このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
4時半、私は寝不足の体を引きずりサドルに跨った。 ちるどれんの家での待ち合わせは5時。 誰もいない北大構内を軽快に飛ばしてゆく。 まだ冷たい街の空気が、寝ぼけた体に効く。 ちるどれん宅に着く頃には、眠気は醒めていた。 ちるどれんと合流し、朝日を浴びながら東を目指す。 そういえば今回の旅はひたすら東を目指す旅。 ということは毎朝朝日に向かって走れるわけだ。 何とも清々しいではないか。 そんな清々しさをよそに、我々は体中の痛みと戦っていた。 うーむ、昨日摂取したアルコールが抜け切っていないらしい。 悲惨な出だしである。 信号を避け、白石サイクリングロードに入る。 このサイクリングロードは千歳線旧線の廃線跡を利用している。 つまり 以前探索した区間 の延長上である。 結構なペースで札幌市東部を抜け、国道274号線に出た。 そこで遂に恐れていた雨が降ってきた。 札幌市の端。 霧のように降り注ぐ雨。 我々は千歳線(新線)のガード下で、荷物にビニールを被せ始めた。 着替えや寝袋が濡れたりしたら大変だ。 私は大きなゴミ袋でサドルとサイドバック二つと寝袋をスッポリ包んだ。 一方ちるどれんは中型の袋でバックを一つ一つを包んだ。 密閉性においてはちるどれんの方が上である。 この違いが後になって、私の荷物に大きな影響を及ぼすとは、今は夢にも思わなかったのである。 さて、霧雨の中、再出発する。 6時12分、札幌市を抜け、北広島市に突入。 今回の旅では、通った市町村のカントリーサインは可能な限り撮影することにする。 これから向かう東の空はどこまでも乳白色の霧。 激しい雨ではないが、空気中の水分は飽和状態をとうに越しており、服が瞬く間にじんわり湿ってくる。 乾きやすい生地の服(私はチャリダーシャツと呼んでいる)を着ておけば良かったと後悔した。 しかし、これからどんなに雨足が強まるか分からない。 その時までチャリダーシャツはバッグの中で温存しておこう。 6時48分、長沼町に入る。 ここからは石狩平野の田畑の中をひたすら直進する区間。 馬追丘陵越えまでの10kmもの間、同じような景色を眺めながら漕ぐことになる。 長い直線を見ると急ぎたくなるが、マイペースに進もう。 まだ朝早い。 急ぐ必要はあるまい。 アルコール性の体の痛みもいつの間にか消えていた。 コンビニに寄って、食料を調達し、7時56分、道の駅「マオイの丘公園」に到着。 雨宿りをしながら休憩をとる。 ここが石狩平野の縁、つまり馬追丘陵の入口にあたる。 今までの単調な道のりに、多少のアップダウンが加わることになる。 雨も若干弱まってきた。 出発だ。 8時50分、千歳市に入る。 千歳市といっても端をかすめる程度。 そして馬追丘陵の真っ只中。 緩やかなアップダウンがあり、気持ち良い。 ああ、雨さえ降っていなければ・・・。 8時54分、由仁町に入る。 千歳市の滞在時間はたったの4分であった。 由仁に入ってからは逆風に随分と苦しめられた。 チャリダーにとって、上り坂以上に体力を奪うのが逆風である。 遮る物のない大農場地帯をひぃひぃ漕いでいく。 10時24分、JR石勝線の川端駅に到着。 駅舎をちょっと借りて休憩。 そういえば、以前夕張ツーリングに出かけた際にも休憩場所として利用させていただいた。 比較的広い駅舎で、ベンチが設置してあり、しかも利用者が少ないので休むのには最適である。 ここで、べちゃべちゃになったシャツに見切りをつけ、チャリダーシャツを着込む。 さぁ、夕張へ!! 新たなシャツを着込み、気持ちを切り替え進む。 そして10時33分、栗山町に入る。 これより先は夕張川の谷を縫うように進む山間部。 アップダウンが増えるうえに、道幅も狭くなるので、気を引き締めなくてはならない。 10時56分、夕張市に突入。 今走っている国道274号線は札幌から十勝・釧路圏への最短ルート。 それ故大型トラックなどが行き交い、すれ違うたびに神経がすり減らされる。 ちょうどこの辺りは、路側帯も狭いので尚更だ。 自動車に追い立てられるように進む。 12時2分、石勝線の新夕張駅に到着。 え?何をするために駅に来たかって…? え…ええ、魔法を使うためですよ、はい。 この先は路側帯がないに等しい山道でして…。 非常に危険なので…、ちょっとワープさせていただくとします。 つまり。 輪行。 このまま国道274号線を進むと、樹海ロード、日勝峠というチャリダーにとっては危険極まりない道に突入することになる。 そこで我々は2駅先のトマム駅まで輪行し、危険地帯を迂回することにしたのである。 トマムから、狩勝峠という別の峠を使って十勝入りしたいと思う。 …まぁ4番打者を敬遠し、5番と勝負みたいな感じです。 新夕張駅から特急とかちに乗り込み、一路トマムへ。 うーむ。 車内ではチャリが邪魔だな…。 |
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