このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

催事場


もくじ
トラックコレクション  (1/150 トミーテック)
鉄道コレクション  (1/150 トミーテック)
箱根登山鉄道 1000形/モハ2形  (1/150 TOMIX/MODEMO)
街並みコレクション  (1/150 トミーテック)
カーコレクション  (1/150 トミーテック)
GM製品の魅力再発見−住宅  (1/150 グリーンマックス)
ボンネットバス「伊豆の踊子号」  (1/32 アリイ・オーナーズクラブ)
昭和情景博物館(都電の風景)  (1/150 ハピネットロビン)
ボンネット消防車(日野梯子車)  (1/150 バンダイ)
17m国電たち(クモハ12050、クモハ11400、クハ16500) (1/150 グリーンマックス)




トラックコレクション  (1/150 トミーテック)

 トミーテックの1/150スケールのトラックモデルは、2006年春現在トラックコレクションが第2弾までが発売になった他、トレーラトラックはトレーラコレクションとして別枠が用意されています。これは、上記コレクションのうち、日通トラックを並べて撮影したもの。すでに、これだけの車種、年式のトラックが製品化されています。そろそろ、ふそうトラックの製品化もお願いしたいところです。
 ちなみに、後の日通営業所は、街コレ第4弾の製品。鉄道貨物といえば日通ですので、中規模駅の貨物ホーム脇に営業所、引込み線に黒色の貨車を配置すれば、鉄道貨物全盛期の荷役シーンなども容易に再現できそうです。



日通トラック大集合。
左より、"いすゞギガ"(冷凍車)、"日野プロフィア"(後2軸車と前2軸車)、"日野HEトレーラー"(海上コンテナ)、
"日産ディーゼル サングレイト"、"日野ZM/TC"、"いすゞTX"。

 

鉄道コレクション  (1/150 トミーテック)

 2003年の"バスコレクション"に始まった、トミーテックの「〜コレ」シリーズ、街コレ、カーコレ、トラコレと順調にそのファミリーを増やしてきましたが、2005年も師走、ついに真打ちともいえる、"鉄道コレクション"が登場しました。ファンをくすぐる絶妙なネタ選び、また回を重ねる毎に向上するクオリティが嬉しい「〜コレ」ですが、鉄道車両の第一弾として選ばれたのは"鶴見臨港鉄道モハ100形"、"日本鉄道自動車製造の12m級小型車"、"名鉄デキ100"、"私鉄木造貨車ワフ・ト"以上の4種。鶴臨に4パターン、日鉄自に4パターン(シークレットカラー含む)、名鉄デキに2パターンのカラーバリエーションを展開した、計12両が今回の陣容です。ラインナップ詳細は 公式サイト を参照ください。
 鶴見臨港鉄道のモハ100は、ズバリの鶴臨仕様ではなく、同線国有化(→鶴見線)後、国鉄を経て各私鉄へ譲渡された後の姿が製品化されています。タネ車こそ同一車種ですが、譲渡までの車生の間に、また譲渡後に各社に合わせた改造が施されているため、乗務員室扉の有無やパンタグラフなど、車体細部において実車と異なる部分こそありますが、さほど違和感を感じないのは流石トミーの仕事です。近年は、「木を見て森を見ず」な製品が散見されますが、あっさりとしたディテールでも基本こそ抜かりなければここまでやれる、という事を魅せ付けた製品になったのではないでしょうか。

 今回の鉄道コレクション、ブラインドパッケージのディスプレイモデルでありながらも人気を博した理由として欠かせないのが、同時販売となった別売パーツと組み合わせる事で、「鉄道模型」として走らせることができる、という事です。従来、ブラインド販売の1/150モデルとしては、デフォルメモデルではありますがバンダイの"Bトレイン"が先鞭をつけていました。こちらも、鉄道模型として楽しめるように、動力や台車の別売を行っており、鉄コレはそれに続いた、ともいえますが、Bトレインでは、製品車種に比して別売動力台車のラインナップが貧弱で、車両にジャストな台車が選びにくく、デフォルメモデルということを考慮しても、不満は拭い切れないものでした。後続の鉄コレでは、鉄道模型としての発展性、を最大限に考慮した製品構成を採用。特に、親会社(TOMIX)の仕様に囚われず、鉄道模型完成品メーカーとしてはライバルともいえるKATOや、鉄道プラキットメーカー最大手GREEN MAXの豊富な部品との互換性を重視した構成(パンタグラフ取付穴・台車装着方法)になっているのは特筆事項でしょう。



