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- 山岳線奇行 〜身延線・飯田線の旅 -
(2001年12月31日 快晴)

【その1】 身延線・中央本線


◆JAZZと日の出とポイント故障(!?)┃横浜→小田原→三島→富士

21世紀最初の年もあっという間に晦日となり、私の高校生活もあと一年と迫ってきた。来年は受験のため、のんびり旅行している暇などない。そこで思い立ったが吉日とばかりに、衝動的に乗りにいってしまったのが今回の身延線と飯田線である。

横浜朝5:27発の東海道線に乗るべくして家を出た。この電車は小田原行きで、小田原で平塚発の熱海行きに接続する。横浜駅を定刻どおりに出発。まだ暗い車窓を色とりどりのネオンが飾る。軽快なJAZZを聞きながらの旅は気持ちも高ぶってくる。が、しかし…


日の出直前の空の色が好き♪
▲2001年最後の月の入り

突然茅ヶ崎駅で電車が停車。車掌氏によると「平塚駅でポイント故障がありました関係で、ただいま点検中です」との事。脳裏に一抹の不安がよぎる。このままでは熱海行きに間に合わないのでは?

そのうち電車は問題がないことが確認されたということで発車していった。時刻表を見ると、ちょうど10分遅れている。これなら間に合う!急げや急げ。

久しぶりに飛ばした113系の姿が見られると思った私の期待をよそに、列車はのんびりのんびり小田原駅へ。ちょうど12分遅れている。しかも車掌氏のアナウンス「本日熱海行きの電車は運転を取りやめました。」って……勝手にとりやめるなよ〜。ちなみに次の列車だと身延線の時間には間に合わない。どうすりゃいいんだ・・・!?私の心配をよそに、西の空には有明の月が美しく輝いていた。

でももしかしたら、と思って時刻表を紐解くと───案の定、新幹線で三島までワープすれば間に合うことが判明。もうこうなったら背に腹はかえられぬ。と、2330円払ってこだま号に乗り込む。嗚呼、悲しきことに財布に残るは漱石氏が2人のみ…。ちなみに乗車したこだま号はなんと300系。時代の流れの速さを実感する。

三島から沼津へ、沼津では御殿場線から来た313系静岡行きが接続していた。非常に静かな分、かえって人の声がうるさく聞こえてしまうのが嫌なところ。車窓には東海道の旅の友、富士山がその美しい雄姿を見せていた。

◆「ジモティー」路線・身延線の旅┃富士→甲府

富士駅は北側2本が身延線のホームである。車両は毎度おなじみの313系。編成は2両のため、窓際をとるのも一苦労。7時47分に定刻どおり発車する。

身延線の魅力はなんと言っても富士山!ということで、富士山が見えやすいだろうと進行方向右側の席を取ったのだが、見えるには見えても家や工場に隠れてそれほど景観はよろしくない。というのも西富士宮までは住宅が立ち並んでいるため。そこであえて左側のボックスに移る。

すると西富士宮を出てほぼ180度進行方向を変えた列車から、雄大な富士山の姿が拝めた。このあたりでは等高線に沿って走っている関係上、線路がS字カーブをしている。しかも高台を走るので周りに障害物は一つもなし。身延線の魅力をいきなり堪能しつくしてしまった。

列車はだんだんと山あいに入っていくが家々の数は多い。途中で高校生の集団が乗り込んできた。これはうるさくなりそうだと思ったが…案の定ケータイを取り出し、大声でおしゃべり開始。

下部温泉を過ぎ、鰍沢口を出てからも騒ぎは静まらない。ついに運転手が声を荒げた。「君たち、車内では携帯電話使わないでって言ってるでしょ。聞いてるの?電車止めるよ!」すると本当に、駅でもないのに電車が停止(!!)。

運転手の説教が始まる。彼らは黙って聞いたままだったが、「…わかった?」「ハ〜イ」「わかってくれればいいの。ありがと。」「ウィ〜ッス」ようやく電車が動き始めた。こんな光景は地方ならではのものだ。私は初めての光景にしばし唖然としてしまった。

途中の南甲府駅は私鉄時代からの大きな駅舎。電車はその後は何事もなく進み、途中金手(かねんて)から中央線と並走しながら甲府駅に到着した。先ほどの高校生らも何事もなかったかのように、甲府駅の改札口へ消えていった。

※ちなみにタイトルの「ジモティー」とは、「地元風な」という意味らしいです。




近くで見ると迫力が違う!
▲身延線からの富士山は最高!




下部温泉駅にて
▲身延線313系電車




特にいい景色でもない…
▲身延線の車窓
◆「ハイカー」路線・中央本線の旅┃甲府→岡谷

甲府駅前をしばしぶらつき、戻ってみるとホームは重装備のハイカー(登山者)だらけ。キオスクでコーヒーを買い、さっさと列を作りる。隣ホームに高尾からやってきた列車の乗客で、ますます混雑するホーム。しかも少し遅れてやってきた長野行きは3両という短さ。すぐに座席はいっぱいになってしまった。

この日の甲信地方の天気は快晴。抜けるような青空の向こうには白雪をかぶった山々が連なる。小海線が分岐する小淵沢からは、ドアを乗客が開閉する半自動ドアになった。


もっといい写真があったんですが、電柱がかかってしまいアウト!(泣
▲信州の雪山
長坂や日野春のあたりできれいな山々を眺めつつ、12時04分に上諏訪駅に到着。ここで8分停車するため、お決まりの駅前散策。だいぶ町としては発展している。

ところでこの上諏訪駅は、なんとホームに温泉が沸いているのである。少し前まではちゃんとした風呂だったが、今は手軽さ重視で足湯になったらしい。18きっぷなどで旅行中には手軽に旅の疲れを癒せそうなところ。

上諏訪を出ると左手車窓には諏訪湖が姿を見せる。下諏訪駅などは湖畔にあってなかなかいいのだが、ここでまた5分ほど列車が遅れてしまい、次の岡谷で飯田線との接続時間が3分しかなくなってしまった。人の波をかき分けながら走り、なんとか乗車。ここから約6時間の飯田線の旅が始まる。──

……ちなみに今回の旅行では、予定していた列車がすべて遅れるという、かなりの珍事に見舞われてしまいました。(こんなことじゃトラベルミステリーで犯人逃げられない…)そのうえ身延線や飯田線など、乗った路線でさまざまな変なコトに出くわすことに…。それゆえ、山岳線"奇行"となっております。


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