このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

明治29年生まれやケンもう113歳の現役赤煉瓦橋   「鉄道遺跡」の目次へ
 鉄道遺産(佐世保線)

 踊瀬(おどりせ)国道橋梁は、JR九州の佐世保線でいまも現役の煉瓦拱渠橋。

 武雄温泉から陶器の有田町へ向かう途中、佐賀県武雄市山内町で国道35号ば跨いどる。

 明治29年(1896)に造られとっちゃケン、もう113才バッテン、老骨に鞭打って、1時間に上下各1本の通過列車ば支え続ける。

 日本土木学会の日本近代土木遺産2000に登録された。

 橋の下ば走る国道は、丁度この辺り勾配が強く、カーブもきつか。橋は設計者も施工者も不明。橋の長さは7.32m。径間は5.5m。この辺りは築堤が高かもんやケン、背が高うてポータルのアーチ環は赤煉瓦の6重巻きになっとる。

 道路ば斜めに交叉させとけば急カーブにはならんとやが、そうしたら橋梁のほうば「ねじりまんぽ」にせなならん。
 ここでは直角に交叉しとる。
「ねじりまんぽ」については、 欅坂橋梁折尾高架橋 ば見てつかぁさい。

 むかし、蒸気機関車が引っぱりよった頃の佐世保線は、武雄で後押しの機関車ばつないで、この峠ば越えよった。今は永野ていう駅になっとるバッテン、当時は信号所やったこのへんまで来ると、田圃に囲まれてとった景色が、あっという間に山道になる。ここが佐賀平野の切れるところで、急坂、西谷峠にかかる。

 次第に列車のスピードが落ち、国道35号線ば眼下に機関車が喘ぎ出す。まもなく佐世保線で初めての西谷トンネルに突っ込んでいきよった。

 峠の二番目のトンネルば過ぎたら平坦な路線になり永尾駅に着く。後部補機はこの駅で切り離され、役目を終えた安堵感からか、軽やかな排気音とクランクの響きばたてて、もと来た道ば武雄駅へ戻っていきよつた。

上下・国道が橋梁の先で、ほぼ直角に曲がっとるとがよう分かる。

上・坂の上(永尾駅側)から見た踊瀬橋梁付近。国道35号線の急なS字カーブが続く。
右・これは武雄側から。下ってくる車が飛ばしてくるケン、危なか。

 場所・佐賀県武雄市山内大字犬走。国道34号線は武雄市から1km西の「下西山」信号で左折して南下する。信号ば直進すると有田・早岐・佐世保へ行く国道35号線に変わる。信号から約3kmで佐世保線ばアンダークロスしとるところが踊瀬国道橋梁タイ。このあたりは坂でカーブになっとるケン、運転は要注意。        取材日 2008.12.03

「鉄道遺跡」の目次へ 観光案内所へ

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください