九州新幹線鹿児島ルートの当初の計画では、久留米駅と 新大牟田駅の間に駅ば作る予定はなかった。
ところがどうしたことか筑後市ばはじめとする周辺自治体18市町村が設置促進期成会ば結成して、九州新幹線鹿児島ルートに船小屋駅の設置ば要望しだした。
理由としては、
1. 羽犬塚駅・瀬高駅に停車しとる特急(リレーつばめ、有明)の代替。
2. 船小屋温泉ばはじめとした観光と地元経済の活性化。
3. 予定地そばに建設中の県南筑後広域公園との利用効果。などがその理由やった。
右・ 九州新幹線の筑後船小屋駅正面。実に静か。
下左・コンコースのキップ売り場と改札口。森閑。
下右・ウラ(西側)から見た新幹線筑後船小屋駅。人影なし。
これ、おかしかて思わんね。まず1と2やが、年間船小屋温泉ば利用しよるもんが何人おる ? 平成16年の県の調査では年間185,000人。1日平均するとたったの500人。
これが新幹線の駅がでけたけんいうて、3倍にはならんやろうもん。しかも辺鄙な場所やケン、温泉に行くには駅前からバスに乗らな行かれん。やったら初めから温泉目的の人は観光バスかマイカーでしか来るもんかい。特急停める必要もなかりゃあ、新幹線なんてもってのほかタイ。
隣の駅との距離ば調べてみたら、久留米駅〜15.8km〜筑後船小屋駅〜17.8km〜新大牟田。時速300kmがウリの新幹線がわずかに15、6kmじゃあ発車したかと思うたら、もうブレーキばかけないかん距離やろう。新幹線の性能は活かされんし、時間のロスも大きかろうタイ。
3.について今回はじめて知ったとバッテン、平成7年から新幹線船小屋駅の周辺に「筑後広域公園」いうとのでけよったとゲナ。平成17年から一部スポーツゾーンの供用ば開始して、18年には体育館がでけとると。平成23年には整備された広さが60万平方米にまでなっとるていう。
作った目的は、これまで筑後地域に県営公園がなかったけんゲナ。ほかの地域と比べ公園やレクリエーション施設の整備が不十分やったことが指摘され、 筑後地域に広域公園ば整備するすることになったていう。
そうして、いつの間にか新幹線の筑後船小屋駅は、この公園の一部として組み込まれとった。
右・3階建ての駅舎と高架のホーム。正面もぐるりもまぁだ畑と田圃とすすきの原っば。
その昔、矢部川は台風が来ると毎回のごと氾濫しよった。
氾濫しそうになったとき、筑後と瀬高の男達は、それぞれ自分側の土手に集まり、決壊しそうな場所に土嚢ば積み上げた。反対側が決壊するとば願いながら( ? )、土嚢の積み上げ競争ばしよったていう。
筑後と瀬高の仲が悪かとは放水路のでけた今でも変わらず、中筑後地区(羽犬塚、八女、柳川、大川、瀬高、八丁牟田、三橋、黒木)はなんでもバラバラやった。広域公園の整備は、有史以来「川ば挟んでいがみあうてきた」この筑後と瀬高の対立に終止符ば打ちたかていう意味もあったらしか。
そんなら利用者はどうか ? 平成17年の調査では月の利用者が1,880人。1日にしたら62人。しかもこの利用者は近場のもんに限られるケン、新幹線でやら来るもんは、まずなか。
こげな状況のとこに無理な屁理屈ば付けて「新幹線ば停めろ」て要望したウラには、なんか政治の匂いがする。
そうやろう。そうタイ。筑後が地盤の国会議員・古賀の誠ちゃんタイ。彼に各市町村が焚きつけられて期成会やらば作って動いたに違いなか。



新幹線駅と在来線駅のホームは約50メートル離れとって、それぞれ別の駅舎がある。そやケン、乗り換えは一旦改札口ば出て歩かないかん。左が新幹線の筑後船小屋駅。広場ば挟んで向かい合う鹿児島本線の筑後船小屋駅が右。
もちろん建設に反対する意見もあった。1 については、もともと普通列車しか停車せん無人駅程度の利用しかなかとに新幹線が来たっちゃ利用者がどのくらい伸びる分からん。投資に見合うた経済効果が見込めるとか ?
