このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

全てに於いて奥深かった 【寿福酒造場】
(05.08.24)
平成16年8月21日。

17年に渡って運転を継続してきた“SL人吉号”の運転が終焉を迎えた。イベント列車自体はディーゼル機関車けん引となって運転継続となる様だが、人吉盆地のイベントに合わせて運転されてきた蒸気機関車けん引列車も老朽化には勝つことができなかった。
これまで撮影する機会を持たなかった列車である。運転日はわずか2日のみ。上下列車合わせて4回しか撮影機会に恵まれない。とにかく記録に残しておきたい一心で盛夏の肥薩線へと通った。

画像は瀬戸石駅に行き違いのために入線する“SL人吉号”。ここで10分ほど休憩することとなる。
何とか早起きをしたおかげもあって、無事に最終日の蒸気機関車を送ることができた。ダンナの趣味に付き合わせてしまった妻と長男には非常に申し訳ない。

今回の人吉行。実は、本当に偶然と言ったら偶然すぎるのであるが、あの“ 偉大な本の著者先生 こばやしさん も南九州訪問の折、人吉入りされると言う話を耳に挟んだ。せっかくの機会であるから・・・と 石原けんじ大佐先生 と「
人吉に行こうか・・・。」という話になり、現地で昼食をご一緒することになったのだ。

大佐先生は一足先にこばやしさんの訪問先である“
(資)寿福酒造場”にてこばやしさんと合流されるということであったので、とにかく私は撮影に専念した後、人吉駅に12時に着くことに全力を傾ければよい。・・・と撮影を無事に終え、人吉駅に向かっている私の携帯にこばやしさんからの着信が入った。

 こばやしさん:「今どこ?えっ!?人吉駅の近く!?だったらさぁ、
          寿福さんがこっちへ来いって言ってんだよ。
          だから、悪いけどごいちゃんも蔵の方へ直接来て
          もらってもいいかな?」


“女性杜氏”寿福絹子さんが切り盛りされる寿福酒造場へはこれまで蔵の前を通ることはあっても、上がらせて戴く・・・ということはなかった。千載一遇のチャンス!!ということで、阿蘇青井神社から人吉城の方向へ車を回した。寿福さん、すみまっしぇん!!

寿福酒造場。湯前方面から人吉市街地への抜け道に面して蔵が建っているので、前を通ったことがある方も多いだろう。私にしてもその中の一人である(ただ、いつも早朝とか夜中とか人が寝静まっている時間帯に通る事が多いのだが・・・)。そこが有名な“
武者返し”を造っている蔵元であることを知るのはこうやってネットの世界に入り込んでからの事になる。いつも「中を覗いてみたいわん・・・。」などと思っていた蔵元に潜入できるとは!!!!!もう嬉しくて堪らない。

・・・というわけで寿福酒造場へ到着。案内されたスペースに車を停め、のれんをくぐると奥のソファーでこばやしさんが寿福さんと歓談中であった。とにかく、挨拶を済ませソファーへ座らせていただいた。出して戴いた冷たい麦茶が喉に嬉しい・・・。我が長男はというとこばやしさんの膝の上でにやにやしている。・・・家ではしゃぁしぃくせして、本当に猫かぶりである(誰に似たのか・・・えっ!?私?・・・そんなぁ・・・)。

大佐先生は未だ到着されていないようであった。私も実は撮影の合間に電話を入れていたのだが、どうもつながりが悪かった。その後、大佐先生からも電話を頂いたようであったが、撮影に夢中で電話を取ることができなかったのでどうなったのか気になっていたのだ。ちょうど「やっぱりあいつは・・・。」と大佐先生の話題に及んだ時に件の先生から着信があった。一度蔵の外に出て通話ボタンを押す。

 大佐先生:「ごめん。寝坊しちゃってさぁ・・・。今どこ?」

 goida:「寿福さんの所にお邪魔していますけれど、本当にネタに尽き
      ませんね。」

 大佐先生:「いひひ・・・。そうなんだ。ちょっとごめんけど、こばやしさんに
        替わってもらえんやろうか?」


再度中に戻り、こばやしさんに我が携帯を渡す・・・。

 こばやしさん:「どうもお久しぶりです。で、どうしたの?」

「・・・・・・。」としばし会話されていたが、こばやしさんが「また機会があれば。」と電話を切られたので、私は「またやってしまわれた・・・。」と思ったのです。「これって本日欠席だよね。こばやしさん怒りはしないだろうか・・・。」と、私は内心冷や冷やしておりましたよ。寿福さんが「今のはダレから?」と聞かれるので、「宮崎に大佐っていう・・・。」などと内輪ネタに話が及んだので、ちょっとホッとしましたけれど。

ここで、「ごめんくださ〜い。」と突然の来客があった。みんなで声の方向を見たのだが、そこには見覚えのある体系の御仁が立っておられた。一同、「何で貴方がそこに!!!」状態であった。「今話でしよった人たいね?」と寿福さんが聞かれるが、こばやしさんはあまりの事態にきょとん・・・としばらく固まってしまわれた(この後、「こんなヤツ知らないよ。」としっかり応酬されました)。本当にビックリしましたよ。

「あなた何処かで会いましたっけ?あぁ!!横浜で!!」と名刺を渡そうとする大佐と寿福さんのやりとりに一同笑いながらも、今しばらく事務所で寿福さんのお話を聞くこととなった。
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