妻籠からバスで南木曾(なぎそ)駅へ、そこから再び中央線で奈良井宿へと向かう。美しく紅葉した山々を横目に列車に揺られること1時間14分、奈良井駅に到着。乗降客はまばらであった。
馬籠、妻籠と違い、奈良井は旧街道沿いに駅がある。そのためか車の交通量はわりあい多い。生活の中にある宿場町といった感じである。全体的な雰囲気は妻籠とよく似ている。 ところで、前の馬籠宿、妻籠宿もそうであるが、これらの町並みにはいくつか特徴がある。それは電柱がないこと。いや、正確に言えばあるのだが、家の裏などに隠されていて、少なくともメインストリートには一本もない。江戸時代っぽい雰囲気を作るにはやはり電柱があってはマズいということなのだろう。だったら車も通行禁止にすればいいものだが…。この辺が地元の人とよそ者の意見が食い違うところでもある。
そしてもうひとつの特徴は、宿場町というのに宿屋が減っていることである。多くは土産屋かそば屋に転業したらしい。今ではちょっと車で立ち寄るという人が多いから、やはり観光客相手の土産屋の方が効率がいいということか。残された宿屋さんにはぜひがんばってもらいたいものである。
この日はその残された宿屋のひとつ「津ち川」に泊まった。連休前の平日だから他に誰もいないだろうと思っていたが、他にもお客さんがいるとのこと。その人は音楽活動をなさっているそうで、結構有名な人らしい。残念ながらわたしは知らなかったのだが、小宮先生は早速話に花を咲かせ始めた。すぐに饒舌な小宮節が始まり、私たちは話に入る余地もなく、ただせっせと口に物を運ぶ。うまい。地元の山菜がうまい。
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▲中央本線・奈良井駅
▲奈良井宿
(なんとなくキタノ・ブルーな色調)
▲奈良井にある木曾の大橋
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