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マイレージポイント還元を巡る問題点
ETCを巡る諸問題を考える



エル・アルコン  2007年1月23日


第二神明道路名谷IC


※この作品は「交通総合フォーラム」とのシェアコンテンツです。


2005年4月に始まったETCマイレージサービスの初年度付与のマイルの有効期限がいよいよこの3月末日に迫ってきました。
それを受けて、ETCマイレージサービス事務局から各ユーザーに対して、「ポイント残高のお知らせ」と題した葉書が、1月16日から2月10日にかけて順次発送されています。

ややこしいのはこの「お知らせ」で通知されるポイントが2006年11月30日までの走行に関して、2006年12月20日付で付与されたものであり、12月以降の走行分が反映されていません。ですから多くのユーザーが普段に増して使ったであろう年末年始の利用が反映されていないため、実際より(かなり)少ないポイント数での通知になっているわけで、さらに年始の分は1月31日締めで2月20日付で付与になるため、総ポイント数の把握が難しいです。

今回、ポイントが初めて有効期限を迎えることから、ポイントを交換(還元)することになりますが、「お知らせ」の数字だけでは、実は年末年始の利用分でもう一ランク上の還元が可能だったのに、低い還元を選択するというような失敗を誘発する危険性があります。
また、年度内ギリギリまで貯めようとがんばっても、年度内の交換対象は、2月28日締めで3月20日付付与までであるという落とし穴もあるわけです。このあたりは規約等で当初からわかっていたこととはいえ、最初のケースですからくどいくらいの周知が必要ですが、どうもこれまではそれが手薄になっていあるようで、今回の「お知らせ」で有効期限についての注意の中でようやく年度末までに溜まるポイントと走行時期についての詳細が述べられています。

圏央道あきる野IC


さて、前割が停止になった際に論じた中で、当時実施されていたポイント2倍サービスの期間が急遽延長された時に、交換(還元)を巡るドタバタが見られました。
交換で還元額を受けると、還元額から強制使用となり、かつ還元額での走行にはポイントが付かないため、ポイント2倍サービスが終了した時点で交換しようと考えていた利用者が多かったのですが、急遽延長になったため、すでに交換してしまい地団駄を踏んだり、あわてて自動還元サービスを解除して溜め込みモードに復帰したりと、当時もかなり批判が出ました。

以前 この問題を論じた時 、多くの利用者が還元額を手にする4月以降にポイント2倍サービスを実施するというような「ありがた迷惑」はすべきで無いと論じましたが、なんと今回、そこまでえげつなくは無いものの、2月と3月の土休日に、NEXCO3社と宮城県公社がポイント2倍サービスを実施すると発表しました。

こうなるとうっかり早めに交換(還元)すると2倍サービスを棒に振るわけで、有効期限ギリギリの3月末まで粘ることになりますが、今年のカレンダーでは3月31日が土曜日で、しかもサービス適用日なのです。
ここまで粘ったとしても、交換を申し出たところ、電話がつながらないとか、ネット回線がパンクしたといったトラブルを考えると、3月31日の2倍サービスを享受することは非常に難しいです。

4月ほどではないにしろ、これもありがた迷惑なキャンペーンです。
しかも、「お知らせ」には2倍キャンペーンのことは一言も触れていないうえに、「お早めに還元額(無料走行分)への交換をお手続きされますようお願いいたします」と書かれているわけで、これでは騙まし討ちです。
「お早めに交換」というのであれば、少なくとも有効期限までの間では、どのタイミングで交換しても損をしないようにするのが常識であり、今回のように「お知らせ」を受け取って手拍子で交換したら大損、というのでは話になりません。
しかもその「お知らせ」に書かれたポイント数は、2ヶ月も前の実績ですし。


いかに不手際があっても、今回は最初だから、という逃げ口上でかわされそうですが、キャンペーンの時期、そしてポイント数の通知のあり方など、問題とするところは大きいです。
新年度以降、これがきちんと改善されていくのか、それとも利用者の錯覚を狙いかねない様な「サービス」に堕してゆくのか、厳しく見守っていきたいと思います。






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