このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
柳田酒造
は興味深い焼酎蔵である。
県内トップシェアを誇る焼酎会社が立地するという都城市において、“玉の光”、“千本桜”といった甘藷焼酎の製造を昭和56年には止め、麦焼酎の製造に専念してきた。
また、常に業界の先端を行く焼酎蔵でもあり、焼酎の製造にイオン交換ろ過法を取り入れたのはこの柳田酒造。・・・ということは、今日のライトで飲みやすい焼酎が全国的に消費されるようになった経緯を辿っていけばこの蔵元にたどり着くと言うことだ。また、面白いところでは、自社のウェブサイトを公開したのも酒類メーカーでは蔵元が初だという。
またこのごろは宮崎県在来の裸麦の品種である“ミヤザキハダカ”の栽培に取組み、見事5月17日に収穫にこぎ着けた。その様子は
先日
、拙サイトで紹介をさせて頂いたところであるが、お伝えしたとおり、採種のための試験栽培という位置づけだ。麦の栽培を行っている蔵元は珍しくはないのだが、消えていった品種にはそれに至った理由がある。古い品種に着目しそれを掘り起こすというのは難しいことだと思う。今は地域への定着と焼酎の製造を最終目標として、次作付けに向けた胎動をはじめている頃合いだろう。数年後、この取組が5月17日に見ることの出来た麦の穂の様に実り多きものとなって欲しいと思う。
さて、蔵の代表銘柄である“駒”については
以前
紹介したことがあるが、以前は黒瓶とも言われる長期貯蔵バージョンであった。今回は蔵の顔が一番見える通常製品である。ただし、上記の様に地域内には巨大焼酎企業の存在があり、柳田酒造の焼酎に出会うことのできる瞬間というのはどちらかと言えば貴重だ。また、甘藷焼酎を好んで飲むという土地柄、蔵としては県外の酒販店さんと契約して販売を行っている。度数は当然ながら25度がメインとなるだろうか。
そのような中での20度という存在は地元消費向けの位置づけ。ラベルについては『駒』と大書きの物もあるが、これについてはちょっと私には分からない。
柳田酒造の焼酎の特徴はとても滑らかな飲み口であること。たとえ生で飲んだとしても、するりするり・・・と喉の奥に流れていってしまう。減圧麦焼酎独特の香りと口の中に広がるじんわりとした甘みはたまらなく清涼感を感じさせる。
飲み方は特に選ばない。今は梅雨の季節だが、じめじめとうっとうしい気分をこの焼酎で吹き飛ばすのも一つの手・・・かなと。
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