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俳 書
『熱田皺筥物語』(東藤編)
桑名に遊びてあつたにいたる | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
あそび来ぬ鰒釣かねて七里迄 | 芭蕉 |
此海に草鞋(わらんぢ)すてん笠しぐれ
| 芭蕉翁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
むくも侘しき波のから蠣 | 桐葉 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
凩に冬瓜(とうぐわ)ふらりとふらつきて | 東藤 |
馬をさへ詠むる雪の朝かな
| 翁 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
木の葉に炭を吹おこす鉢 | 閑水 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
はたはたと機織音の名乗きて | 東藤 |
しのぶさへ枯て餅買ふ舎かな
| 翁 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
しわびふしたる根深大根 | 桐葉 |
海くれて鴨の声ほのかに白し
| 翁 | ||||||||||||||||||||||||||||
串に鯨をあぶる盃 | 桐葉 |
つくづくと榎の花の袖にちる | 桐葉 | |||||||||||||||||||||||
ひとり茶を摘む藪の一つ屋 | 翁 |
思ひ出す木曽や四月の桜狩 | ||||||||||||||||||||
京の杖つく岨(そば)の青麦 | 東藤 |
星崎の闇を見よとや鳴千鳥
| 翁 |
磨(とぎ)直す鏡も清し雪の花 | ||||||||||||||
石しく庭の寒(さゆ)るあかつき
| 桐葉
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水仙やしろき障子のとも移り
| 翁 | ||||||||
炭の火ばかり冬の饗応(もてなし) | 梅人 |
月華の是やまことのあるじ達
| 芭蕉翁 | |
白鳥山 | ||
何とはなしになにやら床し菫草
| 翁 |
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