このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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島崎藤村ゆかりの地

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中棚温泉「中棚荘」

菱野温泉 から小諸市街に戻り、中棚温泉「中棚荘」に行ってみる。

中棚温泉「中棚荘」


藤村はよく中棚の方へ出掛けた。

八月のはじめ、私はこの谷の一つを横ぎって、中棚の方へ出掛けた。私の足はよく其方(そちら)へ向いた。そこには鉱泉があるばかりでなく、家から歩いて行くには丁度頃合の距離にあったから。

『千曲川のスケッチ』

暮れ行けば浅間も見えず
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよふ波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む

この「岸近き宿」が中棚荘だ。思いの外、立派な宿で驚いた。

昭和11年(1936年)5月19日、 種田山頭火 は小諸から中棚鉱泉に行く。

5月19日 曇、風、雨。

風雨の中を中棚鉱泉宿に落ちつく。安くして貰つて一泊二飯一円。

あまり待遇はよくないけれど、幾度でも熱い湯にはいれるのがうれしい。

終日ごろごろして暮らした、終夜ぐうぐう寝た。


「中棚鉱泉宿」が中棚荘である。

中棚荘の崖の上に「藤村ゆかりの水明楼」がある。


小諸義塾 塾長木村熊二の書斎である。

 明治29年(1896年)3月と11月、島崎藤村は2度にわたって小諸に恩師木村熊二を訪ねている。

 明治32年(1899年)4月上旬、島崎藤村は小諸義塾に英語、国語の教師として迎えられた。

藤村はこの書斎をたびたび訪れた。

 中棚の附近には豊かな耕地も多い。ある崖の上まで行くと、傾斜の中腹に小ぢんまりとした校長の別荘がある。その下に温泉場の旗が見える。

『千曲川のスケッチ』

 こんな所を訪れるのは、かつての文学青年や文学少女、文学爺さんや文学婆さんだけだ。

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