このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

芭蕉の句碑


けごろもにつゝみてぬくし鴨の足

大竹市小方の西国街道旧道を行く。


旧道沿いに芭蕉の句碑があった。


けごろもにつゝみてぬくし鴨の足
(※「けごろも」は「敝」の下に「毛」)

「けごろも」は鳥の羽毛で作った衣服。羽衣。

 この碑の句は、松尾芭蕉(1644−1694)が元禄6年(1693年)の冬に詠んだもので、俳諧七部集の 『続猿蓑』 にある。

 芭蕉の百五十年忌にあたる天保14年(1843年)、近辺の俳句同好の人達によってこの記念碑が建立された。その頃、芸備地方の俳壇の多くは、芭蕉の門人 志太野坡 の流れを汲んでいたという。

 元治年間(1864〜1865)には、この地の俳人市川蘭史・永田斗泉らが、この碑にちなんで「けごろも社」という俳句の会を組織した。この俳壇は慶応から明治にかけて隆盛を極め、後に清遊倶楽部へと引き継がれた。

大竹市教育委員会

 凡ほつくは一物の上になき物にあらず。今証句少々あげて是を弁ず。先一物の上になりたる句は、

毛衣につゝみてぬくし鴨の足
   先師

 此句は殊に一物の上にて作したりと、支考に語て興じ給ひし句となん。

『旅寝論』 (去来著)

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