2 に対しては、地元負担金約20億円やら新駅周辺の整備費用、在来線駅の移設費用に60億円以上かかるとには耐えきらん。
3 には、隣の久留米駅まで羽犬塚駅から快速やったら約8分、また船小屋駅から普通でも約15分と近かケン、新幹線やらは要らん。それより在来線の快速電車ば増やしたほうがよっぽどヨカ。
市民の建設反対運動もあった。
しかし、平成16年(2004)6月、国土交通省は九州新幹線k
船小屋駅設置ば認可した。
これはまさに、通行車は皆無に近い八女市上陽町の「朧橋(おぼろばし)」といっしょで、誠ちゃんの政治駅「誠ステーション」ていわれてもしかたなかタイ。自分たちで責任はとれよ ! !
駅から車で約10分のとこに、誠ちゃんの自宅があり、駅のすぐそばには、古賀誠とチング(韓国語で仲の良か友達)の福岡県議・蔵内勇夫の自宅兼事務所がある。まさか新幹線で通勤するつもりじゃなかろう。
国の財政は大赤字で、予算の半分は借金が占めとるていうとに、つまらん政治家がこげなムダ使いするもんやケン、国債(借金)の額が700兆円なんてとんでもなかことになってしまうとタイ。
新幹線船小屋駅は記念すべきその象徴として沈む夕陽の中にあった。
左上の上・ウラ(西側)から見た新幹線の筑後船小屋駅。
左上・鹿児島本線の筑後船小屋駅(あぁややこし)から上り列車が発車していった。
右上・駅の中庭のような広場。雨の日の乗り換えに屋根付きの回廊がある。
右・温泉からパクッてきた( ? )堂々たる石の看板。
在来線駅は地上駅で、旧駅はしかも無人やったとが、九州交通企画が業務ば下請けして運営しとる有人駅に格が上がった。
こっちのホームは相対式ホーム2面2線で、互いのホームは跨線橋で連絡しとる。
移転前はカプセル式の簡易駅舎やったとバッテン、移転してきたら新幹線駅に釣り合うごと、柄にもなく立派なもんに新設された。
1番ホームが鹿児島本線(下り) 瀬高・大牟田・熊本方面。
2番ホームが鹿児島本線(上り) 久留米・博多・小倉・門司港方面。
2005年旧駅の利用者は、乗車のみでいうと1日平均203人やった。
新幹線駅は高架駅でJR九州の直営駅。ホームは単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の計2面3線。駅舎内の売店(キヨスク筑後船小屋駅店)では、駅弁「奥八女のお煮しめ弁当」ば売りよんなる。
11番ホームが九州新幹線(上り) 博多・広島・新大阪方面
12・13番ホームが九州新幹線(下り) 熊本・鹿児島中央方面
この駅に停車する列車は、朝6時発の博多行きから、23時58分の終着列車まで上下合わせて計59本。全乗降客数は約600人。1列車あたり約10人程度。特にこの駅から下り方面への利用者はなかとといっしょ。平均しても1列車1人か2人。乗り降りゼロの列車もある。
筑後市役所がたてた1日の乗降客数見込みは、在来線と合わせて3,000人やケン、実績のほうは約2割。見込みの半分やった福岡市地下鉄の七隈線よりさらにさらに悪か。
駅前におるタクシーの運転手さんは「会社の方針やケン、しょんなかバッテン、この駅で待っとっても客が下りてこんケン、ムダじゃんの」てあきらめとんなった。
一日のほとんど、この駅は静寂に包まれとった。
左・新幹線の筑後船小屋駅の西側に、くっついて鹿児島本線の筑後船小屋駅がある。
左下の2枚・町の中心部から500mも移動させられた代わりに新品になった鹿児島本線の筑後船小屋駅。
下・移転前の愛らしか駅、この頃は無人で名前もただ船小屋駅やった。
船小屋は、旧名ば東古賀原いうて、そのむかしは福岡県筑後国下妻郡下妻村大字尾島の字やった。藩政時代は柳川立花藩の領域で、元禄2年(1689)に矢部川の河川改修があり、工事用の石や材木ば運ぶ平田舟ば格納する小屋が堤防の上にいっぱい設置されとったていう。
藩の小屋番ていうとが駐在しとって、土地のもんも立ち入りが許されず、監視が厳しかったケン、土地の住民はえずがって「御船小屋」て崇めとったとが後に至って御の字が取れ「船小屋」になり地名にまでなったていうとる。