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東京見聞録
2005年12月11日() 三日目 <下鴨神社、上賀茂神社、京都タワー、清水寺夜間拝観>


昼食はまた○竹で>

 目が覚めると12時。起きてからしばらくは、みんなで関西ローカルのテレビ番組を見ていました。番組のタイトルは忘れましたが、メッセンジャーの黒田が司会をやっていた番組で、その中のワンコーナーで関西の各府県の人(主に県庁所在地の人)にインタビューして、自分の府県の嫌いなところを挙げてもらうというのがありました。途中からしか見てなかったけど、その一位回答というのが県によって特色が出ていて

 ・和歌山県人 ・・・ 交通の便が悪い
 ・兵庫県人 ・・・ 自分の街に不満はない
 ・滋賀県人 ・・・ 琵琶湖がでかすぎる

 とまぁなかなか自虐的な県もあったりして面白いです。琵琶湖がでかすぎると答えた滋賀県人は、京都に出ると「滋賀作(シガサク)」と呼ばれて馬鹿にされるそうですね。確かに僕から見ても、滋賀って琵琶湖があって京都に近い割にはいまいち存在感がない気がします。滋賀県人の皆さん、頑張ってください。。

 地方に行くと、普段東京では見ることが出来ないローカル番組を見ることができます。ローカル番組やローカルCMを見ていると、その地方の雰囲気を感じることが出来るので、僕は旅先でローカルテレビを見るのも一つの楽しみにしています。名所を見学しておいしいものを食べるだけが旅行じゃないはずなので、この辺は重要なことだと思っています。。

 時間も2時前になったので出かける準備。幸君は明日から仕事なので、今日中に新幹線で福岡に帰らなければなりません。一方のあおかつ君は今日も午後から嵐山花灯路のバイト。ということで幸君とあおかつはここでお別れ。僕は幸君と共に京都観光へ。5時くらいに京都駅に着ければ、ということだったので、手短に観光することにしました。

 まずは遅い昼食。時間もないしあまり当てもないので、近くにある「麺屋○竹」に行くことに。前回行っておいしかったので(特に焼豚飯がおいしかった)、今回も行ってみましたが、着いてみると結構な行列が出来ていました。15人ほど並んでいます。そういえば今日は日曜日。前回は平日だったし4時近かったからすぐに座れたけれど、今日はそうも行かないみたいです。店のある場所は普通の住宅街なのに、これだけ行列ができるとは。○竹の有名具合を改めて思い知りました。

 結局30分待ってようやく着席。注文したのは前回と同じくラーメンと焼豚飯。幸君はそれにプラス餃子。やっぱりおいしいです。特に腹が減っている時にこの二つを食べると、幸せ一杯になります。うまかった。幸君も「昨日のところ(=新福菜館)よりうまい」って言ってたし。ちなみに焼豚飯は僕らで最後だったらしく、後に並んでた人が注文しても、「すみません、ご飯モノは終わってしまったんです・・・」ということになっていました。運がよくてよかったよかった。焼豚飯を食べると食べないとでは、この日の満足度が全く違ったものになっていたでしょう。


<○竹のラーメン>

<夷川通り>

<下鴨神社とみたらし団子>

 ○竹のラーメンを食べた後は、河原町通りまで出てバス停へ。今日はまだ訪れたことのない世界遺産、下鴨神社と上賀茂神社の両賀茂神社へ行くことにしました。下鴨神社はずっと前から行って見たかった場所ですが、あおかつ邸から近いしいつでも行けると思っていたら、ずるずる延びてしまってました。バスに乗って下鴨神社へ。今日はバス移動が多くなりそうなので、500円の一日乗車券を購入しました。

 下鴨神社前でバスを降りて下鴨神社へ。下鴨神社は正式名称加茂御祖神社(かもをみやじんじゃ)。京都最古の神社で、古代豪族加茂氏の氏神。8世紀中頃には出来ていたそうです。平安遷都の前からある神社というわけですね。下鴨神社は京都の中でも最も遅く紅葉のシーズンを迎える場所のようで、12月中旬のこの時期でもまだ赤く染まった紅葉を見ることができました。


<下鴨神社 鳥居>

<下鴨神社 楼門>

<本殿>

<御手洗社>

 お参りした後は恒例のおみくじ。今日は吉でした。微妙だ。しかも最初のお言葉が「富えの途はもっぱら二つの言葉にかかっている 曰く 勤勉と倹約 ——フランクリン」って外国人のお言葉だったりして、謎です。幸君も吉だったようで、吉って本当に微妙よね。微妙な気持ちを引きずりつつ、境内をぶらぶら。境内の端に御手洗社という小さな末社があって、そこの下を流れる川に手足を浸すと穢れが取れるそうです。穢れを取るために足を浸すべきだったのかもしれませんが、寒いし濡れるのいやだからやめました。御手洗社では土用の丑の日に「足つけ祭」なる祭りが開催されるそうですが、その日に池の底から水が湧き、表面に水泡がプクプクとできるそうです。その水泡をかたどってできたのが、あのみたらし団子。みたらし団子の原点は下鴨神社だったわけですね。

