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(9)うそも方便・中文読解 内容(9) 2000.11.3.作成 制限時間7分
TEXT
「うそ」はもちろん悪いことですが、時と場合によっては、何かの役に立つ「いいうそ」もあります。日本語には「うそも方便」という極めて便利な言葉もあります。
一番の方便は、学校の先生の「うそ」でしょう。子供を勇気づけたり、元気づけたりするために、先生はわざと「うそ」をつくことがあります。例えば、体育で跳び箱が跳べない子供や鉄棒ができない子供を叱咤激励して、「君は上手なんだよ」と持ち上げたり、本当は下手なのに、「上手だったね」とほめてあげたりする。そうすれば、子供は次はがんばろうと思うのである。仮に、それがうそだとわかっていても、子供には先生の気持ちは通じるものである。
また、親も先生と同様に、子供を育てる上で、よくうそをつきます。よくできたことをほめてあげるのは当然ですが、うまくできなかったことでも、ほめた方がいいでしょう。
このような先生や親の「うそ」は、教育的にも道徳的にも認められる「うそ」です。
ここに面白い実験がありますので、紹介します。
「小学校四年生の能力の等しい三つのグループを作り、第一グループには常にほめことばを与え、第二グループは常に叱り、第三グループはほめも叱りもせず、それぞれ同じ問題で足し算の練習をさせたのです。この実験は五日続けられましたが、その結果、第一グループは確実に成績が上昇していきますが、第二グループは一時的には伸びますが、途中で停滞してしまい、効果が現れません。第三グループは三日目までは上昇しますが、あとは成績が下がるばかりとなってしまいます」(相場均(1965)「うその心理学」講談社現代新書, 講談社, pp.93)
この実験でもわかるように、子供にやる気を起こさせるようなうそは、歓迎されるべきでしょう。
まさに「うそも方便」なのです。
QUESTION.1:TEXTにあった実験をまとめてください。
1.実験の対象者:
2.対象者にさせたこと:
3.実験の内容と結果
教師がしたこと 実験の結果
第一グループ
第二グループ
第三グループ
QUESTION.2:先生は音楽の時間に子供にどんなうそをつくと考えられますが。具体的に書きなさい。
QUESTION.3:次の文でTEXTの内容とあっているものには○、合っていないものには×を書きなさい。
1.先生や親が子供につくうそは、どんなうそでもいいうそである。
2.先生は運動が上手にできない子供を励ますために、「上手だよ」などとうそをつくことがあるが、これはいいうそである。
3.例え算数の計算が遅くても、ほめてあげた方がいいことは、実験で明らかである。
4.子供はほめるよりきつく叱って勉強させた方が効果が上がる。
5.先生がほめてくれても、子供はそれがうそであることを見抜いてしまうので、うそはやはりつかない方がいい。
QUESTION.4:「うそも方便」とはどういう意味ですか。類推してください。
1.どんな場合でも、うそをつくことはいいことでなない。
2.うそはとても役に立つものだから、たくさんうそをついたほうがいい。
3.先生や親は特別だから時々はうそをつくことも許される。
4.時と場合によっては、うそも手段として必要である。
WORDS
1.勇気づける encourage
2.元気づける cheer up,encourage
3.跳び箱 vaulting horse
4.鉄棒 horizontal bar exercise
5.叱咤激励 scold andencourage
6.持ち上げる flatter, praise
7.ほめことば ほめることば
8.上昇する rise
9.一時的 temporary
10.伸びる make progress
11.停滞する stagration,stop
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