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東京見聞録
2005年12月10日() 二日目 <東福寺、伏見稲荷大社とお山巡り、嵐山花灯路>


昼食はまたまた新福菜館で>

 携帯の目覚ましは一応7時にセットしたものの、そんなに早く起きられるわけもなく、起きたのは10時過ぎ。起きてまずやったのが、サークルの広報誌の原稿書き。このためにわざわざ重いパソコンを京都まで持って来ました。何でわざわざ京都まで来てこういうことをする必要があるのか・・・と嘆きたくなりますが、原稿の締め切りは9日(つまり前日)までなので、完全に自分の失態です。関係各位、ほんとすみません。

 ようやく原稿を書き終えてメールで送り、身支度を整えて出発。あおかつは今日も夜からのバイトがあるので、今日は幸君と二人で京都観光です。まずは昼食をとるべく四条河原町方面へ。何を食べようかとうろうろしたものの、目ぼしい店が見つからなかったので、諦めて「新福菜館」に入ってしまいました。新福菜館はこれで3度目です。

 今回はいつもと趣向を変えて、チャーハンセットを頼んでみました。チャーハン(中)とラーメン(小)のセットで900円。幸君は逆のラーメンセット(ラーメン中とチャーハン小)を注文。新福菜館はラーメンのみならずチャーハンも醤油の味が濃くておいしい、という話を聞いていたので、今回はチャーハンを主体に食べてみようと思いました。

 運ばれてきたチャーハンですが、かなりの黒い色をしています。普通のチャーハンだったらここまでの色にはなりません。きっと醤油がすごいに違いない。食べてみると、まさに味もそのまま醤油味で、さすが新福菜館という感じです。始めは醤油の香ばしさでかなりおいしく食べられますが、これと同じような味のラーメンとセットとなると、後半は味の変化がなくて飽きてきます。二つあわせると量も多いし。始め幸せ後半苦痛とはまさにこのこと。幸君の感想も「・・・」だったようで。ごめん。

 新福菜館でとりあえず満腹になったので、観光に向かうべく京阪三条駅へ。途中三条大橋を通るついでに、三条大橋の写真を撮ってみました。よく考えると三条大橋の上から写真を撮ることはあったけど、三条大橋自体の写真を撮ったことはなかったので。ヤジキタ像がある、東海道上がりの三条大橋です。


<新福菜館のチャーハン>

<三条大橋>

<東福寺で紅葉の残骸を拝む>

 京阪三条から普通電車に乗って南下し、東福寺駅へ。今日の最初の目的地は東福寺です。臨済宗東福寺派の総本山である東福寺は、京都の紅葉の名所として名高いですが、さすがに12月ともなると紅葉は期待薄です。やっぱり11月に見に行っておくべきだったかも・・・と思いつつ東福寺へ。東福寺に着いてみると、果たして紅葉のシーズンは終わっていたのでした。臥雲橋から眺める紅葉の海は素晴らしいと聞いていただけに残念。 


<臥雲橋から通天橋を眺める>

<通天橋を渡る>

<通天橋下の庭園>

<庭園を眺める>

<東福寺 三門>

<開山堂とその庭園>

 と、紅葉が全くないような書き方をしてきましたが、実際は所々に遅咲き(?)の紅葉が残っていました。その紅葉の美しさにはただただ感服するばかり。というかこの紅葉を見せられたら、やっぱりピークの時期に来ておくんだった・・・と後悔の念が強まるばかりです。せっかくなのでいつもより大き目の写真でご覧ください。

<伏見稲荷大社とお山巡り>

 東福寺の次は伏見稲荷大社へ。東福寺から南に歩いて約15分の距離にあります。実はこの伏見稲荷大社、今回の京都行きの最大の目的あると言っても過言ではありませんでした。というのも伏見稲荷大社自体もさることながら、伏見稲荷の背後にある稲荷山を巡る「お山巡り」をやってみたかったというのがあります。これまでも京都に来たときは「今回こそ行こう」と思っていたものの、呑んだくれたり寝坊したりでなかなか行くことができませんでした。そういうわけで、今回は何が何でも行こうと決めていた場所です。幸君が興味がないと言ったら一人でも行くつもりでした。