鉄コレ第一弾、基本ラインナップ4種。
左より、"鶴臨モハ100形"、"日本鉄道自動車12m級小型車"、"名鉄デキ100"、"私鉄木造貨車ワフ・ト"

 上写真が、製品そのままの状態。パンタグラフこそ玩具然としていますが、車体や足回りは十分すぎる出来。「ディスプレイモデル」を前面に出した販売に、製品ままの車輪では、走行に不向きなのではと思いきや、スムースに転がるプラ車輪は十分走行に耐えそう、むしろ別売りの金属車輪よりか、このスポーク車輪の方が精密に見えて好印象にも思えます。これでスポークが抜けていたら神なのですが(笑)。トミーのプラ車輪、なんだか懐かしいですね。
 それぞれの車両に合った三種類の台車が用意されているのは嬉しいところ。特に、美しい曲線を描いた弓形イコライザの台車は注目です。上述の通り、台車の固定はKATOやGMでお馴染みのスナップ式を採用していますので、動力化で余った台車は大いに活用できそうです。吊り掛け私鉄電車の台車、以前はGM製の「日車D型」か「ブリル」の究極の二択を迫られていた(大袈裟)のも、今は昔です。
 別売となっている動力ユニットも注目の的です。従来は、安定した性能を誇る完成品の小型動力といえば、下コラムでも紹介したトミーのベルニナ動力くらいしかなく、(近年になり、路面電車界ではモデモ製品の動力ユニットが救世主として登場しましたが)腕のある諸氏は自作動力という技を披露されましたが、私含めて「動力化」が壁になって未完成に終わった経験のある方々も少なくなかったのではと思います。そんな中小型車両界に鳴り物入りでデビューしたのがこの、「鉄コレ Nゲージ動力ユニット」です。小型車両でネックとなる走行性能ですが、全4軸での集電と大きなフライホィール、そして輝かしいMADE IN JAPANによって期待以上の走行性能を実現してくれました。Bトレインでネックとなった台車も、台車枠選択方式、という従来までの常識を覆す構造を採用する事で、各種の台車に対応が可能となっており、今後の発展性を拡げています。今回は、車両に合わせ、12m級/15m級の2種類の動力ユニットが発売となりましたが、ホイールベースの変更も比較的容易に施行できそうな構造ですので、鉄コレ本来の目的以外にも、ガレージキットメーカー車両に自作車両にと、使い方もいろいろできそうです。



上田丸子電鉄、真田・傍陽(そえひ)線で活躍したモハ4255。

 早速、別売部品を装着してみましょう。これは、上田丸子電鉄モハ4250。4255、4256の2台が在籍し、1958年より真田傍陽線に仕事場を移し、1972年の同線廃止まで活躍しました。運転席側(車体左前側)のみに乗務員室扉を持っていたのが製品にもなった4255、4256は譲渡までの経歴の中でパンタ側が全室運転台に改造されており、パンタ側のみ左右両側に乗務員室が設けられています。
 製品の4255、前灯やベンチレーターがただのグレーではなくてブルーグレーに彩色してあるのは流石「〜コレ」、ツボを抑えてますね。
 パンタグラフは、KATOのPS14を選択しています。webや書籍上で見ることのできる、X字枠の大きなパンタグラフを載せた現役時代の4250型の姿。製品で、形態的に似ているのはPS14になりましょう、もう一回り大きいと実車のような迫力が出るのですけれど。
 同じく鉄コレの木造貨車を連結(製品のダミーカプラーでも、直線上であれば連結可能)させれば、気分は信州上田です。ほら、高原野菜を満載した貨車をぶら下げて、上田行き電車がやって来ましたよ...

 

