質屋 林業架線作業主任者...元柱=ヘッドツリー,向柱=ガイドツリー,先柱=テールツリー,集材機=ヤーダ,主索,搬器,
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



林業架線作業主任者
仮設の索道... ジャングル戦に関心のある軍事ファン の貴方ならば、クラッ!と来ます。必ず。




 労働安全衛生法第14条、労働安全衛生法施行令第6条三により、事業者は、次のいずれかに該当する機械集材装置(集材機、架線、搬器、支柱及びこれらに附属する物により構成され、動力を用いて、原木又は新炭材を巻き上げ、かつ、空中において運搬する設備をいう)若しくは運材索道(架線、搬器、支柱及びこれらに附属する物により構成され、原木又は薪炭材を一定の区間空中において運搬する設備をいう)の組立て、解体、変更若しくは修理の作業、又はこれらの設備による集材若しくは運材の作業について、都道府県労働基準局長の免許(林業架線作業主任者)を受けた者を作業主任者として選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければならない、と定められている。

イ.原動機の定格出力が7.5キロワットをこえるもの
ロ.支間の斜距離の合計が350メートル以上のもの
ハ.最大使用荷重が200キログラム以上のもの

 林業架線とは一言でいうと、木材を運ぶための仮設の専用索道である。索道とは、空中を渡したロープを利用する輸送手段であり、ロープウェイやスキー場等のリフトがそれにあたる。索道は地形の影響を受けず、急傾斜面にも強いことから、主に山岳における輸送に用いられる。つまり、山岳部等の急傾斜面で伐採した木材を搬出するための仮設の索道を総称し、架線集材=林業架線という。
  日本の森林資源 は国土の約70%を占めるが、地形を概して急峻である事から、木材の搬出は従来からその多くを機械集材装置や運材索道により行われてきた。その後、トラックや林内作業車等による集運材作業が活発に行われるようになった。しかし、車両の登坂が困難な急傾斜地での集材は、今後とも架線集材によらなければならない事が多い。又、従来型の機械集材装置による作業に加えて、新たに自走式搬器(キャレジ)や タワーヤーダ 等の集材作業も広く用いられている。
 
機械集材装置と運材索道の種類と分類
架線集材

(林業架線)

の種類
「機械集材装置」の

索張り方式の種類
タイラー式
エンドレスタイラー式
フォーリングブロック式
ホイスチングキャレジ式(ダブルエンドレス式)
スナビング式
ランニングスカイライン式
自走式搬器の索張り方式
タワーヤーダの索張り方式
「運材索道」の種類つるべ式索道
返り線交走式索道
半架線式索道
単線循環式索道
複線循環式索道(多支間連送式索道)
『林業架線作業主任者テキスト』16-22,28-32頁より集約し作成

 久々に、頭を抱える程の試験科目・内容だった。対策を進める中で、理解に苦しんだ項目としては、イラストを見て「この架線集材は「機械集材装置」or「運材索道」の○△□式である」と判別したり、誤っている点を指摘したりする問題と、何といっても「力学」である。特に、索の張力・緊張度、垂下比を算出する問題だ。力のつり合い、合成、分解、重量、重心、滑車他、ワイヤーロープ関連等々は、 クレーン に類似している内容といえる。尚、計算問題は「力学」以外にも「林業架線作業に関する知識」の科目でも出題される。
 しかし、当日の試験問題は 安全衛生技術試験協会公表試験問題 の焼き直しといえる程、類似問題が多く出題されていた。 林業・木材製造業労働災害防止協会 の『(改訂版)林業架線作業主任者免許試験標準問題集』は、問題集としての完成度は申し分のない完成度だが、異様に難易度の高い問題が多く、機械集材装置及び運材索道に関する知識 80問+林業架線作業に関する知識 74問+林業架線作業に必要な力学に関する知識 71問+関係法令 68問、計270頁もの問題を解くだけで、かなりの時間を割いてしまう。
 結論、この問題集は程々にして、 公表試験問題 を重点的にこなすべきである。
 

 …大自然・ジャングルの生立木を支柱(向柱・元柱・先柱)として駆使し、こんなにも複雑にワイヤーロープを取り回した装置を短時間の内に作設し、検定・試運転、運転、そして撤去・解体してしまう「人間様」の知識・技術って、物凄いと感じた…ジャングル戦に関心のある 軍事ファン の貴方、又は トロッコ貨物列車・秘密基地 (「 インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 」)等々に関心のある貴方ならば、クラっと来ます。
 このような技術的手段を経て、我々の生活に多用される木工製品は存在していると考察すると、大袈裟かもしれないが、改めて「モノは大切に使わなければならない」と、痛感した次第である…物事を学ぶ事って、いくつになっても必要。

林業架線作業主任者の出題範囲
試験科目範囲
機械集材装置
及び運材索道に関する知識
集材機、運材機、ワイヤロープ、搬器、支柱、ブロック、その他の附属器具、機械集材装置の索張り方式、運材索道の種類、主索の検定及び最大使用荷重の算定
林業架線作業に関する知識組立て、解体等の方法、並びに集材及び運材の方法
林業架線作業に必要な
力学に関する知識
力(つり合い、合成、分解及びモーメント)、重量、重心、滑車、速度、加速度、荷重、応力、材料の強さ及び安全係数、材料力学
関係法令労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令及び労働安全衛生規則中の関係条項
『林業架線作業主任者テキスト』183頁より集約し作成


!:「機械集材装置」より「運材索道」の方がロープウェイやリフトに近いです。
※林業架線作業主任者免許を有する貴方なら↑この↑感覚が解るはず。



使用テキスト等
題 名編 集発 行
林業架線作業主任者テキスト 厚生労働省
安全衛生部安全課・労働衛生課監修
林業・木材製造業労働災害防止協会
H16.05.
(改訂版)
林業架線作業主任者免許試験標準問題集
林業・木材製造業労働災害防止協会 H15.03.

  

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