 ところが昨日のももじろうで飲んでいるとき、幸君に今回京都で行きたいところを聞くと、これまた偶然に「伏見稲荷大社」という言葉が出てきました。これは奇跡。数ある京都の観光地の中で、まさか二人ともがよりによって伏見稲荷大社を筆頭に選ぶとは、驚き以外の何者でもありません。そういうわけで二人そろって本命の伏見稲荷大社へ。

 伏見稲荷大社は全国にある「お稲荷さん」と呼ばれる稲荷神社の総本山ということで、初詣客は京都でダントツの一位だそうです。その人数は約250万人。「裏参道」と呼ばれる参道には多くの店が軒を並べており、その中のいくつかの店で「すずめの串焼き」や「うずらの串焼き」なるものが売られています。最初はこれを食べることも目的としていたのだけど、目の前にして日和ってしまった。幸君は食べないって言うし。やっぱり恐いもの見たさはいけませんね。でも一匹400円のスズメというのはどういう味がするのだろうかという疑問は残ります。次こそは是非。


<裏参道>

<伏見稲荷大社 楼門>

<楼門前のお稲荷様>

<拝殿>

 拝殿で参拝しておみくじを引いてみました。そしたら見事に大吉。中身もいいことしか書いていません。ふふふふ。おみくじでもいい事が書かれていると嬉しいです。おみくじに気を良くし、いよいよお山巡りへ。本殿の裏にまわると、あまりにも有名な千本鳥居が現れます。これをくぐって、まずは奥の院を目指します。


<千本鳥居 入り口>

<大き目の鳥居が続く>

<分かれ道>

<小さな鳥居が高密度で続く>

 千本鳥居はそれはそれは不思議な空間です。僕は子供の頃、神社の一角にある鳥居のトンネルが大好きでした。あのトンネルはどこまで続いているのだろうと思い、一人探検をしたものです。そんな子供の頃のことを思い出しながら、伏見稲荷大社の鳥居のトンネルを歩きました。考えてみると、これほど「日本的なもの」というのも他にあまりないのかもしれません。まさに“Japanese Beauty”のうちの一つです。ただ千本鳥居は全体として見るときれいですが、途中で根元が腐っている鳥居もあって、近くで見ると結構危ないものもあったりします。

 そんな千本鳥居を抜け、奥の院に到着。奥の院には「おもかる石」なる奇妙なものがあったので、それを試してみました。下の写真を見てもらうと分かりやすいと思いますが、「おもかる石」というのは二つの灯篭の上に載っている丸い石のことです。まず願い事を思い浮かべ、その次に石の重さを想像します。そして実際に石を持ち上げてみます。このとき想像していたよりも石が重ければ願いは叶わず、逆に想像よりも石が軽ければ願いが叶う、というものです。

 まず大事なのは最初の願い事の選択。ここで人生において本命の願い事をしてしまうと、石が重い場合大変なことになります。なのでここでは小さな願い事をするべきだな・・・と思い、選んだのは「これから1ヵ月、酒がおいしく飲めますように」という願い事。1ヶ月と期間限定なのがミソです。こういう場合は時限立法にすると万が一の時助かります。一方の幸君は「給料アップ」を望んだ模様。願い事を選んだら、次は石の重さです。ここでのポイントは当たり前ながら出来るだけ重く見積もること。でも実際に石の重さの感覚なんてわからないので、正直これは困りました。とりあえず20キロくらいと見積もって、石を持ち上げてみました。

 ・・・重い。でも想像とどっちが重いのかが分かりません。20キロなんて感覚ではどうしようもない見積もりをするべきじゃありませんでした。でもまぁ石の重さは20キロより軽かったと考えておけばいいか。ということで願いは多分叶ったということにしておきます。ちなみに隣で幸君は「・・・重っ!」と言っていたので、恐らく予想より重かったに違いありません。さようなら、給料アップ。。


