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東京見聞録
2005年3月17日() 七日目 <前良川のカヌーと二回目の由布島>


<前良川でカヌー のち

 40人近くいた体験の学生も16日、17日でどんどんと帰っていきます。すのさんの友達のきくちゃんとリロさん、そしてサークルの後輩のノブ君もこの日帰京。寂しくなりますね・・・。

 さて、本日はすのさんも畑に出ずお休み。てことでゆずるさんのご好意で、二人でカヌーを使わせてもらうことになりました。前のきび刈り日記を見た方はご存知かもしれませんが、前回最終日にゆずるさんから「早朝カヌーに行ったら?」という提案をしてもらったにもかかわらず、泣く泣く辞退したという悲しい過去の経緯があります。そして今回。長いこと夢見たカヌー。

 早めに朝食を取ってカヌーのある前良川(マイラガワ)へ。ライフジャケットとパドルを持って準備万全。ゆずるさん所有の黄色いカヌーで上流を目指します。

 マイラガワ上流に向かって漕ぐこと約40分、そしてカヌーで進めなくなったら、適当にカヌーを停めて川沿いに歩くこと15分くらいで上流の滝つぼに到着する、ということを聞いていました。聞くだけなら簡単に滝つぼまで行けてしまいそうです。

 しかししかし。

 僕は以前西表のカヌーで迷ったことがあるのです。それは3年前のきび刈りの時。そのときゆずるさんのカヌーは西表西部の「ピナイサーラの滝」を目指す「ヒナイ川」のほとりに置いてありました。休みの日には二人一組でカヌーに乗ってピナイサーラの滝つぼと滝の上流部を目指す、というのが3年前の暗黙の掟でした。ちなみにピナイサーラの滝というのは西表のガイドブックに必ずと言っていいほど載っている有名な観光スポットです。ただし「危険なのでガイドをつけて行く事をお勧めする」という但し書きが書かれてあることが多いのです。そんなちょっと危険な滝を目指し、当時一年生だった僕と、とある四年生のお姉さまはカヌーを漕ぎ始めました。

 ゆずるさんから事前に教えてもらった通り、川を進んでいきました。が、行けども行けども目印が見えないのです。さすがにおかしいと思ったものの、当時「これがジャングル西表だ!」と勝手に思い込んでいた僕とお姉さまは、お構いなしに川に突っ込んでいったのです。

 どう考えても間違っている場所でカヌーを降り、どう考えても人が進むような場所でないジャングルをかき分けて奥に進みました。途中どう見ても人類未踏の地に立っているというとしか思えない状況に陥ったりもしました。快晴だったはずなのに太陽の光が届かないほど鬱蒼とした森と、何処からともなく聞こえてくる不気味な生物の鳴き声に慄き、本当に迷子にならないうちに引き返して、すごすごと元の場所まで戻ってきたと言う苦い記憶があります。漕ぎ出した地点からは滝が見えるのに、何でそこまでたどり着けなかったのか不思議です。宿に帰ってからみんなに迷ったことを伝えると「そりゃおかしい。誰でもいける」なんて冷たいお言葉を頂きました。ほんと、あの時の屈辱ったらなかったですわ。

 ちなみに次の年もう一度ピナイサーラの滝に行くチャンスがあって、一年目の失敗を活かして(?)無事に滝つぼにたどり着くことができたことを付け加えておきます。一年という年月を経て、ついに滝つぼにたどり着いたときは感動したもんです。

 とまぁちょっと昔話になってしまいましたが、一年目のカヌーがトラウマになってしまって、今回もなかなか目的地に着くことができないんじゃないか、と不安になってしまっていたのでした。ピナイサーラに比べるとマイラガワは一本道だし、迷うべき要素は少ないんだけど、それでも心配になってしまうのです。

 そんな不安を抱えつつ二人のりカヌーで出発です。  


<マイラガワをカヌーで行く>
 
<マイラガワ中流付近>

 漕ぎ始めて50分、だんだんと川幅が狭くなり、水深も浅くなってきました。これ以上進むのは無理と判断してカヌーを下り、川沿いにある道らしきものを進んでいきます。でもこの時点で本当に正しい道を進んでいるのかわからないのです。道っぽいけど道じゃないような気もするしな・・・。

 と思っていると、偶然本来進むべき道に出くわした模様。やっぱりカヌーを停めるところを間違っていたみたいでした。足場はかなり悪い道だけど、目印のテープもあるしこの道に違いない。正しい道が見つかってよかった。

 15分くらい歩くと、前から滝の音が。そして目の前に広がる滝つぼ。無事目的地に到着しました。


<マイラガワの滝>

 滝は落差とか迫力とかいった点からすると、正直しょぼいです。でもここの滝のいいところは、観光地化されておらずほとんど誰も訪れないので、思う存分独り占めできることでしょう。滝つぼのまわりに座って、水しぶきから出ているであろう怪しげなマイナスイオンを浴びながら30分くらい滝とその周りの風景を鑑賞していました。

 滝を十分堪能したところで帰途に。同じルートを辿り1時間かけてスタート地点に戻ってきました。今回のカヌーは迷うこともなく十分堪能することができたのでした。よかったよかった。

 カヌーを片付けて一旦宿に戻り、シャワーを浴びたらちょうど正午。昼過ぎに帰ってしまうきくちゃんとリロさんに別れを告げて、午後の行動に移ります。

<やすみやのカツ丼>

 カヌーから帰ったら一通のメールが届いていました。そっとん(四日目、または前回のきび刈り日記参照)からです。「今日は仕事休みだから、そっちも何もなければ古見へいきますよ」と。それに対して僕は「こっちに来てもらうのも申し訳ないから、こちらから大富に向かいます」と返事をしました。

