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東京見聞録
2005年3月15日() 五日目 <野生生物保護センターと由布島>


<古見の浜と後良川 時々

 寒さに震えつつ6時起床。やっぱり板の間で寝ると寝つきがよくありません。

 40人以上いると、朝食、水まわり、準備などなどがものすごく大変です。よその農家さんに行く人は7時15分に出発しなければいけないみたいだし。ということで、観光でのんびりしているすぱくりは、朝の喧騒の中にいると申し訳ないような気がしたので、一人古見の浜で海を眺めながら、穏やかな朝を過ごしました。 


<古見の浜>
 
<マングローブと古見の浜>

 7時半頃、人が少なくなった宿で朝食。今日はなぜかすのさんも畑に出るというので(観光で来た筈なんだけど。。)一人でのんびり観光することになりました。今日は徒歩で古見集落の近くを散策することにして(古見集落そのものの探索は明日)、8時出発。まずは集落のはずれにあるマナの店で手作りパンを購入。着いたらちょうど焼きたてのパンが出来たところでした。蜂蜜くるみパンとチーズパン2個を購入して、すぐ近くの後良川へ。


<マナの店>

 マナの店は後良川のすぐ近くにあります。古見という集落は前良川(マイラガワ)後良川(シイラガワ)という二本の川に挟まれています。つまりこの後良川を越えると、次の集落まで家や店なんかは全くなくなります。

 道路沿い、というかシイラガワにかかる橋の上にある展望台のようなところで、シイラガワを眺めつつさっきのパンを食べる。展望台には屋根があるので、直射日光を防いでくれます。天気も良くて吹き抜けていく風が気持ちいい・・・。そして目立つ観光地というわけではないので、ほとんど人が来ません。川を眺めながら、ぼーっと1時間ぐらい過ごしてしまいました。


<後良川>
 
<後良川のマングローブ>

<西表野生生物保護センター>

 ぼーっと風に吹かれた後は、シイラガワにかかる橋を越え、さらに歩いて1kmほど先にある野生生物保護センターへ。環境省所管のこのセンターには、西表の自然や生き物についての展示があります。思えば3年前に初めて西表に来たとき、最初に連れてきてもらったのがこの野生生物保護センターでした。でも3年前の記憶というのは薄れるもの。そして当時は西表に来て初めてなので、センターでたくさんの情報に出会っても処理できないことが多かったのです。西表のことをそれなりに知った今なら、当時よりもっと内容がよくわかるはず、と思って行ってみました。もう一つの理由としては、知り合いのそっとん(西表島さとうきび刈り記参照)がここで働いているというのもあるんですけどね。。

 少し山を登り、センターについたのは10時前。開館は10時からだったけど、係りの人がわざわざ早めに開けてくれました。


<西表野生生物保護センター>
 
<イリオモテヤマネコの剥製>

 3年前、初めて来たときに比べて、理解度は格段に高かった気がします。やっぱり博物館系の施設は一回訪れるだけじゃだめかもしれません。当時は「カンムリワシ」とか言われても「何のこっちゃ?」だったし。3年間の時の流れを噛み締めつつ見学していると、奥の事務所から一人の男性が。どうやらそっとんです。何たる偶然。

 そっとんはまさか僕がここにいるとは思ってもいないわけで、かなり驚いていました。こっちとしても偶然会えてラッキーなわけです。とりあえず今回旅行に来たわけ、この野生生物保護センターに来たわけとかを立ち話。仕事中なのであまり長話はできなかったけど、明日明後日くらいに暇ならどっか行こう、という話に。偶然ってすごいね。

 ちなみにそっとんは野生生物保護センターで保護しているイリオモテヤマネコやカンムリワシの飼育や、その他野生生物の生息調査を行っています。イリオモテヤマネコとカンムリワシに毎日触れ合う人は、広い世界の中でも彼ぐらいじゃないでしょうか。。

 というわけで野生生物保護センターで1時間ほど見学した後、次の目的地である由布島へと向かいました。

<由布島>

 次の目的地は古見から4kmの距離にある由布島(ゆぶじま)です。由布島はかなり小さな島で、島全体が植物園になっているようなところです。西表島からは満潮時でも水面が1mに満たない干潟を通って400m。西表の目と鼻の先にある島です。普通は「西表島の中の由布島」という扱われ方をします。

