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日付の書き方は国によってずいぶん違うようです。日本では平成8年8月8日のように、「年−月−日」の順です。中国や韓国も日本型です。これに対してヨーロッパでは、「日−月−年」の順です。また、アメリカでは、「月−日−年」となっているようです。どれがいいかは、簡単には決められませんが、とにかく、いろいろな習慣があることを知っておいたほうがいいでしょう。そうでないと、いろいろ悲劇が起こります。
(あなたの国ではどのスタイルですか)
大分昔、リーダーズダイジェストに出ていた話です。あるヨーロッパの観光地でアメリカの男がヨーロッパの女と恋に落ちました。別れる時、二人が初めて会ったレストランで来年も会うことにし、その日は電報で知らせることにしました。さて、一年がたってその日が来ました。男はそのレストランで一日待っていましたが、彼女は来ませんでした。傷心の男はアメリカに帰って、やがて外の女性と結婚しました。それから二十数年、その男は当時の自分と同じ年頃の息子をともなって、そのレストランに行きました。見ると、ウェイターたちを指揮してまめまめしく働いている女性は、間違いなく昔の恋人でした。男は彼女の働くのを目で追いながら、以上のような話を息子にしました。
息子はしばらく考えていましたが、お父さんはいったいなんと電報を打ったの、と聞きました。10-11というのがその電文でした。息子は、それだと叫びました。きっと、月日を間違えたにちがいない。昔の恋人を呼び止めて聞いてみると、やはりそうでした。青年が去ってから約一か月後、今度は娘さんが来てやはり一日待っていました。すっかり悲しんでいる娘さんをかわいそうに思った店の主人は、家に連れて帰って事情を聞きました。そしてやがて、その主人の息子と結婚して、今はこのレストランのご主人の奥さんになっていたのでした。
こういうことを昔の恋人たちが話すのを聞いて、その息子はちょっと変な気がしました。このような行き違いがなくて、すべてうまくいっていたら、はたしてこの自分はこの世に存在していただろうか。
参考図書:野元菊雄(1978)「日本人と日本語」筑摩書房, pp.129
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