このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

牧水歌碑
indexにもどる

〜磯部公園〜

JR信越本線磯部駅から温泉街に向かうと、 磯部公園 がある。


磯部公園に若山牧水の歌碑があった。


湯の町の葉ざくら暗きまがり坂曲り下れば渓川の見ゆ

渓川は碓氷川のこと。

 大悟法利雄『牧水歌碑めぐり』によれば、昭和57年(1982年)4月除幕、93番目の牧水碑である。

鉱泉橋より碓氷川を望む。


 大正6年(1917年)6月7日、若山牧水は妙義山の登山を思い立ち、初めて磯部温泉を訪れた。

磯部鉱泉林屋から奥さんに絵葉書を出している。

 曇りはげしくいまにも降らむとするにこゝにおいて一杯をいたゝく。密雲全く山をとざして水聲いたづらに驕る。

磯部鉱泉林屋は現在の磯部温泉「竹林の湯宿はやし屋」である。

磯部温泉は当時鉱泉であった。

 牧水は大正8年(1919年)4月11日にも磯部鉱泉林屋を訪れ、12日間滞在している。

この時詠んだ歌の碑が 竹林の湯宿はやし屋」 にある。

ちなみに、牧水がその日に磯部温泉で詠んだ歌をあげておく。

   その日妙義山に志したれど心変りて磯部に泊る

気まぐれの途中下車して温泉町停車場出れば葉ざくら暗し

眼に立たぬ宿屋さがして温泉町さまよひ行けば河鹿なくなり

湯の町の葉ざくら暗きまがり坂曲り下れば渓川の見ゆ

   町端れの宿屋に入れば心の疲れ俄かに身に浸む思ひす

ひとり来てひそかに泊る湯の宿の縁に出づれば渓川の見ゆ

渓川の見ゆるうれしみひろびろと部屋あけ放ち居ればうら寒し

   旅なれぬ身にもあらねど

碓氷川川原をひろみかたよりて流るる瀬々に河鹿なくなり

   河鹿しきりになく

はるかにも来つるおもひの旅心地宿屋の窓に杉の山見ゆ

『さびしき樹木』

牧水歌碑 に戻る。