このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

国道5号線旧隧道群 笠岩地区


国道5号線は道内重要国道として、道都札幌と南の港町函館を結んでいる。
全体的に良く整備されており、走りやすいが、一部やや狭いトンネルが存在している。
そこは険しい海岸が続く、小樽市の塩谷、蘭島地区。
昭和中期生まれのトンネルが3本が海側に迫り出した岩塊を貫いている。
その名を札幌側から塩谷隧道、笠岩トンネル、桃内トンネル。
そして、それらの傍らには半世紀程前に現役を退いた旧隧道たち。
資料が全くなく、謎の多い隧道たちをチームBBJがくぐった。


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① 小樽市塩谷


あの SSP(Sound Schedul● Project) から約4ヶ月。
天空開発とちるどれんは再び小樽の地を踏んだ。
今回はチャリ、しかも小樽市街を通り越し、市の西部まで漕いできたのである。

札幌市街からずっと4車線だった国道5号線が2車線に変わる所が塩谷集落である。
樺山と丸山に挟まれた塩谷の広い谷を下ってゆくと、目の前に日本海が現われる。
国道が海と寄り添うと、すぐに南側から山が迫ってきて、トンネルが現われる。
塩谷隧道である。
この付近にあるトンネルは皆、トンネルと名付けられているが、ここだけは隧道である。
塩谷隧道の完成が昭和35年と、古いことが理由なのだろうか。

詳しいことは分からないが、ここには旧道があるはずだ。
踏み込んでみよう。



 
② 塩谷の旧道(?)


国道から海側に向かって、旧道らしき細い道がヒョロリと伸びている。
旧国道という確信はないが、塩谷隧道の海側を迂回していそうなので踏み込んでみたのだ。
この道はペンション風の建物の脇を抜けると、すぐに行き止まりになった。


行き止まりの先には砂浜が広がっていた。
崩壊の可能性も考えたが、土砂などが見られないため、その仮説は打ち消した。
この道が旧道でないとすると、一体どこに旧道はあるのか。
引退から既に40年以上経っているので、痕跡さえかき消されてしまっていたのか。
こちら側からの発見は難しいと考え、我々は一旦塩谷隧道をくぐり、余市側から探索することに決めた。



 
③ 塩谷隧道


塩谷隧道の小樽側坑口。
北海道の大幹線にしては、やや狭めの断面。
高さ制限の仰々しさなど、北海道の一大幹線国道には似つかわしい。
いや、この大げさなまでの警告こそが一級国道らしさであるのだが・・・・・・。
歩道も狭いトンネルに突入する。


この隧道は途中、左にカーブしており、そこを境に断面も広くなっている。
上の写真は振り返り、小樽方面を写したものである。
このカーブ、そして広さの変化は不自然である。
まるで二つのトンネルを強引に繋げたような・・・・・・。
そこで謎が解けた。

この塩谷隧道の小樽側は旧道隧道を拡張しただけのものではないだろうか。
つまり、もともと旧道はこの地点でカーブせずに真っ直ぐ海岸線に沿っていた。
しかし、線形改良時にこの地点から余市側は廃され、新トンネルと接合されたのだ。
現代ならば、完全に独立した新トンネルを建設するが、この隧道の建設された時代を考えれば、間借りしたのも頷ける。
道理で小樽側の地表に旧道跡が見当たらないはずだ。
塩谷隧道こそが旧国道のルートであったのだから。

謎が解け、我々は気分良く隧道を抜けた。
国道は間髪入れずに笠岩トンネルに入る。
しかし、その僅かな明かり部分にソレは口をポッカリと開けていた。













うおっ!!!!



次回は旧塩谷隧道!!
その驚くべき姿に、天空開発、ちるどれんは腰を抜かす!!!!
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