このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
芭蕉の句碑
紫陽花や帷子どきのうす浅葱
JR上越線渋川駅から市役所通りを行くと、平沢川沿いに小野池あじさい公園がある。
小野池あじさい公園に芭蕉の句碑があった。
紫陽花や帷子どきのうす浅葱
出典は天野桃隣
『陸奥鵆』
。作句時期は不明。
帷子
(かたびら)
は夏用の麻の小袖。うす浅葱
(あさぎ)
はわずかに緑色を帯びた薄い青。また、青みをおびた薄い緑色。
この句の碑は栃木の
四季の森星野
にもある。
紫陽花や帷子時の薄淺葱
あちさいや藪を小庭の別座舗
『芭蕉句選』
芭蕉が紫陽花を詠んだのは、この2句だけらしい。
小野池あじさい公園というぐらいだから、紫陽花が咲く。
大島アジサイロード
の紫陽花
紫陽花
(あじさい)
はユキノシタ科の花。
小野池あじさい公園に
萬葉の歌碑
もあった。
あじさいの八重咲く如くやつ世にをいませわが夫子
(せこ)
見つつしのばん
『万葉集』
(巻20)、左大臣橘諸兄の歌である。
言問はぬ木すら味狭藍諸弟
(もろと)
らが練の村戸
(むらと)
にあざむかえけり
『万葉集』(巻4)、大伴家持の歌。
『万葉集』で紫陽花が詠まれているのは、この2首だけだそうだ。
ちなみに
小林一茶
が紫陽花を詠んだのも、2句だけ。
鳴海
紫陽花や己が気儘の絞り染
『俳諧五十三駅』
紫陽花の末一色と成にけり
『文化句帖』(文化元年)
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