<おもかる石>

<白狐の絵馬>

 ここからいよいよお山巡りへ。お山巡りとは、標高233メートルの稲荷山のいたるところにある祠や塚を巡拝することです。祠や塚の数は約300、鳥居の数は約7000、距離にして約4キロ。普通に歩くだけで1時間半かかるらしいので結構大変です。気管支炎の病み上がりなのに大丈夫かな・・・というのが心配ではありますが。


<ここからお山巡りスタート>

<階段を登っていく>

 最初のうちは道も平坦で歩きやすいですが、入り口から1分くらい行ったところで5人の熟女が「もう疲れた」「どうするもっと先に進む?」「いや、もうやめようよ」「いやいや、せっかく来たんだからもうちょっと行きましょうよ」と、何とも不毛な言い争いをしておられました。まあこの辺で疲れた人が出るのなら、絶対にやめた方がいいと思うけど。

 先に進むと段々と上り坂になってきます。最初のうちはよかったのだけど、だんだんと恐れていたことが。。気管支炎が完治していないのか、歩くたびに息苦しくなってきました。途中からは少しずつ休憩を入れないと歩けなくなる始末。ここまで来て気管支炎とは・・・。自分が情けなくなると同時に、幸君に申し訳ない。でも折角来たのだから、とりあえず途中の四つ辻までは頑張ってみようということに。途中休みを入れつつ、何とか四つ辻に辿りつきました。遠くない後日、この気管支炎は喘息だということが分かりますが・・・。


<三つ辻辺り>
 
<四つ辻辺り>

 四つ辻で休憩しながら、眼下に広がる夕暮れの京都の街並みを堪能しました。見晴らしのよい景色は、疲れや息苦しさを一瞬忘れさせてくれます。さて、ここからどうするか。引き返すのかそれとも最後まで行くのか。少しだけ悩んだ末、行くことにしました。今回はこのために京都に来たといっても過言ではないのに、それを途中で諦めるなんて。行くしかありません。


<山中は暗い>

 四つ辻から先は右回りでも左回りでも頂上の一の峰を目指せます。どっちでも同じなので、左回りで行くことに。最初はなぜか下りだったので、気管支のほうもちょっと楽になりました。よかったよかった。四つ辻を越えた辺りから山の中に入り、辺りが暗くなります。時間は4時過ぎだったから多少暗くはあるのだけど、木々に覆われた山の中はほぼ夜のようです。既に灯篭に火が灯っていました。まあ、この方が神々しさがあるというものです。

 途中に万病に効く「薬力社」という小さな祠があったので、そこでじっくりと拝んできました。とりあえずこの気管支炎を何とかしてくれ、と。これが効いたのかどうか、その後頂上までは何とか体調も持ち堪えたようです。頂上までは四つ辻までの道のりよりも意外と楽だな・・・と思っていると、最後にラストスパートと言わんばかりの物凄い坂道が待ち構えていました。これは苦しい。ひーこら言いながら登って行き、遂に頂上の一の峰に到着。

 麓にある今の本殿は室町時代に建てられたものらしいですが、それまで本殿はこの山頂にあったそうです。それまでの人は頂上にある伏見稲荷にお参りするのは大変だったことでしょう。それを証明するかのように、少しデブだったと言われる清少納言は、あの『枕草子』に「うらやましげなるもの」として、「いささか苦しげもなく、おくれて来とみる者どもの、ただ行きに先に立ちて詣ずる」と書いています。デブの清少納言は大変だったことでしょう。今日だけは清少納言の気持ちがわかった気がします。


<一の峰に到着!>

<一の峰>

 一の峰でお参りしたら、あとは下るだけ。上りに比べると下りは格段に楽です。下りは鳥居の裏側を見ながらになるので、寄進した人達の名前が書かれた面を見ることになり、様々な地方の様々な人が鳥居を寄進しているのが分かります。そして4時半頃麓に戻ってきて、お山巡りは終了。目的を達成することができてよかった。お山巡りはお金を使わないし、健康にもいいし、お勧めです。


