このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


Travel Maker     全国温泉周遊記

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秋田県仙北市 玉川温泉
公式ホームページ: http://www.tamagawa-onsen.jp/first/index.html


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施設データ
住所 秋田県仙北市田沢湖玉川 TEL:0187-58-3000
風呂:内湯男女各種 岩盤浴等 営業時間:-
料金:-円 定休日:不定期 駐車場:有料駐車場有り

温泉データ
泉質:
強酸性 含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)・アルミニウム・塩化物泉 
泉温:98℃ 成分総計:1.0617mg/kg 湯量(毎分):9000リットル(日本一!)
性状:乳白色 pH:1.02(日本一!)
清掃周期:毎週月曜日 源泉までの距離:付近にある大噴(おおぶけ)
源泉所在:自家源泉 加温なし 加水なし 完全かけ流し

個人的評価(10点満点)
秘湯度:8 珍しさ:8 アクセス:3 サービス:5 満足度:8 総合:6

日本一硬派でハードコアな温泉

TVなどで紹介されている一般的な温泉旅行番組などに辟易しているあなたにおすすめしたい。
ここはミーハーな温泉客も少なく、真の温泉を求める玄人や、
医者にさじを投げられて神頼み代わりに湯治に来る人など、
いろいろな意味でハードコアな温泉である。
この温泉が硬派たる所以はその酸性度の高さにあると言えるが、なんとその数値はpH1.02!
人間の胃酸がpH1〜2であることを考えるといかに強烈な酸性であるということが理解いただけると思う。
玉川温泉は時計やネックレスを付けてはいることは言語道断であり、例えば包丁をこのお湯に一晩つけておくと刃の先は溶けてなくなってしまうというから恐ろしい。


pH値1.02(強酸性) ←日本一


源泉湧湯量9000リットル/分 ←日本一


体への負担・刺激 ←おそらく日本一




以上の点を踏まえ、入浴には注意事項を理解した上で楽しんでいただければと思う。






ちなみに長期の湯治を考える方はさらに下記の覚悟も必要となってくる。




・この温泉地にはエレベーターやエスカレーターの類はなく、斜面に作られているため階段や坂が多い。




・車を長期間駐車場に置いておくと、強酸性によりサビ・腐食などが発生する(あらかじめ了承下さいとのこと)




・宿泊施設にはテレビや冷蔵庫、エアコンはもちろん、トイレや風呂もありません。




・客室には固定電話がなく、携帯電話も一部の機種を除いて圏外となってしまう。




・湯治客は事前に主治医への相談の上利用する必要があり、何かあっても最寄りの病院まで約一時間はかかる。




・酸素吸入器等の医療機器はお持ち込みに応じられない。




・疲れている状態でいきなり入浴すると、不眠・体感熱・風邪・食欲低下などを招く・




・入浴すると3日目くらいから皮膚炎が出る事が有り、10日目頃をピークに落ち着いてくる。






以上です。


それではいつものように写真付きで紹介させていただきますヽ(´ー`)ノ








まずは温泉に入る前に源泉が吹き出しているところが生で見られるので自然研究路を散策します。
焼岳の麓にあるこの玉川温泉は、1600年代に地元のマタギによって発見されたという逸話がある。
その際、鹿が傷を癒しているのを見たということから、大昔は「鹿湯」と呼ばれていたそうです。
それにしても本当に階段や坂が多い。湯治客はほとんど部屋と温泉を往復するだけの生活を強いられそうだ。
健常者でもこれは疲れる。




これは川ではなく温泉です。何となく草津温泉の湯畑を連想させる光景です。
水が流れているのを川というのであれば確かに川と言えなくはないが、水は水でもこれは毒水です。
玉川毒水でネット検索するといろいろな記事が出てくると思いますが、この毒水のおかげで魚などの生物が一切住めない環境にありました。
この強烈な毒水を希釈するため、昔は玉川の水を一旦田沢湖へ流し込み、毒を薄めた形で下流へ流していたという。
こうでもしなければ玉川流域の田畑の作物はみんな枯れてしまうからだ。
しかし、田沢湖に注いだ毒水はやがて湖の毒水化により多くの魚類が死滅することになってしまった。
まさに田沢湖は死の湖と呼ばれるようになり、本来は日本一の水深(約420m)を誇り風光明媚な場所柄、人気の観光地になるはずであったがこのような背景を知ってしまうと不気味な湖に見えてくる。
現在田沢湖では辰子姫伝説や稲庭うどんなどで集客を集め、秋田新幹線も近くを通っているため観光客は増えつつある。




