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中国(上海・蘇州・無錫)−8 過酷なスケジュール編


 2002年9月6日。今まで数々の一人旅を楽しんできた僕だが、この日ほど過酷なスケジュールだったことはない。このようなスケジュールで旅行をしたら疲れ果てる、という悪い意味のサンプルとしていただきたい。

 午前6時にモーニングコールで目を覚まし、7時には上海のホテルをチェックアウトした。ホテルの朝食サービスは7時からなので間に合わない。蘇州で食べることとした。
 上海駅発は7時40分。そこから蘇州までは列車で一時間の道程である。鉄道マニアの僕だが、中国の列車に乗るのは今回が初めてである。「硬座」は混んでいるので、「軟座」をあらかじめ予約した。運賃は硬座の2倍とは言え、22元という安さであった。
 車窓の風景はなかなか見応えがあった。蘇州に近づくにつれ、至るところに水路が見えてくる。南船北馬という言葉を思い出した。のんびり見ているだけでもそれなりに楽しめ、蘇州にはあっという間についた。

 蘇州駅からホテルまでタクシーで向かう。荷物をフロントに預けて観光しよう、と思ったが、チェックインできるということなので遠慮なく部屋に入れさせてもらった。冷蔵庫をあけてミネラルウォーターを飲み、すぐに出かけることとした。一分一秒がもったいない。この時点で午前9時30分くらいだったので、食事は朝昼兼用にすることにした。ホテルの脇のレンタサイクル屋で自転車を借りる。以前 萩で借りたもの よりもはるかにまともな自転車だった。前の籠にかばんを乗せ、まず向かったのがバスの切符売り場である。翌日の無錫行きのバスをあらかじめ予約するためだ。ここは片言の中国語で何とか乗り切って無事に切符購入。何事も気合で何とかなるとあらためて実感した。
 いよいよ本格的に観光開始である。その後、僕は以下のスケジュールで観光した。

10:30滄浪亭
11:00盤門
12:00留園
13:00寒山寺
14:30虎丘
16:00獅子林
16:30拙政園
17:15北寺塔

 9月6日は、けっこう暑い日だった。夏の日差しが照り付ける中、レンタサイクルのペダルを踏み続ける僕に数々の試練が訪れた。

< 第一の試練 : 朝昼食抜き >
 まず、これだけの見所を一日ですべて回るというスケジュールに無理が有ったことは認めなければなるまい。しかも交通手段はレンタサイクル。寒山寺から虎丘に向かっている最中ではっきりと悟った。昼食を取っていたら、とても全部見て回れないことに。昼食は、虎丘でベンチに座り、アイスクリーム(バニラにチョコレートコーティング)を食べた。糖分がエネルギー補給になるはず、と自分に言い聞かせた。照り付ける日差しの下、胃の中はアイスだけという状態で僕はペダルを踏み続けた。

< 第二の試練 : 時間切れの恐怖 >
 虎丘から市街地に向かっているときにふと考えた。位置関係を考えると、北寺塔→拙政園→獅子林というルートが最適である。しかし、本当にそれでよいのだろうか?寺や庭園は、閉門時間がけっこう早い。道端にレンタサイクルを止めて、ガイドブックを見ると、閉門時間は北寺塔17:30、拙政園17:00、獅子林16:30となっていた。そこで、北寺塔の脇を通りすぎて、閉門時間の早い獅子林に最初に行き、それから拙政園を見て、再度北寺塔に戻るという行程に切り替えた。旅行の経験を積んでいるからこその見事な判断とそのときは自画自賛したが、このように文字にしてみると案外たいしたことではないような気もしてきた。とにかく焦っていたことはご理解いただきたい。拙政園はほとんど駆け足で通り過ぎ、北寺塔に着いたのは閉門15分前という際どさだった。時間切れの恐怖と戦いながら、僕はペダルを踏み続けた。

< 第三の試練 : デジカメの容量オーバー >
 確かに上海からハイペースで写真を撮っていった。上海も蘇州も予想以上に見所が多かったのだ。蘇州で、ついに容量がいっぱいとなってしまった。仕方なく、売店でインスタントカメラを購入した。フィルム式のカメラであれば、フィルムを買えば済むが、デジカメの場合はスマートメディアを買うわけにもいかない。予備の電池は持っていったが、予備のスマートメディアはさすがに持って行かなかった。デジカメメーカーは何らかの手段を考えてもらえないだろうか?(カメラについての真の悲劇は、無錫で発生することとなる。)デジカメが使えなくなった悲しみをこらえて僕はペダルを踏み続けた。



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