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まとめの部屋 中級読解教材の家


(14) 平等とは・中文読解 まとめ(14) 制限時間8分 2003年10月26日 更新


TEXT

 日本の教育では、落ちこぼれの人をどのように救うかが重要なテーマの一つになっている。例えば、小学校でも勉強のできない子がいれば、どのようにして皆で助け合ってその子をできるようにするかが、教育の目的の一つになる。また、運動会でも個人別の勝負ではなく、クラス別にスコアを競い、クラス別の勝負になる。つまり、個人が持つ固有の能力を伸ばすことと、常に全体のことを考える能力を育てることが重要なのである。

 ところが、ドイツでは小学校で約10%が落ちこぼれ、ふるい落とされる。四年制の小学校を卒業する時の成績で将来が決まってしまう。卒業後は、能力のある人はリーダーになる教育を受け、そうでない人は社会の下積みのような仕事を一生続けるための教育を受ける。

 能力のある人はその能力を生かし、高い社会的地位につき、高い所得を得ることができ、能力のない人は、下積みの仕事をし、低い所得でがまんするのが、真の平等であるという平等観がその根底にあるようだ。

 日本ではすべての人が和をもって集団を作り、老人、壮年、青年が、それぞれの役割を担い、能力のある人も、それに欠ける人も、同じように組織に参加し、集団の力を発揮することが望ましいと考えられている。

 日本の平等観を欧米人が見ると、悪平等であり、個性を認めない、遅れた考え方だと言うだろうし、日本人が欧米の平等観を見ると、それは平等ではなく差別だと思うのである。

 参考図書:竹内 宏(1986)「現代サラリーマン作法」新潮文庫, 新潮社, pp.29-30   
 このTEXTは上記著者及び出版社の許可を得て掲載しています。無断の転載を禁じます。
2003年10月26日 にほんごのひろば主人


QUESTION:TEXTと内容が同じになるように、かっこに言葉を入れてください。

 日本とドイツ(欧米)では教育に対する考え方が違う。その根底には、(1.      )の違いがあるからだ。

 例えば、ドイツでは(2.      )のある子供は、将来、(3.       )になるための高い教育を受ける。大人になったら高い(5.       )と(6.      )を得ることができる。

 しかし、能力のない子供は、(7.       )の仕事をし、低い所得でがまんする。これが本当の (8.      )であると考える。

 ところが、日本では(2.       )ある子供は、(2.        )のない子供を助けて、落ちこぼれを作るべきではないと教える。また、運動会でも(9.       )の成績ではなく、(10.     )の成績で勝負を競う。つまり、(9.      )の能力を伸ばすだけでなく、いつも(11.       )のことを考えるように教育しようとする。

 結局、ドイツでは(9.        )の能力を生かそうとし、日本では(11.      )の力を期待するのである。したがって、(12.        )はドイツ人の平等観を(13.      )だと感じ、反対に、(14.        )は(12.      )の平等観を悪平等だと言うのである。



WORDS

 1.落
(お)ちこぼれ a student who can not keep up with the class
2.個人別
(こじんべつ)   by personal
 3.勝負
(しょうぶ)  match,fight
 4.クラス別 by class
 5.ふるい落
(お)とすweed out
 6.下積
(したづ)み undering
 7.平等観
(びょうどうかん)view of equality
 8.和
(わ)をもって with harmony
9.壮年
(そうねん)middle age
10.担
(にな)う  bear
11.悪平等
(あくびょうどう)  misapplied equality
12.遅
(おく)れた  old

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