このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

俳 書

『しぐれ会』(明和5年刊)


明和5年(1768年)8月、浮巣庵 文素 歿。

祖翁正当忌日は、ふりみふらすみ神無月中の二日也けり。けふや比良・横川の高根もけしきたち、湖の面ところところしくれて、ねくらさためぬ水鳥も、浪間に通ふ千鳥の声も、さなから昔をしたふに似たり。されや「 世にふるも更に宗祇の 」と先達の観相を称嘆せられしも、まのあたりに尊まれ侍れは、年々此日をしくれの会式と名つけて、時雨の句々を廟前にさゝけ奉るものならし。、

粟津浮巣庵

   探 題

ぬれに出る子をあふなかる紙衣哉
   阿雖

鐘楼の袂へはいる木の葉かな
    蝶夢

   文通奉納

  伊勢
長ふない日影ちゝめてしくれかな
    二日坊

  陸奥
さゝ波に一こほしつゝしくれかな
   里圭

  播磨
寺々は鐘つき出すや夕しくれ
    山季坊

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