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もうずいぶん古い言い方になってしまったが、一時「三高」という言葉が流行した。三高というのは、女性が結婚相手を見つける、または決める時の条件である。つまり、三つのものが高いことが条件なのだ。この三つのものとは、「身長・学歴・収入」である。批判的な人もいたし、当然だと言う人もいた。流行語というのは、半分冗談なのだが、真実がないこともない。事実、「三高」も冗談なのだが、厳粛な意味も含まれている。
「身長の高い男性がいい」というのは、男性が女性より身長が低かったら、並んで歩く時、格好が悪いという表面的な理由もあるだろうが、本音は男性は体格が立派であってほしいということだ。男性で体格が立派であれば、女性より背が高くなるのは自然である。また、「学歴・収入が高い」というのは、言い換えれば「知的能力がある」ということである。
動物のオスができるだけ自分の子孫をたくさん残そうとするのに対して、メスは質の高いもの、つまり質の高いオスの子孫を残そうとする。そこにオスの戦いが起こる。これは人間も例外ではない。質の高い男性、つまり、体格が立派で、知的水準の高い男性と結婚すれば、質の高い子孫に恵まれる可能性が高い。女性がこのような男性(すなわち「三高」の男性)を求めるのは当然である。
今まで、男性は一夫一婦制という便利な制度のおかげで、知力・体力のあるなしにかかわらず、結婚ができたが、これからはそうもいかないようだ。男性(オス)としての能力の劣っている人は、結婚もできないし、自分の子孫も残せないという悲哀を味わうかもしれない。 |
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