このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

25. ヤミツキ  



 最近、僕が気に入っているのが、この「ヤミツキ」の「足ツボ不健康王決定戦」である。ルールはきわめて簡単だ。これは1対1の対戦である。先攻が相手の調子が悪そうな部位を選択し、そこに相当する後攻の足の裏のツボをマッサージ士が刺激し、後攻が5秒間声を上げずに耐え抜いたら勝ちである。もちろん耐え抜いたら攻守交代だ。つまり胃のツボを刺激されて悲鳴を上げてしまうと、私は胃が悪いんです、と表明していることになってしまうのだ。

 なぜ僕がこの番組を気に入っているのか。それは台湾マッサージ愛好家として、思わず悲鳴を上げてしまう気持ちがよく分かるからである。僕が一番最初に足の裏マッサージを体験したのは、初の台湾出張のときである。同行したメーカーさんが、ぜひ足の裏マッサージに行ってみたいと言い出したのだ。とはいえ、ナイトクラブで飲んで夜も遅くなったこともあり、当社台北スタッフと相談した結果、マッサージ士をホテルの部屋に呼ぶことになった。部屋に入ってきたのは目の不自由なマッサージ士だった。彼は簡単な日本語を話すことが出来た。「はい、あなた、靴と靴下脱ぐ。」などと命令される。恐る恐る彼に足を差し出すと、彼はやおらクリームのようなものを塗り始めた。
 それから苦痛の時間が始まった。あまりの痛みに思わず声が出てしまう。そうすると
「あなた、ここ痛いは肝臓悪い。」などとおじさんの解説が入る。左足が終わって右足に移る時、「もう結構です。」と言おうかと思ったものだ。正直に言って、俺は金を払っているのになぜこんな苦痛を受けねばならないのか、と感じるほど痛かった。でも終わった後は、苦痛から開放されてほっとすると同時に、気分がすっきりするのを感じた。脚の裏を触ってみると、日頃冷え性なのに、ぽかぽかしている。さすがに足の裏は第二の心臓と呼ばれていることはある。それから台湾に出張に行くたびに足の裏マッサージは欠かさない。最近では一人で マッサージ屋 まで行ってしまう始末だ。

 ところで、昨日(2001年3月19日)の対戦はヤミツキチームVSレースクィーンチームであった。ヤミツキチームのトップバッターは
江頭2:50であった。僕は彼のファンなので、親愛の情を込めてエガちゃんと呼ぶのをお許しいただきたい。エガちゃんは上半身裸で登場した。彼自身は下半身裸でも一切抵抗感は無いのだが、テレビ局側に抵抗感が有ったと思われ、タイツのようなものを穿いていた。

 早速レースクィーンに指定されたツボを刺激されるが、エガちゃんは必死で5秒間耐え抜いた。5秒間経過した後、
「郷さん、頑張ったよ〜」と言って郷ひろみに抱きつくエガちゃん。そのときの郷ひろみの笑顔は全てを受け入れる聖母のように見えた。エガちゃんの指定したツボはレースクィーンAには全然効かず、あっさりと5秒はクリアした。次にレースクィーンAが指定したツボの痛みに、エガちゃんは耐え切れず、悲鳴を上げてしまった。「ごめんなさい、郷さ〜ん。」と言って再度郷ひろみに抱きつくエガちゃん。そのときの郷ひろみの笑顔は全てを許す神様のように見えた。

 第2回戦は山田まりあ対レースクィーンB。山田まりあが1秒も持たずに負け。第3回戦はテリー伊藤対レースクィーンC。こちらもテリー伊藤が1秒も持たずに負けだ。この2人は勝ったためしがない。不健康なのか、痛みに対する抵抗力が弱いのかは分からないが、常に秒殺だ。
 そして第4回戦で大将郷ひろみの出番だ。ニューヨークマラソンに出場したりして健康さをアピールしている彼にとってはレースクィーンごときに負けるわけには行かない。
レースクィーンDが指定したツボを刺激され、苦悶の表情を浮かべる郷ひろみ。そのとき、彼の脳裏に流れるメロディははたして何か。「2億4千万の瞳」か、「お嫁サンバ」か、それとも「How Many いい顔」か。まさか「男の子女の子」「裸のヴィーナス」では無かろう。郷ひろみはエガちゃんの手を握り締めながら必死で耐えた。郷ひろみが指定したツボはレースクィーンDにはそれほど効かなかった。

 そのとき、エガちゃんからクレームが入った。どうもマッサージ士が手を抜いているのではないか、というものだ。エガちゃんはレースクィーンDの足を取ってマッサージすると見せかけ、隙を見て足の裏をなめ始めた。これぞエガちゃん、と僕は画面を見て思った。マッサージ士の足ツボ攻撃は耐え抜いたレースクィーンDであったが、エガちゃんの足なめ攻撃は耐えられなかったらしく、悲鳴を上げていた。気を取り直したレースクィーンDが指定したツボは、効果てきめんであった。
再びエガちゃんの手をきつく握り締めて、必死で耐える郷ひろみ。それでこそ大将だ。さすが薩摩隼人、という男らしさであった。

 おそらくこの番組は3月末で終了だろう。このまま記憶から消え去るのは残念に思い、ここに記録として残す次第である。


 

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