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落書き帳
12年4月15日
アレルギー性鼻炎
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「アレルギー性鼻炎」に、わたしは、小さな頃から悩まされてきた。
年中、毎日、毎食後、鼻炎の薬を飲んだ。
「その副作用で、背丈が伸びないのでは?」
思春期に、勝手に、決めつけていた。
症状は、鼻で息が出来ないくらい、ひどかった。
結局、高校3年生まで、薬を飲み続けた。
小学校高学年の夏休み。大阪と北九州を結ぶフェリーに乗ったとき、
わたしは、ある、医学的な発見をした。(たいした事では、ないが・・)
その年の夏休みは、母と妹が、先に新幹線で帰省。父は、仕事の都合で、
会社で用事を済ましてから、フェリーで帰省だった。
わたしは、新幹線よりフェリーの方が好きだったので、父と一緒だった。
父とフェリーターミナルに到着した時、すでに乗船開始が始まっており、
わたしが乗船した時点で、船室は満員。「2等」の客で船内はごった返し。
ゲームセンター、ラウンジも仮設「2等船室」になっていた。
それでも、裁ききれず、なんと、通路にもシーツと毛布が敷かれていた。
2等客の父とわたしは、毛布と枕を手に、
寝るスペースを探し、船内をさまよい歩いた。
しかし、どこも空いていなかった。
結局、外(甲板)で、寝ることになった。
1枚の毛布を甲板に敷き、その上に、
わたしと父は添い寝。もう1枚の毛布に
2人でくるまった。
「野宿」ならぬ「海宿?」である。
まだ、明石海峡大橋もない時代の話だ。
しばらく、甲板で横になっていたら、ひどい鼻詰まりが、治った。
信じられなかった。鼻で呼吸できた。
ところが、翌朝、九州に到着し、船を降りると、鼻が詰まりだした。
わたしは、「海上では、鼻詰まりが、治まる」という発見した。
耳鼻科医師に、聞いたところ、「海風は、鼻に良い」そうである。
わたしが、静岡の船の専門学校に行ってから、数ヶ月で、
アレルギー性鼻炎は、自然に治った。
薬の力ではなく、海風の力で、完治した。
わたしは、「母なる海」に、感謝している。
父と添い寝したのは、甲板で毛布にくるまり寝た、あの夜が最後だ。
あの夜、瀬戸内海で、生まれて初めて「天の川」・「流れ星」を見た。
そして、まだ、建設途中の「瀬戸大橋」の下を潜った。
船が変針すれば、天球が廻る。無数の星空の下で、夜を明かした。
ある意味、最上級の特等船室で、寝るよりも、贅沢な船旅である。
朝、目が覚めると、一晩中、海風にさらされていたので、
お互い、顔や腕には、塩が吹いていた(伯方の塩かもしれない)。
今、思えば「一生で数えられるほどしかない、幸せな時間」
だった、かもしれない。
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