このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

(その2)


実行編

2.1日目

5月3日(木)

 午前4時。ねむたい目をこすりながら起床。指定席がとれなかったので、朝一番の6時02分発岡山行き南風2号で行くことにした。高知から乗ったら座れるだろうということで、高知駅まで行くことに。

 たまたま依光君が大阪へ里帰りするということで、早朝に出発するということをきいていたので、ついでに高知駅まで積んでいってもらうことにした。役場前で午前4時半に待ち合わせ。依光一家と僕は時間どおりに集合したが、お約束でアルが遅刻。結局10分遅れで出発。さすがに早朝ということもあって、高知駅には5時15分頃到着。ここで依光一家とはお別れ。本当にありがとう。

 しかし、ここで依光一家には大変申し訳ないことをしてしまった。ここでお詫びをしなければならない。高知駅に着いたものの、何も食料を準備していなかった僕たちは、駅の売店を当てにしていた。しかし、店の人に聞くと「6時5分からです」と冷たい対応。仕方なく駅周辺をうろうろしているうちにアルから一つの提案。「タクシーでコンビニまで行こう。」とのこと。なるほど、まだ40分ぐらい時間があったので、大丈夫だろうということで、ちょうど駅前に1台だけ止まっていた個人タクシーをつかまえてコンビニへ行った。

 これがすべての始まり。最初、北本町のスパーへ行ったが、酒をおいていない。ということで、運転手さんのお任せで、酒を売っているコンビニを探してもらった。結局、ネッツトヨタの前のサンクスまで行った。腹が減っていたので、二人とも牛丼とビール、そしておのおのの好みの物を購入。アルは旅には欠かせないボトルウイスキーを買っていた。また、後述のコーラの500mlボトルもここで買った物。

 無事買い物を終え、高知駅へ戻ったのは、午前5時40分。まだ20分あるので大丈夫と思っていたのが甘かった。高知駅は僕たちがコンビニへ行っている間にたくさんの人でごった返していた。

 いやな予感がした。改札を入ってみると、案の定、みんな僕たちが乗ろうとする列車を待って並んでいたのだ。仕方なく列の一番最後に並んだ。座れるか座れないか、きわどい列の長さだった。午前5時50分過ぎ、列車入線。ドッと乗降口に押し寄せる。二カ所に分かれて乗り込んだが、時、既に遅し。あっという間に満席になった。同時に依光一家の顔が頭をかすめた。せっかく遠回りして積んできてもらったのに…。

 かろうじて1席あいていたので、アルが座った。結局、僕は立つはめになった。コンビニで買った牛丼やビールがすごくじゃまになった。とても食べれる状態ではなかった。アルはコーラを飲んでいた。阿波池田や琴平あたりで誰か降りるのを期待していたけど、全く動く気配はない。

 座れたのは多度津を過ぎた頃。アルのとなりに座っていた2人の子を連れたおばさんが、あまりに混んできた車内を見かねたのか、前列に座らせていた2人の子供たちの席に移って、子供たちを抱きかかえてくれたので、何とか座れた。もっと早う移ってくれたらよかったのに…。

 ようやくアルとコンビニで買ったビールで乾杯。ちょっとぬくもりかけていた。アルはもうコーラなんか眼中になかった。500mlの缶ビールを空けた頃にはもう岡山に到着した。午前8時39分到着。

 乗り換えの新幹線は午前8時52分発新大阪行き「ひかりレールスター」。なかなか混雑していたが、岡山でかなりの人が降りたので、タッチの差で座ることに成功した。ここでやっとコンビニで買った牛丼を食べることができた。もちろんビール2本目。朝から濃ゆい朝食だ。

 ここでアルにトラブル発生。高知から遙々揺すられてきた缶ビールの蓋を一気に開けてしまい、中身が吹き出した。顔にビールのシャワー。しかもとなりに座っていた女の子にもかかってしまった。その女の子は、うっとうしそうな顔をして飛び散ったビールを拭いていた。

 午前9時47分新大阪到着。乗り換えは午前10時03分発くろしお9号。一階にある在来線乗り場に降りてみると、一瞬目を疑った。すごい列。今朝、南風へ乗るときの比にはならないほどの長蛇の列ができていた。アルから「一便遅らそうや」と提案があったが、次の便は一時間後。僕もどうしようか迷ったが、しきりに次の便に乗りたがっているアルを強引に引き連れて乗車した。

 途中の天王寺からはますます混んできて、スペースを確保するのがやっとの状態。和歌山あたりまでは身動きがとれないほどの最悪な状態が続いた。和歌山でかなりの人が降りたので若干余裕ができてきた。

 紀伊田辺からはガラガラになり、座ることに成功。混雑のため中止されていた車内販売も再開され、和歌山名物「小鯛(こだい)雀(すずめ)寿司」とビール、チーズちくわをゲット。やっと旅の醍醐味を味わうことができた。ここでアルは、ボトルウイスキーを飲み始めた。例のコーラは、これ以降いっこうに減らない。

(紀勢線(通称:きのくに線)沿線の車窓からの眺め)

 電車は主に海沿いを走っており、車窓からの眺めもきわめて美しい。だんだん景色もそれらしくなってきた。新大阪から「阪和線」「紀勢線」経由で約4時間もかかったが、午後1時54分定刻でようやく「紀伊勝浦」駅に到着。長い間座っていたので、若干腰が痛む。駅前は観光客で賑わっていた。


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