左)銚子電鉄デハ301、デハ501  右)フリー(富井電鉄?)モ1032+モ1031

 右は、濡れ煎餅でお馴染みの銚子電鉄の2両。手前のデハ501は、近江鉄道のクハ23として1946年に誕生した日本鉄道自動車製の制御車で、その後僚友クハ25と共に上田丸子電鉄に移籍、電装されモハ2321として主に丸子線で使用されました。同線廃止後は銚子電鉄に譲渡されデハ501として再々スタートを切りました。山を降りて海岸線へとやって来た501号、短い12m車体ながら4モーターの強力電動車という性能を生かして、ラッシュ時には無動のデハ101を、デハ301と挟んだ3両編成での運行などに力を発揮しました。その後、1978年に近江鉄道からデハ701・702が、1986年に伊予鉄道から大型車デハ801号がやってきてからは、輸送力に比して消費電力が大きいことがネックとなって、営業に出ることも次第に少なくなってゆき、晩年は仲ノ町で昼寝の毎日だったようです。鉄コレ第一弾では、上田交通丸子線モハ2321(一枚目写真左から2番目)、銚子電鉄デハ501両車の姿が製品化されたのに加え、銚子電鉄へ譲渡直後のアイボリー車体に窓周りが朱色の初期塗装Ver.がシークレットとして加えられており、同一車両の三態がモデル化されるという、なかなか憎いラインナップになっています。
 製品の印象ですが、塗装が銚子電鉄としては彩度が高すぎるのが残念なところです。銚子らしさを少しでも強めるために、行先板を製作して貼り付けてみましたが如何でしょう。サボがつくと生き生きして見えますね。
 奥のデハ301は、元鶴見臨港鉄道のモハ105で、国鉄鶴見線を経て1951年に銚子電鉄へ譲渡されました。銚子入りの際には、他車と併せてポール集電へと変更、後にビューゲルに変更され、1990年にようやくパンタグラフに復しました。デハ301には乗務員扉がなく、通常の扉間の二段窓が両端にも設置されていたり、尾灯が右側一灯であったりと、製品と異なる部分も散見されますが、製品の特性を考えれば、作り分けを求めるのは酷ですね。バスコレ同様、このシリーズを育てる事が、金型数を増やす道でしょう。こちらにもデハ501と同じく、行先板を貼り付けてみました。パンタグラフはPS13を搭載しましたが、デハ301には、やはりビューゲルを付けたいものですね。

 そして、右写真の2両は、特にプロトタイプを設定していないフリータイプ。なのですが、ブラウン/アイボリーの二色塗りの車体は、実在していた、と言われれば納得してしまうほどにリアルです。このフリー形で笑ってしまうのが表記類で、鶴臨タイプの15m車がモ1031、そう「トミー」なんです。日鉄自の12m車には続番の1032が入れられています。また、私鉄でよく目にする社名標ですが、これも丸の中にTMYの3文字を上手くデザインしたものが車体に表記されているのも嬉しい配慮です。このような表記が加わったことで、グッとリアル感が増してきます。
 さらに、日鉄自の方は、車体がこのカラーのみ独自の仕様になっているのは注目で、両端先頭が非貫通、さらに中央窓を除いた左右前面窓がHゴム押え仕様になっており、良いアクセントになっています。車体は北陸鉄道の1000形/3000形、塗装は東濃鉄道といった雰囲気でしょうか。そのHゴム、 製品ままではモールドのみで随分と控えめな感じ、折角なので色刺しはやってみたいところです。そこで目立つように黒色に塗ってみましたが、黒よりも、つや消しグレーあたりが一番しっくりきそうです。(2005.12記)



箱根登山鉄道 1000形/モハ2形(1/150 TOMIX/MODEMO)

 江ノ電とは、同じ小田急グループという接点がある、箱根登山鉄道。「日本唯一の登山鉄道」の謳い文句の通り、本邦では唯一無二の本格的な登山鉄道。80‰という勾配は、車輪の粘着力だけで登坂する鉄道の中では最も急勾配。自動車の登山道はワインディングロードによって斜面を登っていくわけですが、小回りの効きにくい鉄道ではその代わりに「スイッチバック」という方法を用いる事で斜面に挑む事になります。箱根登山鉄道では、登山鉄道の特徴ともいえる、そのスイッチバックを3箇所有しています。また、小回りが効きにくいと言えども、最小曲線半径30mという江ノ電顔負けの急カーブも存在。江ノ電では、その急カーブに置ける車両間通行を可能とするために連接構造をとっていますが、箱根登山鉄道は、全車ボギー車であり、貫通路はあくまでも「非常用」という位置付けになっています。
 今回は、約20年前に登場した、箱根登山鉄道の模型としてはベテラン選手のトミックス製の1000形ベルニナ号と、近年発売となったモデモ製のモハ2型について、個人的雑感を書かせていただきます。

 鉄道模型では、TOMIXが従来より1000形ベルニナ号をリリースしており、模型の世界でも急勾配走行を楽しめるようにと、大変にトルクのある動力が新規設計の上で採用され、たいへん注目されました。また、当時では数少ない完成型の小型車用動力でもあり、近年まで、小型車キットの動力といえばベルニナ動力、という公式が成り立つほどでした。



