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- 木曽路を行く -
(2001年11月01日〜02日)

【1/3】 坂道街道・馬籠宿


◆始まりはいつも眠れない(?)┃大船→名古屋→中津川

※この旅行記は僕が高校時代所属していた町並み研究会という同好会で木曾へ行ったときのものです。時々出てくる小宮先生というのは顧問のじいさん先生で、なかなかトークの面白い人でした。

 大船駅午前0時過ぎ。深夜の大船駅はまだまだ眠らない。酒臭い空気が下り電車から放出され、家路を急ぐサラリーマンが階段を上る。柱につかまる酔っ払いの姿もちらほらと見える。

 そんな光景を横目に、ここから夜行快速「ムーンライトながら」号の人となる。今回はこの列車で名古屋まで行き、そこから中央線に乗って木曽路をめぐる予定なのである。

 座席に身をゆだね、これから名古屋まで一眠りするか、と思ったが、これがぜんぜん眠れない。前日は学校行事で山歩きをしてきたというのに…。これからかなり歩く予定なので眠れないのはかなりマズい。

 仕方がないので30分停車する豊橋で夜風に当たることにした。時間は朝4時半。しばし寝るのを諦めて缶コーヒーのBOSSを飲みながらホームを歩いていると、後ろの方の車両がガラガラなことに気づき、すぐさまそちらに移動する。ここらで一眠りといくか。

 すると、豊橋からの始発列車と化したながら号に地元の通勤客がだんだんと乗り込み、寝ている雰囲気ではなくなってしまった。しかもあろうことか喫煙車だったため、タバコくさくてしょうがない。なんか損ばかりしてる気分。

 6時過ぎにようやく名古屋に到着し、中央本線に乗り換える。車両はもはや東海の顔となった313系。乗り心地はすこぶるいい。ようやく日の出を迎えた名古屋の町をあとに進むうち、車内はだんだんと学生の声が響き渡りはじめる。こんな快適な車両で通学できるとは、うらやましい。

 木曽川の流れを横目に1時間ちょっと、中津川駅で降りる。ここから最初の目的地である馬籠宿へと向かう。




全然眠れなかった...
▲夜行快速・ムーンライトながら




実は別のとき撮った写真なのですが...
▲毎度おなじみの313系




川がすぐそば、がけの上の駅
▲中央本線・定光寺駅

◆『夜明け前』の町┃馬籠宿

 中津川から「濃飛乗合自動車」の小さなボンネットバスに乗り、馬籠へ。小宮先生は「フィリピンだとこのバスに70人は乗る」という。日本でよかった。実際座席は10人分くらいしかない。中津川はかなり町が広がっているが、しばらく行くと山道になる。日光のいろは坂のように曲がりくねった道をどんどん登っていくと、約30分で馬籠に到着。料金は540円。高い。

 朝早かったこともあって(まだ8時半)、ほとんどの店がしまっていたが、途中「槌馬屋」という店があいていたので入った。ところで、馬籠はご存知のとおり、島崎藤村の小説「夜明け前」の舞台である。他の人たちが釜飯を食らう間、二階に「島崎藤村資料館」があるというので行ってみた。本当は入館料200円のところを店の人がタダにしてくれた。(←ありがとうございました)。

 ここには「夜明け前」ワールドが広がっている。本当に多くの文献や藤村ゆかりの品々のみならず、藤村関係以外でも明治・大正期に使われていた絵葉書、電話機などが展示されていて、国語科である小宮先生は目を輝かせて見入っていた。

 馬籠はひたすら石畳の坂道で、自転車ではつらそうなところである。ただ景色はなかなか良く、小宮先生などは「今度は全校で歩きに来よう」とのたまう始末。そんな話を聞きながら上っていくと、次第に町並みがなくなりだし、山道に入り始める。

 途中に立て札があった。東海道中膝栗毛で知られる十返舎一九の、「渋皮のむけし女は見えねども栗のこはめしここの名物」という句がかかれている。すなわち「ここには(栗の渋皮のむけたような)美女はいないが、栗の強飯はここの名物だ」という意味。それにしてもこんな失礼な句が有名になったというのも、いささか変な感じである。

 ここから健脚の先生は、お隣の妻籠宿まで峠を歩いていった。生徒は疲れたのでバスを利用(←怠慢)。



ボンネット型とは珍しい
▲濃飛乗合自動車の「新型車両」



石畳が…ってしつこいかしら
▲ひたすら坂道の馬籠宿



有名な句のかかれた立て札
▲十返舎一九の失礼な?一句

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