 そっとんは古見から8キロほど離れた大富集落に住んでいます。そして今日の昼、僕とすのさんが昼食をとろうとしていた場所が大富集落。それなら大富で待ち合わせた方が双方にとって都合が良いはずです。そうと決まれば話は早い。準備を済ませ、ヒッチハイク大富に向かうことにしました。

 西表の交通手段は基本的には車です。バスは一日3本。となりゃヒッチハイクをするしかないのです。宿を出て手を上げると・・・何と早速一台目から停まってくれました。西表の人は優しいなぁ。停まってくれた車の運転手さんは、「ラティーダ」というコテージで働いている従業員の人でした。ラティーダといえばリュウさん(前回のきび刈り日記参照)と仲がよい。ということでリュウさんという共通の話題で少し話をしました。聞けば運転手さんは10ヶ月前に大阪からこっちに移って来たそうです。「大阪だったらヒッチハイクされても車は停めないけど、西表じゃ停めてしまう。こっちに来るとなぜか優しくなってしまうんよね」と仰ってました。確かにそれはよくわかります。西表ではどれだけの人に優しくされたことか。。ありがたい。

 丁寧にお礼を言って大富で下車。昼食をとりに食堂「やすみや」へ。

 「やすみや」さんもさとうきび畑を持っていて、一度だけ体験としてやすみやさんの畑に派遣されたことがありますが、そのときに食べた昼食がそれはそれは美味しかった。さすが食堂だと思ったものです。量も多いし中身も抜群。当時の昼食メニューはご飯、味噌汁、ゴーヤチャンプル、八重山そばだったと思います。ここのバイトさんは毎日おいしいものを食べられて羨ましいなぁと本気で思ったものです。

 その思いはすのさんも同じらしく、しきりに「やすみやは昼食がうまかった」と連呼していました。すのさんのときにはカツ丼が出てきたらしく、大層おいしかったそうな。

 今回はそんな3年前の味をもう一度・・・というわけでこの日の昼食にやすみやさんを選んだのです。今回は正式なお客として、お金を払って食べます。二人でカツ丼を注文。僕はやすみやのカツ丼を食べたことはありまんでしたが、それでも昔を思い出したような気がしました。やっぱりおいしかった。でもきび刈りしたときの昼食だったら、もっとおいしかったに違いない。


<やすみやのカツ丼 600円>

<古見の自然展望台> 

 昼食の後、そっとんと待ち合わせ。そっとんの車でドライブです。まずはお勧めのスポットに連れて行ってもらいました。

 大富古見間は周りに家もなく、森林の間を道路が走っています。今回連れて行ってもらったのはその道からちょっと入ったところにある見晴らしの良い岩場。この道は何回も通っているのに、そんな側道があるなんて全く気付きもしませんでした。

 側道に入り、車を降りて山道を歩くこと少々。例の岩が見えてきます。


<自然展望台?の岩>
 
<岩から海を眺める>

 岩に登ると周りの景色がひらけます。後ろは山、前は海の360度大パノラマ。そっとんはイリオモテヤマネコやカンムリワシの生息調査をしているときに、たまたまこの岩場を見つけたそうで、それ以降ちょくちょく訪れているそうです。ここで見る夕日は本当にきれいなことでしょう。

 場所は・・・僕も正確な場所を忘れてしまった。まぁこういうところはあんまり表沙汰にならない方がいいだろうから、これでいいのかも。偶然見つけたらまた行きます。

<二度目の由布島>

 次に向かったのは何と由布島。なぜかそういう流れになりました。最初は「一昨日行ったばかりなんだけどな・・・」と、ちと消極的な気分でした。

 車で古見から由布島へ。車だとわずか5分。この前はてくてく歩いて1時間かかったのに。文明って凄いね。

 由布島の対岸に着くと、かなり潮が引いています。どうやら干潮の時間帯に当たったらしい。水牛車に乗るのも馬鹿らしい、てことで歩いて由布島へ渡ることにしました。ちなみに、水牛車に乗ると1300円かかるのに対し、徒歩だと入園料500円のみで済みます(由布島は私有地なので「入園料」がかかるのです)

 由布島まで400mの道を歩き始めます。潮がかなり引いているとはいえ、やっぱり少しは水があるので靴だと濡れて困っちゃいます。仕方なく靴と靴下を脱いで素足に。前を行くそっとんとすのを見ると、彼らは島ぞうり(安いビニールサンダルのこと)ですいすい歩行。羨ましい。やっぱりこの島で生活するには島ぞうりが必要なんだと実感したのでした。靴なんて履いてくるべきじゃないですわ。 

 由布島について島内観光。一昨日観光したところをもう一度観光します。前回の経験から正直つまらんと思ってました。だがしかし。意外にも3人で見るのは楽しかった。1人で回るより、「これは〜だ」「あれは〜だ」とか話をしながら歩くと、周りのこともよく分かるし、何てったって寂しくない。やっぱり1人で観光するのは寂しいですからね。3人で由布島に来てよかった。ちょっと由布島のことが好きになりました。


<歩いて由布島へ>
 
<由布島の浜から小浜島方面>

<ガジュマルの木>

<水牛も暑い>

 帰りももちろん徒歩で。行きよりもさらに潮が引いていたけど、やっぱり裸足になりました。

 その後そっとんに宿まで送ってもらって今日の観光はおしまい。帰ってからは夕食を食べて酒飲んでまったり過ごしました。明日はいよいよきび刈り最終日です。


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