静岡鉄道駿遠線(3/6 昭和36年の記録を中心に)




国鉄藤枝駅北側に隣接していた新藤枝駅から、志太平野を南下していた駿遠線ですが、
昭和39年までは新藤枝駅から北東方向に大手(東海道藤枝宿)までの大手線も延びていました。
HPでお世話になっているなまちゃんさまがこの大手線を昭和36年に訪ねていました。




▲まずは大手駅でのキハD10型です。
前面の長いひさしが特徴の気動車です。
軽便鉄道独特の朝顔形の連結器も目を惹きます。
流行の先端を行く、金太郎塗りがきまっています。
昭和36年 なまちゃん氏提供






▲こちらは目の覚めるような鮮やかなカラーでの大手駅です。
撮影日は上天気だったとみえて、背後に静岡市との境になる高草山が見えています。
列車は駿遠線名物の「モーコの戦車」とよばれたDB601型の牽く客レ。
凸凹の客車を4両つないでいます。
垢抜けしない編成ながら、当時はやりのツートンカラーで塗装されています。
昭和36年 なまちゃん氏提供

※なまちゃんさまのHPで、昭和30年代の日本各地の地方私鉄のアルバムを見ることができます。

http://www5.kcn.ne.jp/~namachan/






▲こちらは模型での大手駅頭の一コマです。
軽便鉄道の駅舎としては異例の瓦葺き、車寄せつきの本格的駅舎だったことがわかります。
静鉄塗装のボンネットバスも昭和30年代生まれの管理人にとっては懐かしいゲストです。。







▲大手駅のホーム。新藤枝駅同様行き止まりのホームになっていました。
なまちゃん氏のお写真と全く同じ雰囲気で再現していることに驚かされます。
それにしても、駿遠線の旅客ホームは低かったのですね。
なおこの模型は、現在藤枝郷土博物館で見ることができます。





模型で見る駿遠線の車両
阿形昭氏主宰駿遠線軽便展から

軽便鉄道としては破格のBB型ディーゼル機関車であるDD601型です。
昭和40年に藤枝口の客レ輸送力増強用に投入された機関車ですが、わずか5年ほどで短い生涯を終えました。
機関車にしては窓がたくさんあるサイドビューと、明るい塗装が特徴です。
こちらは先ほどのなまちゃん氏撮影のキハD10型を長身にしたようなキハD8型です。
昭和6年に製造された気動車で生涯、駿遠線で活躍を続けました。
やはり最大の特徴はサンバイザーのような大きなひさしでしょう。
乗降口のステップが路面電車のように低いのも特徴的です。
こちらは駿遠線名物「モーコの戦車」ことDB608型です。
「モーコの戦車」とは本当によく名付けたものです。
蒸気機関車の足回りにディーゼルエンジンを載せて、自社工場で作り上げたものだということですから驚きです。
静岡鉄道は自社工場で電車や機関車を製作できる高い技術を持っていました。
番号ごと、細部は少しずつ異なっていました。
こちらも静岡鉄道名物のちょっと細身の湘南顔をもつキハD14型です。
静岡清水線電車にもこれとよく似たモハ20型という電車がいました。
やはりお得意の自社製気動車で昭和45年の駿遠線廃止まで使われました。
まさに、静岡鉄道版レールバスでありました。

最後は一風変わった客車であるハニ2です。客車と有蓋貨車を合わせたようなおもしろい造りで、塗色も荷物室部分は青一色というのもユニークです。大正13年製生まれの古顔です。

 
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