ベルニナ号と、モハ2型旧塗装

 そのベルニナ号、名称の由来はスイスの姉妹提携関係である登山鉄道、「ベルニナ鉄道(→現:レーティシェ鉄道)」から命名され、関西私鉄を彷彿とする木目調の内装板に転換クロスシートを備えた高級感溢れる車内と、当時のロマンスカーのテーマカラーであるオレンジにホワイトを組み合わせた爽やかな塗装で登場しました。1987年、4代目ロマンスカーHiSE車が登場すると、それに合わせたアイボリー/ピンクの塗装に変更されました。その後、レーティシェ鉄道を模倣したシルバー/レッド塗装への変更、2000型を中間に組込み3連化ならびに冷房化が行われましたが、この工事と同時に車内は固定クロスシートにネジ頭がむき出しの白壁の車内に改造されてしまい、高級感が薄れてしまったのは残念です。

 さて、TOMIXのベルニナ号ですが、設計が80年代と旧製品の部類ながらも、メリハリの利いたディテルや、安定した動力性能などは現在でも十分通用するレベルの製品です。ただ、HiSE塗装の製品では、赤塗装の上からアイボリーを印刷表現しているために下地が透けてしまっています。そこで、赤部分をマスキングして、上からGMの小田急アイボリーを吹き付けてみました。これだけで随分と見栄えが向上します。またボデーを分解したついでに、塗装されていない前灯周りや前面窓柱にブラックを、床下水タンク部分に赤を、側ドア窓押さえにシルバーを色差し。側ドア窓のシルバーの色差しは、窓周りが黒いHiSE塗装では特に効果的です。

 そして、左はモデモから2005年に発売となった、モハ2型青塗装。2004年、先行して現行塗装仕様の製品が発売されていましたが、今回は、実車(108号)が旧塗装に復元されたのを機会に製品化。モデルも、旧塗装をまとった現行仕様、とされ、下枠交差型のパンタにカルダン駆動の台車で製品化されています。製品は2両セットでの発売となりましたが、旧塗装に復元されたのは108号車1両だけですので、旧塗装2両編成は夢の共演となります。
 モデモでは、先に1/80スケールでモハ2型を製品化しており、車体はそつなく仕上がっています。モデモ製の小型車シリーズでは珍しく、前灯の点灯化(各車片側エンドのみ)を実現しているのも特記すべき事項でしょう。ただ、両端の点灯エンドは、ライトユニットが室内を占有するため、乗務員室仕切りが省略されています。ライトの点灯か、乗務員室の表現か、なかなか難しいところですが、今回の製品は両運転台車両であり、どっちを先頭に立たせるかは、皆様のお好きな方をどうぞ。
 個人的に残念だったのは、台車のディテールです。モデモの製品は、江ノ電500形をはじめ、彫りの深い精密な台車が多かっただけに、今回の台車のディテールはあまりにお粗末です。登山電車は「足」が命なだけに、この立体感にかける台車はいただけません。下に比較写真を載せましたが、20年ちかく前のトミックスの台車のほうが、断然良く出来ています。



台車のアップ

 また、前サボが白黒印刷の説明書をカットして使うというのは...ここはGMさんのステッカーを用いて、レベルアップを図りましょう。GMクロスポイント各店で、別売シールが入手できると思います。
 その他、加工したいところとして、連結器の電連カット。製品は他車とのパーツ共通化のため、電気連結器のついた密着連結器を装備していますが、箱根登山鉄道の車両は小さな密着連結器がポイント。電連カット後も、連結機能に支障はありませんので、気軽にどうぞ。また、カットのするしないに関わらず、連結器パーツ同士のハマりが緩いので、連結開放時は紛失しないように丁寧な扱いを心がけてください。
 いろいろと文句を書きたててしまいましたが、これもモデモさんへの期待が大きいからでして。今後は、大型パンタにスイス製のメカニカルな板台枠の台車を履いたモハ2型懐かしの姿や、現在も吊り掛け駆動に木造車内で残るモハ1型の製品化など、江ノ電製品に負けず劣らずの車種展開を希望します。 (2005.9記)



街並みコレクション(1/150 トミーテック)

