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(12)人間はなぜ悩むか・中文読解 内容(12) 2004.2.8.更新 制限時間8分
      





TEXT

 人間の悩みというのは、ある出来事そのものが原因ではなく、その出来事をどう受け止めるかが原因である。
 例えば、ある学生が単位不足で卒業延期になった(出来事)。そして落ち込んだ(結果)。すると、いかにも出来事そのもの(Activating eventの頭文字をとってAという)が彼を落ち込ませた(Consequenceの頭文字をとってCという)ように見える。

 しかし、本当はそうではない。「大学は四年で卒業すべきである」とか「卒業延期(つまり留年)は人生の失敗者である」などといった考え方、あるいは受け止め方、あるいはビリーフ(Beliefの頭文字をとってBという)があるから落ち込んでいるのである。「留年を機会に英会話をマスターしたら、元手は取り返せる」とか「留年すれば友だちも増える」あるいは「留年したおかげて、都会生活があと一年楽しめる」と考える学生は、たぶんそれほど落ち込まないはずである。

 A(出来事、事実)そのものがC(結果、悩み)を生むのではなく、B(ビリーフ、受け取り方)が悩みの根源であるというこの理論は、結局、各自の受け取り方がすべてを決めるという考え方に基づいている。

 ところで、同じ出来事に遭遇しても、Bは各人各様であり、したがってCも各人各様である。Bは人の数だけあるということになる。そしてそれぞれのBはいずれも後天的に他から洗脳されて身についてしまったものである。家族や学校や交友関係や、そして文化に影響されて信じ込むようになったものである。本人から見れば、金科玉条であり永遠の真理であるが、その大部分はたまたま洗脳されてしまったものである。

 それゆえに、後天的に自分が自分を逆洗脳して、Bを変えることは可能である。難しいこともあるが不可能ではない。悩み、悲しみ、喜びなどの喜怒哀楽の世界、つまりCの世界はBの結果なのである。Bは後天的なものだから、Bは変えることができる。Bが変われば、したがってCも変わるのである。

 
 参考図書:国分康考(1994)「自己発見の心理学」 講談社現代新書, 講談社, pp.19-21
 このTEXTは上記原著者と出版社の転載許可をもらって掲載しています。よって、無断転載を禁じます。
 にほんごのひろば主人・ 2004年2月7日






QUESTION TEXTの考え方にしたがって、次の表を完成してください。

  Aは「離婚」です。Aの結果(C)になる原因(B)をいくつか考えてください。(例を参考に)


A(出来事、事実)C(結果)B(理由)
 離婚(りこん)悩まない(例)新しい生活ができる









離婚(りこん)悩む(例)はずかしい














WORDS

1.受け止める  take
2.落ち込む   get depressed
3.いかにも   indeed,really
4.留年     repeat a year
5.マスターする master
6.元手     capital
7.取り返す get back
8.おかげで   thanks to 〜
9.根源     root
10.各自     everyone,each
11.遭遇する   encounter
12.各人各様   人によって違う
13.人の数だけある 人数と同じだ
14.いずれも   in all cases
15.後天的 acquired
16.洗脳する   brainwash
17.身につく   get,have
18.交友関係   friend,company
19.信じ込む   believe firmly
20.本人     person himself
21.金科玉条   golden rule
22.たまたま   by chance
23.逆洗脳    自分で自分を洗脳する
24.喜怒哀楽   emotion


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