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欧米流ですか、日本流ですか中文読解 内容(11) 2001.2.2.作成  制限時間8分

                                  

TEXT
 妻が夫の同僚や先輩、上司などに紹介された時は、「いつも主人がお世話になりまして……今後とも、どうぞよろしく」などとあいさつをするのが、日本の常識である。このようなあいさつをしないと、「あの奥さんは非常識だ」とか「世間知らずだ」とか陰口を言われる。

 たとえ、いつも出来の悪い上司だと夫から聞かされていても、妻は上司に対し丁寧にあいさつをしなければならない。また、相手が部下の場合であっても「主人がいつもお世話になりまして……」というあいさつが自然に出てこなければならない。
 当然、相手も「こちらこそいつも助けていただいて、感謝しています」などと言葉を返してくる。日本人はこのように、お互いに助け合い、依存し合っていることを、機会あるごとに確認しあう。

 ところが、欧米社会では、このような妻の態度は、「でしゃばりの奥さんだ」「夫の目の前で上司の恩恵を乞うのは、夫に対する侮辱である」「夫の無能を証明するようなものだ」などと、非難されるのだそうだ。

 夫の上司に丁寧なあいさつをする妻は、「よくできた妻」として日本ではプラスの評価を受けるが、欧米社会では「でしゃばりで、ごますりで、夫を侮辱する妻」とマイナス評価をされてしまうということだ。

 この両者の違いはどう考えたらいいのだろうか。
 まず第一に考えられることは、夫婦観の違いだ。欧米では夫婦といえども、独立した人格を持った別個の人間だと考えるのだろう。だから、夫の仕事や上司との関係に妻が口を出すのは干渉になるなのだ。ところが、日本では夫も妻もなるべく対立せずに同一歩調をとろうとする。夫婦が一つの単位だと考えているからだろう。だから、夫の上司は妻の上司でもあるのだ。

 第二に、職場観の違いが考えられる。日本では職場での関係「公」が個人の領域「私」に入り込んでくる傾向が強い。職場を離れても、上司はずっと上司であり続けるので、妻も夫の上司には丁寧に対応しなければならないのである。ところが、欧米では職場での関係を個人の領域に持ち込まないように努力するのだろう。だから、夫の上司に「いつもお世話になりまして.......」などと言うのはその努力を否定してしまうことになるのだ。


QUESTION:TEXTの内容と合っている文には○、違っている文には×をつけてください。
1.日本人の妻は、夫の上司に会うたびに、「主人がいつもお世話になっております」などと言う。そう言わないと、「出来の悪い奥さんだ」と言われる。
2.欧米では夫婦でもそれぞれ別の人間だという考え方が強いので、夫の上司の前で妻があれこれ意見を言うようなことは起こらない。
3.日本では、職場の関係と職場を離れた個人の関係をはっきり分けて考える人が多く、会社が終わって外に出たら、職場での関係は考えない。
4.欧米人の妻が夫の上司に「主人がいつもお世話になっております」などということが、日本人の目には「ごますり」や「で しゃばり」に見える。
5.日本人の妻は、出しゃばりだ、ごますりだと言われないように、夫の上司に会っても、特にあいさつをしない。
6.日本では、職場の上下関係が個人の生活にも、入ってくることが多い。
7.欧米でも日本でも、仕事以外のところでは、上司もその部下も対等の人間として見なければならないと考えられている。
8.夫の上司にどんなあいさつをするか、または、あいさつを特にしないかは、国や社会によって違う。
9.妻が夫の上役にていねいにあいさつをすれば、日本では「よい妻」と評価されるように、欧米でも同じように「よくできた妻」と評価される。


WORDS
1.〜流  style
2.上司  boss
3.お世話になりまして thank you very much for your kindness.
4.世間知らず 社会の常識などをあまり知らない人
5.出来が悪い poor
6.部下   one's men
7.依存する rely on
8.機会あるごとに by every chance
9.確認する  confirm
10.でしゃばり forward,busybody
11.恩恵を乞う ask for benefit
12.侮辱 insult
13.無能    incompetence
14.ごますり flatter
15.よくできた good
16.職場    place of work
17.〜といえども even if
18.独立した independent
19.口を出す 言う
20.干渉 interference
21.領域  teritory
22.同一歩調をとる 同じように考え同じように行動する
23.入り込む  come into

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