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上海・嘉興調査 4  
2009年9月17日(木) 四日目   <上海(循環経済に関する聞き取り、豫園、上海料理)>


上海は雨 聞き取りと豫園>

 朝6時起床。外は雨が降っています。上海の街は、というか中国の街は超車社会で、赤でも右折は出来るとか、轢かれたら轢かれた方が悪いとか、最初の方は横断歩道を渡るのにも戦々恐々でした。でも3日いるうちに段々と慣れてしまい、車の隙間を縫ってすいすいと歩けるようになります。「ギリギリまで寄っておいて、どうせ轢くつもりないだろ」という、ある意味自信過剰な考えが出てきたからですが。郷に入れば郷に従えで、中国では我先に行動しないと動けません。

 その車社会自体には慣れたのだけど、車が四六時中クラクションを鳴らすので街は本当に騒がしいです。ホテルの18階に居ながら、昼夜を問わずクラクションの音が聞こえてきます。さすがに夜中には聞こえなくなりますが、明け方4時頃から段々とクラクションが鳴り始め、朝6時にはもうかなり煩い状態です。そういう訳で、余程眠くない限りは朝6時くらいに目が覚めてしまい、上海では意味もなく早起きになってしまっていると。もう少し寝たいんだけどなぁ。

 朝食は朝6時半にいつもの会場で。微妙にメニューが変わるので、知床の時と違って何とか飽きずに食べることができるのはありがたい。相変わらず小松菜入り焼きそばが美味いです。油はかなり多いですが。油で疲れた胃には優しいものをということで、今日は野菜入りお粥を食べてみました。さっぱり味でうまい。


<本日の朝食>
 
<立派な会場で食べる>

 今日はロビーに11時半集合だったので、午前中はぶらぶらどこかに出かけようかと思いました。しかし生憎の雨で出るのも面倒です。というわけで、残念ながら部屋で仕事。せっかく上海に来ているのに、何をやっているのだろうかと悲しくなりますが、こればっかりは仕方がない。上海の週間天気予報は雲一つない快晴だったはずですが、上海に来てから太陽を見たことがありません。太陽どころか青空も。卍先生曰く、これは大気汚染の影響だと。先生は93年から何度も上海を訪れているそうですが、一度も晴れた日を見たことがないそうです。

 今日はいくつかのグループに分かれて用件をこなすことになっており、大御所の先生方はある大学に表敬訪問する予定でした。僕らは当初何もない予定で、この日はもしかすると一日フリーか?と思っていましたが、M1の留学生さんが聞き取りのアポを取ったということでそちらに同行することに。タクシーに乗って、浦東新区まで。浦東新区は、あの高層ビル群が立ち並ぶ風景で有名な場所ですが、90年代までは一面農村だったそうで、金融センター・新都心として開発されたのは最近のことだそうです。


<浦東新区の街並み>
 
<高層ビル群の頂上が煙っている>

 約束の時間は1時。少し早く到着したので、目の前にある店で軽く飲茶っぽい昼食を取ることにしました。残念ながら店の名前は記録していないので分かりません。でも雰囲気がある店で、小籠包がおいしかった。こういう飲茶っぽい昼食は上海での楽しみの一つだったので、食べることができてよかった。もう少し落ち着いた時間があればなお良かったですが。


<大層な飾り>
 
<雰囲気はある>

<小籠包>

<餡が入ったデザート>

<チャーシューパイ>

<お茶まで高級に見える>

 その後1時から3時過ぎまで聞き取り。せっかくなのでここでも一応議事録メモ係。詳しい内容は置いといて、人数が少ないと質問しやすいのでありがたいです。循環経済と言っても、その言葉の捉え方は多種多様なのだ、というのが今回の聞き取りの唯一の収穫。

 帰りは少し時間がありそうだったので、外灘と並ぶ上海のメイン観光スポットである豫園に寄ってみることに。近代と現代が楽しめる外灘に対し、豫園は古い中国の街並みが楽しめる場所。租界時代もこの辺り一角は中国人が多数住んでいた場所だそうです。若干テーマパークっぽくもなっていますが、建物から土産屋まで中国っぽくて散策し甲斐があります。中国初心者にはこういうのがいいね。ちょうど雨が小降りになってきたのもよかった。

 

 豫園は明代の役人が父のために作った庭園が始まりだそうです。見学エリアに入るのは40元かかるのと、時間があまりないということで断念しましたが、地球の歩き方を見れば大体どんな建物や庭があるか分かるのでまあいいかと。見学エリアの外も中国っぽい感じで、個人的には結構満足したし。今度また時間があったらじっくり見ます。


<豫園1>
 
<豫園2>

<豫園3>

<ここから先は有料>

 しかしせっかく豫園に来たのだから、名物を食って帰らない訳にはいきません。その土地の名物を食べるのも、プロジェクトの一つの使命です。豫園には 「南翔饅頭店」 という上海で一番の知名度を誇る小籠包専門店があり、そこに寄らない訳にはいかない。創業1901年で、日本にも六本木ヒルズや福岡にも支店があり、ウィキペディアにも載っています。。噂に聞いていた通り、テイクアウト専門の1階はかなりの行列が出来ていましたが、天候のお陰が、レストランは空いており、並ぶことなく入ることができました。

 きのこやエビ、肉など数種類の小籠包を6人前注文し、聞き取りも終わったということでビールも。ここのプロジェクトのいいところは、先生方(やそれに準ずる人)が率先して昼からビールを飲んでくれることです。これだと下っ端の僕も心おきなく飲めるというもの。有難い限り。個人的に聞き取りが不完全燃焼だったので、その憂さを晴らす意味も込めてプレミアム青島をいただきました。小籠包はぷるぷるの外側にスープたくさんの中身で、昼からビールを飲みつつ小籠包を食べるなんて、何という幸せなことか。


