スペイン世界遺産エッセー/グラナダ
③場に浸りきる楽しみ何度かここを訪れるうち、たまたま春の花の美しい時、
おそらく年間をとおして最良の時期、4月末から5月初めだったとは思いますが、
このときの体験がグラナダのみかたをすっかり変えてしまいました。
庭園の花の美しさやにおいに惹かれて酔っているうち、
次第にそれを取り囲む空気の清浄さ、
さらにはそれらを最大限に活かしている庭や宮殿の造りに思いを馳せるようになりました。
花に惹かれたのを契機に普段は見落としてしまっていた周囲の魅力を
徐々に体感していくという作業が無意識のうちに実行されたようでした。
外観を目で楽しむことから、その場に浸りきり体感することにより、
見えなかった魅力を発見していくという楽しみに関心を持つようになったと言えるのでしょう。
余談ですが、おそらく、この時の訪問は団体ツアーではなく、個人でゆっくり過ごせる旅行であったように記憶します。
この体験以来、観光地への関心の持ち方がすっかり変わってしまい、
駆け足で多くのものを貪欲に楽しもうとすることよりも、お気に入りの場を見つけ、
そこでゆっくり浸りきることを心がけるようになりました。
写真はアルハンブラ宮殿付属のヘネラリーフェ庭園、
華麗な宮殿建築の鑑賞に神経を使い、その後の庭園散策で疲れを癒すことができます。
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