<鳥居の裏側を見ながら下る>

<月が見える>

<嵐山花灯路>

 お山巡りを終えた後、JRの伏見駅から奈良線で京都駅へ戻り、山陰本線に乗り換えて嵯峨嵐山へ。あおかつ君がバイトしている嵐山花灯路へと向かいました。(嵐山花灯路については こちらのページ をどうぞ)。嵐山花灯路は9日から18日までの10日間開催。いい時期に来たもんだ。なかなかの混雑だった山陰本線を嵯峨嵐山駅で降りると、嵐山の寒さが身に染みます。さすがに寒い・・・。冬の京都の寒さは厳しいとは聞いていたけれど、山に近い嵐山の夜の寒さはまた別格です。この中で働くのは大変でしょう。そんな寒さに震えながら、有名な渡月橋方面へ。途中有名らしいコロッケを売っていたので買って食べることに。寒いときに暖かい食べものはありがたいものです。

 コロッケを食べたものの、お山巡りで結構歩いて腹も減っていたので、早めに夕食をとることにしました。道端にあった庶民的なお好み焼き屋に入り、モダン焼に生ビールをつけて。あぁ、うまい。寒い夜に熱いお好み焼きを食べて、冷たいビールを飲む。何という至高のひと時でしょうか。幸せ気分で満腹になった後は渡月橋へ向かいました。人は物凄く多いですが、ライトアップされた渡月橋のそれはきれいなこと。

 渡月橋を渡った後は近辺を散策し、竹林の小径と呼ばれる趣のある通りへ。ライトアップされてきれいですが、人が多過ぎてよく見えないのが困り者です。この時期は様々な寺社仏閣が夜間特別拝観やライトアップを行っていましたが、暗い中見てもよく分からないのと、時間が押し迫っているのもあって、外から眺めるだけにしておきました。二尊院とか常寂光寺とか野宮神社とか。嵐山には他に大覚寺、天竜寺という有名な寺もあるし、一度昼間に訪れる必要がありそうです。


<嵐山の木々もライトアップ>

<大河内山荘あたりのライトアップ>

<トロッコ嵐山駅>

<道に灯路が並ぶ>

<野宮神社>

<二尊院>

<最初に食べたコロッケ>

<寒い夜にはコーヒーがおいしい>

 こうして嵐山花灯路一帯を1時間近くかけて散策し、夜の嵐山を満喫しました。働いているあおかつ君には会えなかったけど、寒い中本当にご苦労様です。僕は本当に寒かったので、気管支炎が再発して苦しいことこの上なくなり、酸素不足から途中の記憶が曖昧だったりします。体調が良くないときは無理をしない方がよいかもしれません。9時過ぎに嵐山を後にして、京都市街へ。

<木屋町で焼き鳥を食べる>

 市役所前でバイトが終わったあおかつ君とこつこつさんと合流して、4人で木屋町にある焼き鳥屋へ。遅い夕食です。夕食はさっき嵐山でお好み焼きを食べた気もするけど、気にしない。今回の焼き鳥屋は前回の値段不明焼き鳥屋と比べて、値段も具も控えめでしたが、ビールが安かったのでおいしくいただきました。でも撮った写真を見てみると、サイドメニューばかりで焼鳥自体を撮ってないんだよなぁ・・・。


<シシャモ焼>

<突き出しのキャベツ>

 焼き鳥の後は自遊空間に行って4人でビリヤード。ビリヤードは勝つとなお楽しいですね。でもこつこつさんが上手いのにはびっくりしました。きっとあおかつが一生懸命教えているに違いない。結局2時近くまで遊んで帰宅。今日はよく歩いた上に、気管支をやってしまった感があるので、薬を飲んで寝ることにしました。AM4時、就寝。


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