このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

俳 書

『千鳥墳』(徳雨編)


 宝暦10年(1760年)11月3日、梅田徳雨は野木町の 野木神社 に「千鳥墳」を建立。

記念集『千鳥墳』(徳雨編)刊。郢月泉阿誰序。

   十一月三日

   前夜之吟懸御目候

一疋のはね馬もなし河千とり
   はせを

千鳥鳴くかも川過つ鉢たゝき
    キ角



一疋のはね馬もなし河千鳥



からまいて水にも飽くれす藤の花
   徳雨

   題鶯宿梅

妹か家を嗅出されけり梅の華
   浙江

   此春始て千鳥墳に詣て

かげろうふも千鳥にたつや墳の上
   阿誰

隠されぬものきさらぎの匂ひ哉
   文楼

見に行といふ人もなき柳かな
   芭蕉

   奇寒江淮氷(ママ)
  境連
風痛く水さへ石と成夜かな
   浙江



名月の雨に深川風うすし
   芭蕉
  
出舟の笠ふり帰るすゝき哉
   琴露

雲水の跡へ戻らぬ月見かな
   祇〔徳〕

けふの月桜町殿想ふなり
   阿誰

名月や黒きは富士の雪計
   徳雨

「芭蕉」の句は、いずれも存義句。

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