この散策路は危険に満ちており、ラジウムを含む放射能の石が展示されている他、高温火山ガスによる火傷や中毒の危険もある。実際に私は近くにあったパイプを触ってしまい右手に火傷を負ってしまいました・・・
この火傷がこのあとの入浴時にとんでもないことになります。
上の写真の放射線を発する石は世界中で台湾とここにあるだけとなっており、学術的にも大変貴重なものであるという。
この付近では岩盤浴をしている方が多く、これは自分でゴザ等を持ってきて勝手に寝るだけで無料である。
ただし、ここの岩盤浴はラジウムの放射能で被爆するので、長い期間続けるのは非常に危険である。

年間15〜20ミリシーベルト被爆するようなので、岩盤浴によるいかなる副作用も自己責任であるという点を強調しておきたい。



ものすごい勢いで源泉が噴出してますが昔はもっとド派手だったようです。それにしても98度の源泉って凄い・・・
特別にこのシーンは写真だけだともったいないので動画で見ていただきたいと思います。
 源泉噴出動画→
P1090075.MOV
ちなみに大噴とかいて「おおぶけ」と読みます。
最近は、この源泉が玉川に流れる前の段階で中和施設によりpH値を6.7前後にまでアルカリ化することが達成できている。
これにより玉川毒水により汚染された田沢湖も、少しづつではあるが生命が住めるようになってきている。

玉川温泉の温泉水は飲泉が可能ですが、飲泉についてのルールがまた怖い。
・厳選は飲めません、一般人が口にできる最高濃度は2倍に希釈したものになります。
・飲泉時はストローを使用し、飲泉後は必ずうがいをしてください。歯のエナメル質が溶ける可能性がございます。
・一度にたくさん飲むと体調に不具合を起こしますので十分ご注意ください。

試しに少し飲んでみましたが、ものすごくマズかった。非常に不愉快な味であり、健康の為とはいえ私はギブアップ。



なんという毒々しさ・・・
右の写真の噴出口に興味本位で手を突っ込んでみたらもの凄い高温で、先ほど火傷した右手にかなりのダメージを負った。良い子はマネしないでください・・・・そして長時間ここに留まらないで下さい・・・・



pH1.2という数字を聞いてピンと来る人は温泉通の方か、化学の知識のある方だと思う。
pH値が7だと中性でそれ以下だと酸性、それ以上だとアルカリ性となる。昔理科の授業でリトマス試験紙を使って酸性とアルカリ性の実験をした記憶が蘇る。
何度も繰り返すが、この温泉は日本一の強酸性を誇り、私は入った瞬間、火傷の影響もあって激痛に見舞われた。
以前大分の湯布院で日本2位の強酸性のお湯に使ったことがあるがここは別格だと思った。


玉川温泉に入る場合、体に傷があったり火傷をしている人は入らないほうがいい



それでも私は痛みに耐えながら源泉100%のお湯に10分程浸かった。
痛い・ツラい・ヒリヒリする。肌の角質が剥がれていくような皮膚が蒸発するような今までに無い感覚に襲われた。
湯の温度が高いためそんなに長く入っていられないが、これは長く入ると大変なことになりそうだ。




最後に

末期ガン患者が最後の望みをかけて出掛けるという玉川温泉。
お年寄りがどうしても多いが、中には若者の姿もある。どうもその若者も何らかの病を患っているようです。
私は今回この玉川温泉の記事を書くにあたり、ネットでいろいろと調べているうちに玉川温泉湯治掲示板に行き着いた。
それによると

「生きてるうちにここに来るのが夢だった。来れて本当に良かった」

など、辛辣な表現をたくさん目にしてしまいました。
私は健康な体ですが、世の中にはガンを宣告されたり、余命いくばもない方もいるのは事実。

玉川温泉にはシビアな側面があり、興味本位で立ち寄るような場所ではないのかもしれません。


私の立場から言えることではありませんが、この温泉地にはいくつかの宿があります。
しかし、観光客が宿に泊まってのんびり休日を過ごすのもいいかもしれませんが、
玉川温泉の宿の予約は、
本当に湯治を必要としている方がどれだけ予約に困っているのかを念頭に置いてからにしていただければと思います。ハイシーズンの予約は避けるべきです。


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