 他にも境内には「京の七不思議の一つ 縁結びの御神木」なるものもありました。下の写真がそうなですが、縁結びの神の力によって、二つの木が途中でくっついて一つの木になっていると。このことから縁結びや安産子育ての神得の現れらしいです。しかもこの木は4代目なんだとか。今までの4代とも下鴨神社にある森で生まれたというのだから、これは不思議。こういうのは科学的にはどういう風に説明できるんでしょうか?知っている方がいたら是非教えてください。


<縁結びの御神木>

 下鴨神社を出て、神社前にある 「加茂みたらし茶屋」 へ。せっかく下鴨神社でみたらし団子の由来を知ったのだから、本家で食べてみたくなるものです。店に入ってみたらし団子を注文したらすぐに出てきました。下の写真を見てもらうと分かると思いますが、先頭の一つの団子だけが離れて刺さっています。これは人形の頭をイメージしているからだそうです。

 味の方も、今まで食べたみたらし団子の中で一番おいしいかもしれないと感じました。団子自体が小さめで食べやすい上に、軽く焦げ目がついているので香ばしい。タレもこれでもかというほどかかっていて、黒蜜の味がよく効いています。甘すぎないのもよい。セブン○レブンかどっかで買うみたらし団子とはやっぱり違いますね。今までみたらし団子はあまり好きではなかったのですが、今日ここでみたらし団子を食べて、今まで自分がみたらし団子だと思って食べてきたのは、みたらし団子ではない偽物団子なんじゃないかと思い始めました。


<加茂みたらし茶屋>

<みたらし団子 400円>

 

<上賀茂神社>

 みたらし団子に満足して次に向かったのは上賀茂神社。下に行ったら上に行くしかないという単純な理由です。実際に上賀茂神社と下鴨神社を合わせて加茂社と言うらしいし。下鴨神社からバスに乗って20分、上賀茂神社に到着。上賀茂神社は加茂別雷神社とも言い、下鴨神社で祭られている神様の子供を祭っているそうです。上賀茂も下鴨と時期に建てられているので、その歴史は長いです。そして京都の北にあるので、下鴨神社よりも周りが静かで広大。夕暮れ時で参拝客がほとんどいないのもあって、広々していました。


<上賀茂神社前鳥居>

<細殿と立砂>

<上賀茂神社 楼門>

<風そよぐ森>

 上賀茂神社の中には森のようなところがあり、そこを小川が流れています。その川の流れを見て藤原家隆は次の句を詠んだそうです。

   風そよぐならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりける

 知っている人は知っているであろう、百人一首の一句ですが、1000年も昔に百人一首が詠まれた舞台にいると思うと、なかなか感慨深いものがあります。高校のとき、一生懸命百人一首を暗記したなぁ。もう忘れたけど。そういうわけで、夕暮れの上賀茂神社を静かに散策し、5時過ぎのバスの乗って京都駅へと向かいました。それにしても上賀茂神社は世界遺産であるにもかかわらず、今まで京都で訪れた名所の中で一番人が少なかった。時間の問題もあるとは思いますが、結構寂しい場所でした。まあその寂しさもまたいいのだけれど。

<京都タワーに上る>

 京都駅に着いたのが6時。上賀茂神社から1時間もかかりました。距離としてはそんなに遠くありませんが、京都の街は信号が多いために時間がかかります。そして上賀茂神社では全くいなかった乗客も、四条河原町でピークに。特に四条河原町で鬼のように乗ってきます。恐いです。そういうわけで6時に京都駅で降り、新幹線の改札まで行って幸君とお別れ。三日間お疲れ様。

 さて、一人になりました。あおかつ君が家に帰ってくる9時半頃まで、どこかで時間を潰さなければいけません。最悪どこかのカフェで新書でも読むことを覚悟していたのだけど、偶然いいものを見つけました。上賀茂神社のバス停のところにあった「清水寺夜間特別拝観」のポスター。しかも開催期間は今日まで。清水寺には何度も行ったことはあるけど、夜間は未体験。となると、これはもう行くしかありません。

 ただその夜間拝観は6時半から。現在6時。まだ時間があるので、それまでの時間を潰さなければいけません。何かいいものはないか、と周りを見てみると・・・目の前に京都タワーがありました。そういえばいつも眺めていたのに、登ってみるという発想はなかったな。今回は京都タワーに上って、京都の街を眺めてみることにしました。料金770円を払って展望室行きのエレベーターに乗ると、京都に関する解説テープが流れます。そのテープの声が

 「ようこそ京都へおこしやす。ここ京都は(中略)どす。・・・」

 と、どういう訳か舞妓さんしか話さないような京都弁でした。京都に来てこういう話し方を初めて聞いたので、思わず笑いそうになりました。が、後で聞くとこのテープの声の主は、かなり有名な舞妓さんだそうです。舞妓さんは本当にそういう喋り方をしはるんですね。

 舞妓さんの声の案内を聞きつつ展望室へ。地上100メートルの展望室は意外とこぢんまりとしています。この前行ったサンシャイン60と比べると半分の高さしかありませんが、京都は他の建物が低いから眺めは抜群。そして夜景がきれい。


