このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

南の蔵
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黒
井上酒造(株) 宮崎県日南市南郷町

(2011.09.03)
宮崎県にお住まいの方でしたら、平成22年の秋から発売されているこのパック焼酎のことを一度は店頭でご覧になったかと思います。

業界を見渡してみても珍しいと思うのですが、この“南の蔵”という焼酎は南那珂地区の2つの焼酎蔵のコラボレーションとして企画され、手がけたそれぞれの蔵の特徴を反映させた商品となっています。発売となった平成22年11月1日(・・・おっ!本格焼酎の日ではないか!?)を前に、地元 宮日新聞 でも紹介されておりましたが、県南の焼酎の普及促進のために製品化されたそうです。

手がけたのは“ 飫肥杉 ”で有名な 井上酒造 さん、そして“ ひむか寿 ”で知られる 寿海酒造 さんの2蔵。それぞれの蔵が同じ名前の焼酎を出しているのですが、上記のとおり、特徴。つまりは味わいを違えた商品となっているのだ。一つが使用する麹の違い、そしてもう一つが使用する原料甘藷。細かいところまで見ていけばもっと差違というものはあるのでしょうけれど、私のような一ショチクレからみれば、この2点がまず目に付きます。

あと、普及促進を名目に企画された商品ですので、店頭価格の方もリーズナブルな設定でした。私が購入したのは近所のスーパーですが、1升パックが1200円程度で買えるお得さでした。当然、ディス値ではありません。ちなみに、県内の小売店に絞った販売なのだとか。

さて、まずは井上酒造さんの焼酎を紹介させていただきます。麹は黒麹。原料については、“国内産の良質な芋”を使用となっておりますので、南九州ではポピュラーなかんしょであるコガネセンガンがメインに使用されているのでしょうね。仕込み水には日南市北郷町にある猪八重(いのはえ)渓谷の伏流水を使用しているとのことです。

この猪八重渓谷については学生時代(・・・遠い目)に一度行ったことがありますが、一帯は稀少な苔類も自生する深い照葉樹の原生林となっています。渓流の清冽な水、遊歩道の奥で見上げる五重の滝の姿。その時はJR北郷駅から延々と歩いてたどり着いたのですが、疲労など吹っ飛んでしまうほどのロケーションでした。

今は遊歩道が整備されており、アクセスしやすくなったようですね。

味わいですが、日南の焼酎の特性である“優しさ”がよく出ている焼酎だと思います。黒麹と言うことで重厚な味わいを想像しがちですが、20度という度数、適度なコクとキレの良さ・・・とどちらかと言えば心地よく飲める焼酎のように思えました。

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