このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
明石酒造(株) 宮崎県えびの市
(2012.06.13)
そうそう。
明石酒造
さんの代表銘柄“
明月
”の5合瓶って、昔はこういうラベルだったのだよ。
私が学生の頃はこのラベルの明月焼酎がコンビニや酒屋に並んでいました。当時、大学近くにあったコンビニに並んでいたのは“霧島”はもちろん、“日向木挽”、“松の露”・・・と5合瓶でもきれいな色遣いの物ばかり。その中にこのモノトーンというか、素朴なラベルの焼酎が並んでいたのですから(そういえば、串間の“松露”の5合瓶も当時はこんな色調のラベルだったよな・・・)逆に目立つ(笑)。米焼酎とのブレンドがなされていたからか、甘藷製の他の焼酎からすると奥深さを強く感じ、それが私の嗜好と良く合う。ちょくちょく買っていましたね。
いつの頃だったか、イメージ一新を目的に蔵元がラベルの意匠を1升瓶と統一。私の飲酎人生においては統一後のラベルに接する機会の方が長くなってしまった。正直申し上げると、ラベルの統一があった頃、この刷新を歓迎していたのだ。単純に1升瓶のラベルの方が好きだったと言うだけなのだが、今となってみてはその“純朴”さが良い味を出していたと思う。黒基調の格子模様を背景に角の取れた金色の四角形が酒銘を囲む。さて、何をモチーフに・・・と考えてみるのだが、私の直感として『格子模様は障子そのもの。明かり取りから入り込む望月の光』ぢゃないのかな?と思ってしまいます(明石酒造さん。いかがでやんしょ?)。
さて、回想はこれまで。平成24年の5月の連休に時間軸を戻したいと思いますが、近くのスーパーに乾麺(ぼちぼち宮崎も暑くなっておりまして、この連休中には高鍋町で30度を超えたりしたのですよ。当然、冷たいお蕎麦など食べたくなりますよね)を買いに行ったのですが、その店内に間借りしている酒店でこの透明な瓶を発見したのです。
懐かしくて手に取りましたよ。復刻版と銘打たれており、当時の5合瓶のラベルを用いた4合瓶(1,000円)。手頃でしたので、そのままお買い上げです。帰宅後、観察をしてみましたが、度数は25度なのですね。今でこそ、20度の商品も出回っていますが、明石酒造さんがあるえびの市は人吉地域が近く、また旧島津家の影響も強かったことから25度の焼酎を嗜む地域。地域性を反映させたということでしょうか。観察を続けますが、原料表記を見てみますと、ただ「甘藷、米こうじ」となっているのですよ。米焼酎を加えるようになったのは消費者の嗜好の変化を反映しての事でしょうから、時代を遡っていけば当然ながらこのような“あり様”に帰結するのは当然でしょう。透明な瓶はかつての白瓶をイメージしたのでしょうか。
味わいについてはただただ「美味い!」の一言です。甘藷、つまりはコガネセンガンのほくほくとした感じが直球で伝わってきます。このような焼酎はお湯割りでいただくに限るのですが、たとえ汗だらだら・・・という事態に陥ってもそれに見合う満足が得られるのですよ。
最後になりましたが、蔵のHPを確認してもこの銘柄の事が紹介されていませんでした。おかしいな・・・と思いましてググってみましたが、どうやら
商社
が手がけた企画商品の様ですね。九州の蔵元のうち、明石酒造さんを含めて5蔵の銘柄があるようでして、宮崎は他に高千穂の“
刈干(麦)
”があるようです。懐かしの・・・と言うシリーズですから、古い製法が再現されているとのこと。刈干は常圧、この明月は創業当初の造りを反映させており、粗濾過での瓶詰めとのこと。味わいが通常の物と比較して強く感じられましたが、なるほどなぁ・・・と思った次第。
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