このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

翁 塚


妙心院〜芭蕉翁蓑塚〜

仙台市宮若林区新寺小路に妙心院という寺がある。


妙心院山門


稲荷山妙心院


曹洞宗 の寺である。

本堂の左手に「芭蕉翁蓑塚」があった。


寛政6年(1794年)10月12日、建立。

『諸国翁墳記』 に「簑 塚 奥州仙臺八ツ塚妙心禅院建 浮月坊鉄船」とある。

「芭蕉翁蓑塚」の右に「芭蕉翁蓑衣塚銘」碑がある。


寛政7年(1795年)10月12日、建立。

 明治39年(1906年)11月11日、河東碧梧桐は妙心院の「芭蕉翁蓑塚」を訪ねた。

 鉄船なる者の記す所によると、奥の細道の時脱いで置いたのを、寛政七年にこの寺に埋めたものである。塚にはただ「芭蕉翁蓑塚」と表に「元禄七歳」と裏に刻んである。塚の側に碑があって、黄檗山万福寺の蒲庵禅師というのが芭蕉の略伝を叙した碑文を撰しておる。


   芭蕉蓑塚

蓑ぬぎし晴れを思ふや帰り花


 昭和3年(1928年)7月23日、 荻原井泉水 は妙心院で「芭蕉翁蓑塚」を見ている。

その他に私は、芭蕉の蓑塚というものを見た。それは新寺小路の妙心院(もとは禅宗、今は日蓮宗)の地内にあって、表に「芭蕉翁蓑塚」とあり、裏に「元禄七歳」とある。これは元禄七年に建てたというのではなくて、芭蕉の供養のために建てたものだからその歿年を誌したまでである。傍に「芭蕉翁蓑衣塚銘」という別の碑がある。「寛政六年甲寅十月十二日、山城州黄檗山万福寺蒲庵英撰」としたその文を読むと、当地に浮月坊鉄船という医者があって、芭蕉が奥の細道の旅に着て来たという蓑を蔵していた。それをここに埋めてこの記念碑を建てたというのである。

『随筆芭蕉』 (仙台見物)

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