③ 塩谷隧道

塩谷隧道の小樽側坑口。北海道の大幹線にしては、やや狭めの断面。高さ制限の仰々しさなど、北海道の一大幹線国道には似つかわしい。いや、この大げさなまでの警告こそが一級国道らしさであるのだが・・・・・・。歩道も狭いトンネルに突入する。

この隧道は途中、左にカーブしており、そこを境に断面も広くなっている。上の写真は振り返り、小樽方面を写したものである。このカーブ、そして広さの変化は不自然である。まるで二つのトンネルを強引に繋げたような・・・・・・。そこで謎が解けた。
この塩谷隧道の小樽側は旧道隧道を拡張しただけのものではないだろうか。つまり、もともと旧道はこの地点でカーブせずに真っ直ぐ海岸線に沿っていた。しかし、線形改良時にこの地点から余市側は廃され、新トンネルと接合されたのだ。現代ならば、完全に独立した新トンネルを建設するが、この隧道の建設された時代を考えれば、間借りしたのも頷ける。道理で小樽側の地表に旧道跡が見当たらないはずだ。塩谷隧道こそが旧国道のルートであったのだから。
謎が解け、我々は気分良く隧道を抜けた。国道は間髪入れずに笠岩トンネルに入る。しかし、その僅かな明かり部分にソレは口をポッカリと開けていた。

うおっ!!!!
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