⑤ 崩壊の明かり部

明かり部分は傾斜した土砂地帯で、斜面はそのまま日本海へと落ち込んでいる。足を滑らせたら真っ逆さまだが、草が多くその危険性は薄い。傾斜面をゆっくりと慎重に越えていく。

山側の断崖を見上げる。このいかにも砂っぽい崖は凝灰質砂岩によるものである。地学を習っていた私にはお馴染みになった地層である。

視線を日本海の方へ向けると、奇岩がニョッキリと生えている。ここ一帯の由来ともなった笠岩である。確かに笠のような形をしている。それにしても、この岩をこんなに間近で見られるのはここだけなのではないか。このビューポイントを生み出したのが土砂崩れとは皮肉なものである。

振り返り、今くぐってきた隧道を撮影。それにしても薄い壁である。現在では考えられない程、恐ろしいまでうっすい壁だ。その上にあんなにゴッツイ岩が乗っかっていると考えると恐ろしい・・・・・・。

そして正面には第二の隧道。造りは先ほどの隧道と同じで、やはりもともと一本であった可能性が濃厚だ。さて突入だ。
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