<大量の小籠包が作られる>
 
<ここは良好らしい>

<名物の小籠包各種>

<昼からプレミアム青島>

 小籠包とビールで気分がよくなって、後はタクシーを拾ってホテルに戻るだけでしたが、再び雨が強くなったためかタクシーが全くつかまりません。30分くらい右往左往しても全くつかまらなかったので、諦めてバス・地下鉄を乗り継いで帰ることに。よくなっていた気分も、雨の中待ってタクシーがつかまらなかったのと、バスで帰ることになったのが重なり、テンション真っ逆さまです。僕はこのようなスムーズに行かなかった場合にすぐ機嫌が悪くなるので、まだまだお子様だなぁと反省しています。

 地球の歩き方によると、「バスはスリや犯罪が多いので余り乗らないほうがいい。地元の人でも敬遠する人はいる。」みたいなことが書かれていたので、最初はかなりおどおどしましたが、乗ってみると何のことはなく普通でした。ただ、運転はかなり荒いので立っていると危ないです。


<雨が段々と強くなる>
 
<おびえながらバスに乗る>

 無事最寄りの地下鉄駅に着き、そこから地下鉄に乗ってホテルへ。ホテルに6時到着。

<伝統ある洋館で上海料理を食べる>

 今日から大御所の先生や別で調査をしていた△↓さんのグループも合流するということで、人数は20人超と倍に。大御所の先生がいらっしゃるのと仕切り直しの意味も込めて、夜は今までで一番豪華なレストランで取ることになりました。昨日の店でもかなり高級だったのに、今日行くところがそことは比べ物にならないらしい。何でも20世紀初めに上海マフィアの大ボスとして名を馳せた杜月笙が、三番目だか四番目だかの妾に与えた洋館をそのままレストランとして使っているという、凄いのか凄くないのかよく分からない場所だそうです。店の名前を記録しなかったのが最大の失敗ですが、地図などから判断するに 「老洋房」 という店ではないかと思います(間違っていたら訂正します)。


<洋館三階>
 
<雰囲気が高級>

 3階の個室に通され、卍先生や大御所先生の御挨拶があった後に乾杯。うーん、洋館だけあって洒落ている。上海料理の店なので、料理自体は既に何度か見たことがあるもの(B1・C1・C3・A4など)が多かったですが、雰囲気というのは空腹に次ぐスパイスで、2割増しで美味しく感じられます。C3のトンポウローがこれまたうまい。店によって味付けがかなり違うことが分かります。ここのは割とあっさり目でした。A5は△↓さん一押しのカニ豆腐。カニの身がふんだんに入った豆腐料理で、確かにカニ風味が効いていておいしいです。しかし△↓さんに言わせると、上海蟹の時期ではないだけに、去年よりもインパクトがないらしい(というか去年もここに来てるのか!)。今度は上海蟹の季節に来てみたいもんです。

ABC
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 そういえば、なぜくるくる回るテーブルで、これだけの料理を誰かに手を付けられる前に写真に収められているのかと思う人もいるかと思います。なぜかというと、7月からの調査を通じて、居酒屋や食事を写真に取っている姿を卍先生に見られ、それからなぜか食べ物写真家として認知され、上海ではそれが皆さんにも行き渡り、食べる前に僕の前に料理を回してくれると、有難いのか申し訳ないのか分からない展開になったからです。回ってくると全ての料理の写真を撮らざるを得ず。。卍先生に至っては「裏プロジェクトとして、すぱくり料理写真プロジェクトを始動させて最終的に新書を書け」とおっしゃり、有難いけど恥ずかしいったらありゃしない。そういう皆さんの優しさがあって、今回の料理写真が撮れているということをご理解ください。

 それはさて置いて、豪華な上海料理を堪能する時間は終わり、後はホテルに戻るだけ。若者は先生達のためにタクシーを用意しろという△↓さんの伝達のもと、結構歩いてタクシーがつかまりそうな通りまで出ましたが、雨だと本当にタクシーがつかまりません。ようやくタクシーがつかまり、当初の予定ではそこに中国人留学生が乗って先生達が待つレストランまで行き、先生達に乗ってホテルに戻ってもらう、という手はずになっていました。しかしなぜか「留学生はこの後もタクシーを捕まえないといけない」とかいう理由でなぜか僕一人がタクシーに乗せられ、先生方が待つレストランへ戻ることに。。

 いやあ、まあ別にいいんだけど、その場に留学生は3人いたし、中国語も出来ないしレストランの場所もおぼつかない僕を一人で乗せて、それでレストランまで行けというのは結構ひどいんじゃ?急いでいたのでタクシーには乗りましたが、何か腑に落ちません。レストランの場所は留学生が運転手に指示していましたが、もしレストランにたどり着かなかったらどうしろと。僕、イーアルサンスーウーロンチャとニイハオシェイシェイしか知らないよ?レストランの名前を覚えてないし。もしタクシーの運転手が悪い奴で、連れまわされてお金とか取られたらどうしよう・・・とか、レストランに着くまでは気が気じゃありませんでした。無事レストランに着いたときはどれだけほっとしたことか。タクシーを待っていた卍先生も、「あれ、何ですぱくり君が一人で乗ってるの?」と驚いたご様子だったし。

 ということで若干イラっとしましたが、とりあえずは先生方をお送りすることができてよかった。僕らは若い先生達と一緒に地下鉄で戻り、10時半頃ホテルに到着。無事終わってよかった。


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