時起床。昨日はリュウさんのところで少々飲みすぎたようだけど、二日酔いになるまでには至らず。朝食をしっかり食べてきび刈りの準備をします。朝のテレビを見ていて気付いたことなんだけど、今日は日曜日なんです。こっちできび刈りしていると曜日なんか全く関係なく仕事があるから、曜日なんて全然気にしなくなってしまいます。

 7時45分、出発。今日はみなみちゃんとナカソコさんところの畑です。『さとうきび畑』のもともとの持ち主である、古見小学校の元校長さんの車で大原集落の近くにある畑へ。畑に着くと結構な人数が。今日は大所帯のようです。

 8時、きび刈り開始。今日ももちろん倒しから。今日は倒し手(男)5人、かさぎ手(女)4人の計9人。色々な人がいて、最初は誰がどんな人が分からなかったけど、これは後々分かるようになります。

 8時の時点で空模様はかなり怪しい雰囲気だったんだけど、その直後に大雨が。急いで軽トラに置いてきた合羽を取り、作業再開。きび刈りの場合、雨が降ると滑りやすくて危険です。しかも合羽を着ていると、外からの雨は防いでくれるのに、中から出てくる汗は発散しないので、合羽の中はサウナのような状態になります。これをどうにかして欲しい・・・。

 9時過ぎに雨は上がり、また曇り空に。畑の全てのきびを倒し終わったので全員でかさぎ。総勢9人でかさぐ姿は壮観です。そして10時になって休憩。人が多いと休憩中もしり込みしてしまう。。

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 休憩を終えて男性陣は次の畑へ移動。かさぎは女性陣に任せて、次の畑で倒しです。僕はある男性の車の助手席に乗せてもらって移動したのですが、その車中でちょっとばかり話をしました。

 その男性はナカソコさんの次男で、去年那覇からこちらに帰ってきたそうです。平日はお兄さんと一緒に車の整備を行い、日曜日はたまにきび刈りを手伝うんだとか。今日はナカソコ家のきび刈り人数は多いけど、それは今日が日曜日だからであって、平日はもっと少ない人数でやっている、と。事実、今日いるバイト風の男女二人も、他の農家さんからの応援だそうです。
 次男さんは、「最近のきび刈り歴はそんなに長くないんだよ」と言っていました。ただ子供の頃は小学校から帰ったら「今日は何処そこの畑」という置手紙があって、すぐに歩いて畑に行かなければ行けないので辛かったらしいです。昔は今のように車がなかったので、畑までの道が長くて大変だったそうです。今はかなり便利になったんでしょうねぇ。
 
 新しい畑について倒し開始。この頃には太陽がカンカンに照っていました。一人4列の割り当てで倒し。新しい畑なので、みんな同じ位置からスタートするわけで、こうなるとその人の倒しの速さが一目でわかります。バイトの人のみならず、さっきの次男さんにも置かれ行く始末。11時半まで倒したけど、かなりの差がついてしまいました。情けない。。ていうかやっぱり地元の人とかバイトの人は速いよ。。途中長男さんから「水飲みながら倒せよ、休憩しながら倒せよ」と優しい言葉をかけてもらったけど、それがまた申し訳ない・・・。長男さんからは倒した後の山の置き方のコツも教えてもらいました。
 倒しが速い人と一緒に仕事をすると、かなりあせります。自分が一番速かったら楽しくてアドレナリン出てくるんだけど、自分が一番遅いと本当にあせって、気持ちも体もきつくなってしまうという悪循環に陥ります。要は速く倒せるようになればいいんだけどね。今日は本当に暑くて遅くて体力的にも精神的にも辛かった。。 

 12時に一旦ナカソコ家に戻って昼食。石垣から送られてくる弁当と、ナカソコおばあ(=ナカソコのおばあさん)手作りのシジミの味噌汁を頂く。この味噌汁がうまかった。途中でおじいが来て話をしているけど、何を言っているかちんぷんかんぷん。かなり強い八重山方言を話してのもあるけど、歯がないのも影響してるのかも。。

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 1時から作業再開。男性陣は新しい畑でかさぎ、女性陣は最初の畑でかさぎです。僕はかさぎのほうが得意だから、だいぶ楽に作業していました。3時前に前の畑のきびをかさぎ終えた女性陣が到着して、全員でかさぎ。3時の休憩ではおじいがジュースを持ってきてくれました。ありがたい。さんぴん茶をおいしく飲む。暑い日は冷たい飲み物に限ります。

 3時半、作業開始。実は倒しが足りないことが判明したので、男性陣は再び倒し。本日3度目の倒し。正直辛い。でもあんまり倒しすぎるとかさぎ切れなくなって残業になってしまうので、そこまで倒す必要はなかったのですが・・・。

 ・・・倒しすぎました。僕のせいではないんですけどね。結局残業になってしまい、全ての作業が終了したのは5時45分。45分の延長です。まぁしょうがない。でも残業するとどっと疲れます。。

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 一日の仕事が終わってナカソコさんの家に戻ると、庭で宴会。今日一日お疲れ様、とういうことでかなり盛り上がりました。それにしてもナカソコ兄弟はよく笑う。明るい家族です。途中近所のおじいが、僕ら体験のためにゲットウの葉で包まれた餅をプレゼントしてくれました。僕はゲットウの葉の匂いが苦手なんだけど、餅は結構おいしい。ありがとうございます。写真撮っとけばよかったかな。

 宴会の中に、今日の作業中から気になっていた男の人がいました。いつもにこにこしているけど寡黙な人で、帽子を深く被っているから表情もよく分からない。歳は20歳前後かな?と思っていたんだけど、話を聞いてびっくり、年齢は既に30代後半らしい。その人—金城さんは普段は住み込みで長男さん、次男さんと一緒に車の整備をし、休日だけ気が向いたらきび刈りをするそうです。30代後半に見えなかったのもびっくりだけど、それよりも驚いたのが金城さんが琉球王朝の末裔だったこと。本当の話だそうです。いるところにはいるんですね〜。ちなみにナカソコ長男さんは自分達は琉球王朝時代の罪人で島流しにされた者の末裔だ、と言っていました。長い時を経て、王族の末裔と島流しの末裔が一緒に酒を飲んでいるとは、当時の人たちは考えもしなかったでしょう。歴史ってそんなもんなんでしょうね。

 宴会は9時半に終了して、古見まで送ってもらう。今日も一日お疲れ様でした。もちろんこの日もプロテインを飲んで早めの就寝。


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