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中津川林道
埼玉県大滝村〜長野県川上村
2007・6・22 来訪

関東トップクラスのメジャー林道。
全体的にフラットな路面で砂利道初心者でも安心。
埼玉から長野入りが出来ると言う事もあり実用面も高い。

県道210号線との分岐点。
どちらかと言うと林道が本線で県道が分岐していく、と言った感じだ。
林道に入るとしょっぱなから素彫り隧道がお出迎え。
序盤は路面も舗装路で、民家も数件あり普通の生活道路。
途中、『彩の国 ふれあいの森』という施設の中を通る。
キャンプ場もあり、休日ともなればアウトドアを楽しむ人々で賑わう。
ただ、この日は平日なので閑散としていた。
中津川林道は夜間は通行止め。
前書きにも書いたとおり、この道は長野から首都圏へ戻る為の近道でもあり、午後五時のタイムリミットに間に合わなかった場合ゲートが閉まってしまい、群馬や山梨へ一度大きく迂回しなければならなくなる。
しかも長野側の川上村周辺には真っ当な道が少く、ムリヤリ最短距離で行こうとすれば夜間に『酷な道』を通らざるえなくなるので注意。(経験者は語る)
『村道中津川線(17号線)県道昇格早期実現』
「村道(現在は市道)中津川線」は中津川林道の埼玉側の本名である。
元々、ここは林野庁管轄の国有林道であったのが川上村・旧 大滝村(現 秩父市)に所轄が移されようだ。
で、以外の事にこの道、有料道路だったそうな。

んで、前述の通り実用性はあるのにショボ道かつ夜間通行止め。
地元としては、この道を県道に昇格させ終日通行可能な まともな道にしてもらいたいらしい。
たしかにそうすれば、人の往来が多くなり地元経済は潤うであろう。

しかし、予算の関係で今のところ実現は難しい様子。
やはり、雁坂トンネル完成によるR140改良工事で金を使い切ったか?(基本的に3桁国道は県が管理。)
どうせやるなら、ガツンと別ルート・ロングトンネルで造ってもらいたいものだ。
下手に林道をオール舗装路にした所で、『険道』一つ出来上がるだけで往来が多くなるとは思えないぞ。
路面はダートへ。
しばらくは中津川の渓流に沿って穏やかな道が続く。
渓流沿いの区間には時折 素彫り隧道が現れる。
この隧道も一軒コンクリトンネルに見えるが、中はガッツリ素彫り。
わりと幅員は広めなので離合を考えなければ、多少大きい車でも大丈夫。
深緑に包まれたダート路。
まったり走れます。
『ガク沢橋』を渡る。
橋を渡っている途中、奇妙な物を見つける。
橋台?
普通に考えれば旧道の橋と考えるべきだが、現ガク沢橋も昭和34年製とけして新しくは無い。
中津川林道ってそんな古くからある道なのか・・・?

あちこちググッてコイツのヒントを探して見る。
すると・・・。

あった、あった。
この子の正体、林鉄時代の橋台です。
なるほど、この道の中盤まで道程が穏やかなのは元 軌道跡ゆえか。
現在の『彩の国 ふれあいの森』も元々貯木場だったそうな。

ちなみにこの事を調べて行き着いた先は東北廃線界の重鎮『 鉄の廃路 』様です。
関東のこんなマニアックなネタを調べてるとは・・・。
森林囲まれたダート路を進んでいたら突然大規模な道普請。
詰まるトコ、ちょっと前にかなり『やっちゃった』箇所なのだろう。
山深い道ゆえ大雨・台風が来ればかなりの確立で数週間通行止めになってしまう。
再び素彫り隧道。
こちらは一切の装飾が無く、実に漢らしい姿を見せている。
ふと目に入った木にかかった札。
『今日も一日釣行』
中津川の渓流は非常に釣り人に人気があり、休日はもちろん平日でも数人の釣り人を見かけた。
まあ、渓流は流れも速いし所々に深みもある。
油断してると大怪我、下手すりゃ命を失う事もある。
釣師も道師も安全第一。

なお、木札にはもう一つ小さく
『ごみ、空き缶は持ってけしるべェ!!』
けしるべェ?
奥秩父の方言で「かえれ」って事か。
うん、まあゴミを持ち帰るのは人として基本やね。
中津川を離れると、よいよ本格的な山道に入り、道程も険しくなってくる。
中津川林道の最も印象深い箇所である、奥秩父林道との立体交差。
右側から分岐しぐるッと180°ターンをして、中津川林道の上を越えていく。
奥秩父林道はピストン林道で、途中で大崩壊しているそうだ。
何度かこのような切り通しの九十九折れを曲がり、標高を上げていく。
山向こうに、この先通るであろうの道が見える。
と言うか、あのガードレールの角度、ちょっとありえなくない?
で、やってきました。
勾配のキツさわかってもらえます?
一度、当サイトの初期の主人公? アプリオ で来てますが、時速20kmぐらいしか出ませんでした。
まあ、このあとにすぐに行った 大弛峠はもっと楽しい事になりましたが
ああ、250オフ車となった今では懐かしい話だなァ。
ただし、パワーがあるオフバイクも油断なりませぬ。
長野側から来た場合、この激坂はちょうどブラインドカーブを抜けた先にあり、何も知らずスピードつけたまま突っ込むと軽く谷底へのジャンプ台となります。

安全運転。
さて、激坂直前カーブ横の岩に埋め込まれた『道乙517』の文字。
いったいこれは?
国有林道時代の登録No.か何かか?
夜間・冬季の通行止めに使われている封鎖ゲート。
ここまでくれば峠はもう少し。
三国峠に到着。
深く豪快な切り通しが印象的な峠である。
峠からの埼玉側の景色。
埼玉というと、だたっ広い平坦な土地を思い浮かべるが、
西部地方は近年まで車道を通す事を拒んできた雁坂峠(2082m)を代表とした
山深い険しい地である。
この三国峠も標高1740mと、かなり高い位置にある。
峠を越え、長野側へ入ると舗装路に。
手入れをされた杉林の中を一気に下っていく。
途中、相木川上線と言うダート林道が分岐している。
「相木」川上線と言う名前だが、まだ南相木村には繋がっていない。

てんにまします「りんやちょう」のかみがみよ、てんよりこのちにまいおり(あまくだり)、そのぜつだいなるおちからで(だんごう?)まだみぬあたらしきみちをおつくりください。

あーめん。
さて、埼玉側の麓から峠までわりと距離があったのだが、長野側はあっさり人の気配がする場所へ入る。
ただ、実際にはこの地点でもかなり高い標高があり、長野県の県土自体が標高の高い場所に存在しているのだ。
しばらく高原野菜畑の中を通り、やがて県道68号線となり梓山の集落に入る。
梓山集落からは 川上牧丘林道 が分岐しているのでセットでどうぞ。

ちなみにこの橋には『梓山林道』と言う名の林道が記載されている。
恐らく、かつては埼玉側と繋がっておらず、ピストン林道時代の名前ではないだろうか。
埼玉側に存在していた林鉄は昭和34年まで存続し、その後 林道として転用された。
この橋が出来たのが昭和29年。
となると、やはりかつてこの道が行き止まり林道だったと考えるのが妥当であろう。

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