 トミーテックの〜コレクションシリーズとして、バスコレに次いで登場したのが、この"街並みコレクション"です。
 鉄道模型ストラクチャーというと、今まではトミックスとカトーの2社からの完成品が主流でしたが、設定年代としては昭和末期〜現在あたりに建築された建物が中心で、また数を買い揃えるには種類、価格の両方面から厳しいものでした。従来までは、それらに満足できない顧客層はグリーンマックスから発売されているストラクチャーシリーズのキットを各自味付けして組み立てたり、腕に自身のある方々はフルスクラッチで、その隙間を穴埋めをするという選択肢に限られていました。しかし、キットでは素組みで形にするまででもある程度の時間は必要であること、完成品ラッシュの現在にあって「工作」自体が敬遠されるようになってしまったことで、その販売数は思わしく無いようです。(個人的には、これらのストラクチャーシリーズは、完成品ストラクチャーに負けない素性を持っていると思っていますが)
 結果として、誰のジオラマの駅前にも、必ず同じ色形の建物が並んでしまう、といった状態を生じることになり、それでは面白くない。工作時間は無いが種類と数は揃えたい、そんな顧客の要望に応える製品が、この"街並みコレクション"でした。緻密に彩色が施された半完成品にもかかわらず、ブラインドパッケージ売り切り販売法を採用する事で、一軒300円台に抑えた価格設定が大きなポイントとなりましたが、それ以上に看板建築や文化住宅、長屋、医院建築、郵便局、写真館など数々の建築物を、その魅力をあますことなくモデル化したことが一番の売りでしょう。純粋な日本家屋だけが日本の建築ではない、という事をアピールしてくれるようなラインナップで、開発担当者の入れっぷりがひしひしと感じられます。特に、同封の解説書は必読です。私も、このシリーズの登場によって街を歩く際の着眼点が変わりました。
 第一弾は商店編、第二弾は住宅編、そして2005年春に発売となった第三弾は横丁編です。着実にクオリティーは上がっており、今回は遂に内装までも再現。外から見えづらい一般家屋やオフィスビルでは気にならない内装ですが、商店街の店先などはいままで再現に最も困っていたところで、そこを狙ったところは賞賛すべき点でしょう。しかもその作り込みは、半端なものではなく、パン屋のケース内にはパンが陳列され、八百屋の奥の棚にはメロンが並び、肉屋のガラスケースの上には秤が置かれ、喫茶店にはビニル革のソファ、魚屋には青バケツに青魚の入ったトロ箱...ここでは語り尽くせないほどの作り込みで、屋根を外さなければ見えない所も...そこまでやるか、といった内容です。
 付属の道路(これも小物が盛り沢山)をあわせて並べると、私鉄沿線の中小駅前商店街、といった雰囲気ですね。



街コレ第3弾「横丁編」

 このカットでは、その隅々までは見る事が出来ませんが、一部でも感じ取っていただけたらと思います。同時発売となったカーコレ第2弾(80年台前半編)を並べてみました。



私鉄沿線


 卓上に並べただけで、この臨場感。人形をたくさん置いて、賑やかな商店街にしたくなりますね。これまた同時販売のカーコレHG(ハイグレード:座席まで再現、そこまでしなくてもという感じですが。)のグロリアタクシー、カーコレ第一弾を置いてみました。カーコレも、GMのステッカーなどを用いてナンバープレートをつけてみると、より生き生きして見えますね。(2005.4記)



こちらは第2弾 住宅篇




第5弾は、大型建築篇。


 今回の5弾で一旦打ち止め(時代設定変更)の噂もある街並みコレクション、最後は採算にこだわらずに好きなようにやらせてもらおう、と言ったかは定かではありませんが(笑)建物の大きさも価格も大きくボリュームアップ。いわゆる箱買いコレクターの購入数を加味してか、従来とは種類・カラーバリエーションが整理されて、消防署・銭湯・駅前旅館・ビル・映画館(×2)・銀行(×2)の計6種類8個で一箱の構成です。

