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- 東北旅行 特急とローカル線の旅 -
(2001年07月21日〜23日)

【1/3】 角館と青森特急の旅


◆こまち初乗車!┃東京→角館

 私の出身高校は男子校。それゆえ私の高校時代は男ばかりの、気楽だがちょっと心寂しいものだった。それを象徴するかのように、今回の旅行は男ばかりの5人旅(!!)。卒業後に異性と付き合えることを夢見つつ、最初の目的地である角館へと向かった。なんか切ないなぁ......

 とはいえやはり鉄道の旅は楽しい。しかも今回は「三連休パス」というお得なきっぷを使い、特急に乗り放題とあって、私の心は弾んでいた。東京から乗車した新幹線こまちは心地よい速度で北へとひた走り、あっという間に盛岡に到着。ここからは秋田新幹線に入る。

 秋田新幹線は普通の新幹線と違って、地上の在来線上を走る。そのため速度は最高130キロという、新幹線らしからぬ遅さである。しかも新幹線は加速が悪いため、廃止された在来線特急よりも遅くなったという笑えない話もある。

 昼過ぎに角館に到着。新幹線開業に合わせてかホームや駅舎はとても新しい。きっと観光客も増えたことだろう。その観光客の一員として駅舎を後にする。



名前の候補に「なまはげ」などもあったらしい…
▲地上を走る秋田新幹線こまち

新幹線開通とともに観光客数up!
▲駅舎まで武家屋敷風の角館駅

◆武家屋敷散策┃角館町内

 角館駅から少し歩いてラーメン屋に入った(どこへ行ってもラーメンばっかりだ)。私はとりあえず先陣切って普通のラーメンを注文、友人たちは後からじっくり「武家何とか」といったその土地のものを頼む。…これだから見栄張った個人プレーは良くないんだ。

 ところで今ちょっと書いたように、角館は武家屋敷の町として有名である。といっても町全体がそういう家ばかりというわけではなく、幾つかの通りごとに屋敷が並んでいるといった感じ。さすがに住民全員に江戸時代の家に住めとは言えないのだろう。

 道は舗装されていて車が結構通るのが残念だが、電柱もなく、柳の木が町並みにうまくマッチしていてる。通り沿いはすべての家が黒い板塀で、雰囲気は江戸時代っぽい感じである。

 駅でもらっておいたパンフレットを見て、通りの先のほうにある石黒家というお屋敷を訪ねることにした。門一つ取っても立派で、屋敷はさぞ大きいことだろうと思って中に入ると、やはり大きかった。

 屋敷を公開しているとはいえ、今でも人が住んでいらっしゃるので、見学できるのは家の一部だけである。この家の娘さんとおぼしき女性が案内をしてくれた。こういった屋敷を見ていると、自分は日本人のくせになんと日本を知らないことかという思いが沸き起こってくる。

 角館の町を歩き回ったあと、盛岡に戻るべくこまちを待ったが、なんと途中で2分ほど遅れているとのこと。盛岡での乗り換え時間はもともと5分しかなく、しかも駅員に聞いたら「5分は無理ですよー!」と脅され(?)、かなり焦った。結局2分遅れで到着したこまちで盛岡へ。


車通りが多いのが難点
▲武家屋敷の定番、柳並木


門だけ見ても立派!!
▲武家屋敷の一つ、石黒家の門


今でも人が住んでらっしゃるんですよ
▲石黒家の内部

◆特急乗り継ぎ ちょっとリッチな旅┃角館→盛岡→青森→大鰐温泉

 盛岡到着の5分前にはドアの前に並ぶ。やまびことの接続のために、出たり停まったりを繰り返すのにやきもきしながら、残り4分の中をひたすら走った。まるで西村京太郎小説の犯人のような気分。

 必死に走ったのが功を奏したか、なんと1分半でホームに到着。写真をとる余裕さえあり。なんだか拍子抜けした感じで、座席につく。うーむ。

 この列車は途中八戸、三沢にしか停まらない超速達タイプ。盛岡を出るとすぐに飛ばし始める。これはおそらくこまちの秋田新幹線区間より速いのでは?私は進行方向左側の席だったが、車窓にはずっと東北新幹線の新線部分が見えていた。

 次第に家並みが少なくなり、車窓に見えるは山と田んぼのみ…と思ったら、途中ヘンなラーメン屋を発見。店の名前は「ラーメン珍珍珍」(!?)。ここらへんから夢路をたどるようになり、気づいた時は浅虫温泉付近を通過中。このサイトの管理人は、車窓の風景を忘れるといつも眠っていたことにしているというのはさておき、このあたりでは海が見えるようになる。

 18時前に青森に到着。とにかく広い構内!留置線も多く、ターミナル駅としての風格は十分。青森駅が首都圏の駅と違うのは、やはり客車が多いことだろう。快速海峡号(現在は廃止)はすべて客車、ブルトレも多く、旅情が掻き立てられる。

 ところで、このあたりでは時間帯によって寝台特急が普通の特急と同じように乗ることができる。我々もここから大鰐温泉へ寝台特急あけぼの号に乗り込んだ。

 特急扱いされているとはいっても、それは4号車だけ。そのため、半個室のような座席には、駅弁をかきこむ人、ビジネスマン風の人、カップルなど、いろいろな人が乗り合わせていた。イギリス人ならここで天気の話でもはじめるところなんだろうなと思う。

 青森を出ると町中を進み、まだ実がなっていないりんご畑を車窓にしながら、程なく列車は弘前駅に到着。ここでかなり降りてしまった。寝台列車としてではなく、普通の特急としての利用ばかりのようで、少し寂しい気がした。

 弘前の2つ先の大鰐温泉までは短い時間だったが、西側の車窓には岩木山の雄姿が見え、そこに沈む夕日を存分に楽しむことができた。この古き良き日本を思わせる風景は、今日一日いろいろ乗り回した疲れを癒してくれるようだった。


当時とは運転区間が変わってしまいました…
▲E751系、スーパーはつかり



ドラえもん好きのNozan君は大喜び
▲快速「海峡」のドラえもん列車



古豪特急の重厚な面
▲寝台特急あけぼの号、上野行き



ふるさとの風景
▲岩木山に沈む夕日

※このあたりの列車運転経路などは、東北新幹線の八戸延伸に伴ってだいぶ変わっています。もしこれを参考にご旅行なさる場合は十分ご注意ください。

 - 1日目の旅の経路 -
東京→(秋田新幹線・こまち)→角館盛岡→(東北本線・スーパーはつかり)→青森→(奥羽本線・寝台特急あけぼの)→大鰐温泉

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