<京都駅方面>

 京都の夜景は東京のそれと比べるとかなり質素です。基本的に寺社は明かりをつけないので、夜になると何処にどの有名な寺社があるのかあまりわかりません。かろうじて分かったのは近くにある東寺と東本願寺くらい。あとは暗い。

 あと、天気がいいと遠く大阪の通天閣や大阪城まで見えます、というようなことが書いてありました。この日は天気がよかったので大阪方面を見てみると、確かにネオンの明かりが煌々と輝いています。でもどれが通天閣でどれが大阪城なのやら全然わかりません。やっぱり夜だからな・・・と思っていると、隣のカップルが望遠鏡を覗きながら、「ほら、あれあれ、あそこに大阪城見えるじゃん」「どれぇ〜??あ、ほんとだぁ〜!すごぉ〜い!!」と、幸せ満載のトークを繰り広げてくれました。どうやら大阪城は本当に見えるようです。ということで、僕も見た気になって京都タワーを降りることに。

<清水寺夜間拝観>

 京都タワーを降りたらちょうど良い時間になったので、京都駅前からバスに乗って清水寺へ。茶碗坂を登って清水寺に到着すると、ライトアップされた仁王門が目に入ります。 


<仁王門>

<三重塔と経堂(手前)>

 仁王門、三重塔を経て向かったのは成就院。成就院の庭は、この時期だけ特別に公開されているらしく、それを見るためには料金が別に600円かかるということでしたが、二度とないチャンスかもしれないので行ってきました。成就院の庭はそれはそれは美しい。夜なので池面に映る木や石の姿が一段と美しいです。解説のおじさんの喋りも分かりやすく面白くて、なかなかいい体験をさせてもらいました。写真を撮れなかったのが残念だけど、どんな庭か知りたい人は検索か何かで探してみてください(適当ですみません。)

 成就院を見学した後は、いよいよ清水の舞台。紅葉はほとんど終わっていたけど、それでも十分見ごたえがありました。


<清水の舞台から子安塔を望む>

<清水の舞台を望む>

 初めての夜間拝観で、いいものを見させてもらいました。欲を言えば他に誰かと一緒に来ていれば。周りを見ても一人で来ている人なんていないし、やっぱりこの感動を誰かと共有したいしね。

<一神堂のラーメン>

 清水寺を降りたら8時半。そろそろいい時間なので、あおかつ邸近くに戻ることにしました。バスに乗って河原町丸太町へ。京都駅方向へ行くバスは大混雑でしたが、僕の乗った反対側へ向かうバスはガラガラでした。こういうとき、ちょっと優越感を覚えます。河原町丸太町でバスを降りてからは 「一神堂」 というラーメン屋へ。あおかつが帰ってきてから夕食ということになると思いますが、その前に少し腹を膨らませておこうと思い、前から気になっていた一神堂へ行くことにしました。あおかつ邸から程近い場所にあります。

 この店は何回か訪れているものの、行くといつも閉まっていて残念、という感じの店でした。今回はきちんと営業時間を調べてきた上での訪問なので大丈夫。この店はあの「東龍」(前々回の京都旅行記二日目参照)の2号店という位置付けだそうで、実際従業員の一人は東龍のTシャツを着ています。実際店に入ると、かなり簡素な店のつくりであることがわかります。店はプレハブにして、トイレは簡易トイレ。席はカウンター5席にテーブル1席という狭さ。でもこの感じも悪くはないです。とりあえず看板メニューの一神堂そばを注文。

 出てきたラーメンは塩豚骨。それにアサリが入っています。なかなかおいしいのだけど・・・なんかなぁ。。アサリの匂いがちょっときついというか。あとミョウガが入っていて、それが結構きついです。ちょっと僕の好みからは外れるかな。東龍のラーメンは本当においしいのだけれど。まぁ他にもメニューがあるみたいなので、もしまた来ることがあれば今度はそっちを頼んでみようと思います。


<一神堂そば(700円)>

<河原町通りに面する一神堂>

 ラーメンを食べてもまだあおかつが帰ってくるまで時間があったので、ぶらぶらと新京極方面へ。新京極のミスタードーナツでドーナツ5個くらい買って、お世話になっているあおかつ君とこつこつさんへの手土産にすることにしました。ミスタードーナツに入るのはかなり久しぶりで、ポンデリングというものを見たのは実際初めて。あとはコンビニでビールを買って、あおかつ邸へ。

 あおかつ君は帰りに鍋の材料を買出ししたらしく、今日の夜は鍋をすることになりました。寒い京都の冬は鍋が一番ですね。この日は昼間からかなり寒かったから、暖かいものは有難い。あおかつ君が準備をして、こつこつさんも帰ってきてから三人で鍋。鍋の後はおじや。こつこつさんが作ってくれたおじやは、かなりのおいしさでした。塩だけであそこまでおいしく出来るものなんですね。いつもはドバドバとポン酢を入れるけど、そんなもの入れなくても十分だということがよくわかりました。

 腹も膨れ、笑福亭仁鶴がバラエティに出ていることに驚きながらこの日は就寝。寒い日だった。


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