 お気付きのとおり、「ビル」は銀座数寄屋橋交差点のSaneiビルをタイプにしたもの。消防署は、旧・小石川消防署あたりがモデルになっているようです。同封の説明書通りに、ピカピカの消防車を並べて撮ってみたのが上の写真。TXポンプ車はトラコレ、グロリア消防指揮車はカーコレの製品です。艶消しだったTXにはクリアーを吹き付けて、いつも綺麗に磨かれた消防車の雰囲気を再現してみました。はしご車については こちら を参照。この組み合わせだと、TXは2つ目が似合いそうですがシークレットでしたね(笑)。駅前旅館は、今にもトランクを抱えて寅さんが出てきそうな雰囲気です。今では大衆娯楽の多様化、シネコンの台頭ですっかり影の薄くなってしまった映画館も、昔は多くの街にあったものです。銀行は、奇しくもKATOのストラクチャー新製品とバッティングしたものの、KATOの県庁所在地級の大都市の大通りにそびえたつような重厚な建物とは異なり、こちらは中小都市が、大都市の銀行を精一杯の背伸びをして作ったような建物であり、適材適所に使い分けると良いでしょう。
 毎度のことながら、どの建物をとっても、従来まで穴になっていたものばかりで、個人的には製品化に踏み切った街コレ開発陣に大拍手です。(2006.4.15記)


カーコレクション第一弾(1/150 トミーテック)

 トミーテックの"バスコレ"の派生品ともいえるこのシリーズが、ここで紹介する"カーコレクション"です。1/150サイズの国産車は、従来までTOMIXとKAT0から数車種が出ていたのみで、鉄道模型車両の製品数と比べると、あまりにもお粗末なラインナップでした。特に、ヒストリックカーの類は、モデルプランニングが発売しているメタル製の数車種のみでした。(TOMIXのセドリック、KATOのクラウンは、気づいたらヒストリックカーの仲間入りしていた、という息の長い製品)
 そんな、空白だらけの同スケール乗用車の市場を狙って誕生したのが、このシリーズです。バスコレのヒットが、この企画を登場させた事は間違いありません。バスとは異なり、カラーバリエーションでの展開が難しいと思われた乗用車ですが、このシリーズは、主要なカタログカラー2台にもう一台加えた、同車種3台セットとしたのが特徴。その、もう1台というのがキーで、これはタクシーや消防指揮車、パトカーなども含まれており、これらを揃えたいコレクターは必然的に箱買いとなるわけで、これが販売個数の確保、すなわち高品質低価格(一箱360円、1台あたり120円)を実現させるポイントになっているわけです。製品のクオリティーの高さは、このスケールでは世界一と言ってよい出来で、トミーテックの設計技術と、中国の量産技術には感服します。



カーコレクション第一弾


 第一弾は、昭和30年代の照準を置き、ご覧のグロリア、コロナ、ブルーバード、セドリックの4車種を製品化しています。小指頭大のサイズでありながら、前尾灯、窓枠やサイドモール、そして車名ロゴまで色入れされており、これ以上のディテールアップはないレベルにまで達した逸品です。
 引き続き、第2弾(80年代編)が予告、そして、またバスコレ、カーコレの兄弟編としてトラックコレクションも予告されており、いずれも息の長いシリーズに育っていっていただきたいものです。 (2005.1記)

 前述したカーコレクションのコロナを用いて、小田急タクシーを作ってみました。小田急タクシーの灰色と朱色のツートン、そのカラーのモデルとなったロマンスカー亡き現在も、このカラーが続いていますが、洗練された塗装故でしょう。
 塗り替えにあたり、1台シンナープール漬けしたのですが、車体表面を溶解させるような事はなかったものの、その質を脆弱化させてしまうようで、Aピラーを折ってしまいました。何とか瞬着で治しましたが、これに懲りて、もう一台は塗膜の剥離はせずに、そのまま上塗りしました。塗装は、帯色を初めに塗る、暗い色はなるべく後回し、という定石に従って、白、オレンジ、グレーの順に塗装、車紋の"<"も帯と共にマスキングして再現しています。このレベルの帯幅のマスキングともなると、mm単位を超越しているので、マスキングテープは目測で切り出すのがイチバンです。
 車体塗装が済んだら、各部にシルバーを刺し、0.5mm角棒を用いた行燈を接着した後にスーパークリヤーを吹いて完成です。奥が、塗装剥離したもの、手前が上塗りしたものですが、剥離せずともディテールが埋まってしまうと言う事は無さそうです。ディテールの生き死は、むしろ再塗装時の塗膜の厚さによりそうで、このサイズともなると、やはり缶スプレーではなくエアブラシが適任でしょう。剥離には、グンゼの薄め液ではなく、IPAが良いと思いますが、あえて剥離という余計な工程を踏む必要は無いでしょう。私は、ディテールよりも塗料の食い付きを心配して剥離したのですが、上塗りでも食い付きは良好でした。(2005.1記)



コロナタクシー小田急電鉄仕様



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