 5回も西表島に行っておきながら、何故か由布島に行ったことはありません。今回は初の由布島。かなりの期待をして出かけました。

 4キロとは言え、途中のアップダウンはかなりきついです。そして道路には誰一人通行人なんていない。普通西表島では、集落間は車で移動するので、その間の道を歩く人なんていません。実際誰一人ともすれ違わなかったし、歩いている人を全く見ませんでした。横を大型観光バスの大群が通り過ぎて行くのを見ると、やけに腹立たしくなったりもしたもんです。そんなこんなでせっせこせっせこ歩くこと1時間弱。ようやく由布島が見えてきました。下の写真で言うと、手前の平坦ではっきりした島影が由布島。その奥のちょっともこっとした島が小浜島、さらに左側にうっすら見えるのが石垣島。 


<西表島から由布島を眺める>

 由布島へは水牛車か徒歩で渡ります。折角なので名物の水牛者に乗ることにはしたけれど、回りを見てみるとみんな団体客。一人で来ている人なんて誰もいないのです。そりゃそうだよな。。結局、おじさんおばさんの団体客が乗る水牛者の末席に座らせてもらって、由布島へ渡りました。


<水牛車にのって由布島へ>

 水牛はゆっくりゆっくり。途中なぜか歩みを止めたりしつつ、15分くらいかけて400mの距離を渡りきりました。水牛君、ご苦労。で、由布島について水牛車料金+由布島入場料1300円を支払います。何かぼったくりのような気もしないではないですが、払わないと先に進めないので、とりあえず払っておきました。

 由布島の中に入って、まず最初に休憩所のようなところでパインジュースを。入場券を買うとジュース無料券がついてくるのです。おいしく頂きました。そうそう、パインジュースを入れてくれた人がちょっとした知り合いで、こっちも向こうもびっくり。今日は偶然の出会いが多い日です。

 続いて中にある土産物屋やレストランを物色。ここはやっぱり観光地なのです。所狭しと並ぶ土産物、大量に訪れるツアーのお客さん(特に中高年)、レストランで用意されている大量の昼食・・・。ツアーで西表観光を行う場合、大体ツアー会社と由布島が組んでいるようで、昼はここで食べるそうです。考えてみれば西表で由布島以外に大量の昼食を出せるほど大きなレストランなんてそうあるもんじゃないのでね。商売うまいなー。ちなみに僕は朝方食べたパンがお腹に残ってたので、昼食はとりませんでした。。

 その後は外に出て由布島観光。写真をどうぞ。


<植物園になっている由布島内部>
 
<旧由布島小・中学校前>

 一通り観光を終え、再び水牛車で西表まで戻ります。この水牛者はいいかもしれんです。のんびりのんびりした感じが個人的にはヒット。15分の旅を終えて、無事に西表島に帰り着きました。個人的感想としては「由布島はものすごい観光地だった」ということか。

 帰りも来た道を歩いて帰ります。目的がある「行き」はまだいいけど、目的を成し遂げた「帰り」はかなりきついです。日差しもかなり強かったし、辛かった。ようやく宿に帰り着いたのは3時前。宿にはゆずるさんと昼で畑を上がったすのさん、すのさんの友達できび刈りに来ていて、今日は食事当番のきくちゃんとリロさんが。(きくちゃんは一緒に黒磯の体験牧場に行ったきくちゃんです。。)昼ごはんが余っていたみたいなので、恐縮ですが頂きました。

<前良川と南風見田の浜>

 宿で一旦休憩して、次の目的地へ。次は前良川(マイラガワ)です。とりあえず展望台から見てみるだけにしておきました。明後日カヌーに行くかもしれないのです。マイラガワはシイラガワとは反対の集落のはずれにあります。


<マイワガワ上流方面>
 
<海方面>

 あと、マイラガワの近くには「古見のサキシマスオウ群」があります。が、ここは神聖なる「ウタキ」の場所。(ウタキとは、集落の神を祭っているような場所だと考えてください)鳥居をくぐってはいけないと言われていたので、写真を撮るだけにしておきました。


<古見のサキシマスオウ>

 これにて今日の観光は終わりです。宿に戻ったらゆずるさんが「仕事終わりに迎えに行ったついでに、帰りに一緒に浜でも行かない?」と。折角なのでリロさんと一緒に連れて行ってもらうことにしました。

 ゆずる家の畑につくと、まだ作業が終わりそうにありませんでした。ということで急遽参戦。普段着なのに鎌を片手に畑へ。一ヶ月ぶりにかさいでみました。わずか10分だったけど、いい運動になったわ。その後はみんなで南風見田の浜へ移動して海を見ながらビールで乾杯。この日が最後の学生がいたので、その人達のために浜まで来たのだとか。ゆずるさんはいい人ですね。


<南風見田の浜>

 海を見てビールを飲んで、6時ごろ宿へ。この日は食事当番のきくちゃんとリロさんが作ってくれたカレーがおいしかった。そしてベッドが空いたみたいで、なぜか新参者の僕が使わせてもらうことになりました。ありがとう。お休み。


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