このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
最初の目的地、川上駅は国道沿いにある。 しばれフェスティバル が開催された陸別町である。 国道沿いながら、周囲には鬱蒼とした針葉樹が広がっており、人の営みは全く存在しない。 そんな気温も雰囲気も寒々とした森の中、年季が入った駅舎が数少ない訪問者を待ち受けていた。 壁が半分しか塗り替えられていないのは単に予算オーバーだからか。 誰もいないホームに立ってみても、汽車(電車じゃないし、列車でもない)はやってこない。 時折聴こえるのは目の前の国道を行き交う自動車から発せられる騒音だ。 冬、雪がこの駅を覆えば、全ての音はかき消されてしまうのか。 しんしん しんしん 今年の冬、雪が降っても除雪してくれる者さえいなくなる。 |
川上駅から2駅分南下すると、足寄町に入る。 そして町道沿い、突如として現れるこのボロボロの小屋が薫別駅である。 先程の川上駅とは比べ物にならない程簡素な造りだ。 しかし、こんな農作業小屋のような待合室の中には北海道一とも言うべき素晴らしい物件が眠っている。 どうだろう、このベンチ。 一本一本を見れば歪な木が、絶妙に組み合わさり、職人芸の域まで達している。 派手ではないが、非常に味わい深い素朴なベンチ。 小屋は粗末だが、それが逆にベンチとマッチしている。 あまりに素敵な出来なので、何だか座るのが申し訳なかった。 ベンチとはうってかわって、ベコベコのボロホーム。 確かにベンチもボロかったが、ある種の強さというものを感じさせた。 このホームにはそれがない。 我々が乗ると、べコベコと凹み、今にも抜けてしまいそうだった。 これでよく何度も越冬してきたものである。 |
国道から少し入った所にあるのが笹森駅。 名前のとおり、ホームと線路がある以外は笹と木が生い茂る森である。 国道からは比較的近いのだが、それを感じさせないほど静寂に包まれている。 この日の天気がぐずついていたこともあるだろうが、非常に陰鬱な雰囲気だ。 zwiebelの愛車が見えるが、そこが草生え放題の駅前パーキング。 そこから国道へと伸びるメインストリートは頼りない砂利道だ。 奥に見える不気味な小屋が、この駅の雰囲気を引き立てている。 心霊スポットになってもおかしくないような駅だ。 廃止されたら、地元民も近寄らないようなスポットになりそうである。 |
笹森駅の凄かったが、塩幌駅のメインストリートはもっと凄まじい。 路肩が脆く、ギリギリ一車線幅の砂利道をそろそろと下るをホームが見えてくる。 駅前の広場は割と広いが、自転車置き場は半壊している。 誰も使わないから良いのだろうか。 周囲はこれまた人の気配を微塵も感じさせない廃牧場。 そんな無人地帯をヒョロヒョロとしたレールが二本真っ直ぐと伸びているのだが、その上を走る箱の中もほとんど無人に近いのだろう。 さらに南下すると足寄駅。 そろそろ人が恋しくなってきた。 |
最後に足寄町の中心、足寄駅を紹介しよう。 さすがこの辺りの中心地だけあって、立派な駅舎だ。 とは言っても、駅は「道の駅あしょろ」を間借りしているような状態で、ここでもモータリゼーションを見せ付けられることになる。 久々に見る町並み。 道の駅の展望台から見下ろした。 真っ直ぐに南へ伸びている二本の線、すなわち国道と銀河線。 これからは一本のみになるのだと考えると涙が・・・。 さよなら、銀河線 |
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