このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

白
寿海酒造協業組合 宮崎県串間市

(2011.09.20)
はい。先日、紹介いたしました 黒麹の焼酎 に続きます。

黒麹の銘柄は南郷町の 井上酒造 さんが手がけているのに対して、この白麹の焼酎は串間市の飲酒人口を二分する 寿海酒造協業組合 さんが担当。原料は南九州産のコガネセンガンと、そして当社が得意とする紅芋を使用・・・というのが何と言っても特徴的です。同じ銘柄ながら、担当するそれぞれの蔵元が個性が光る二つの商品となっているのですね。

味わいについてですが、黒麹のものと比較したときに奥行き・・・というか、ほっこりとする余韻の部分が際だっていると思います。また、原料にコガネセンガンを加えていることもあって、紅芋の風味は寿海酒造さんの主力銘柄である“ ひむか寿 ”よりもおとなしめに感じますが、どこかすらり・・・とした甘みは間違いなく紅芋のそれであって、こういう部分に蔵の主張というか、面白味を感じてしまいます。

1升パックで1,200円以内・・・と家計にも優しいですし、味も安心して飲めると思いますので、店頭で見かけたら「見知らぬ焼酎やかい・・・。」と警戒せずに手に取っていただければと思います。

黒麹の銘柄を紹介する際にも書いたのですが、このコラボレーション焼酎のコンセプトに「県南焼酎の普及促進」が掲げられています。両方の蔵に共通する事としては、地元の飲み手をしっかりとつかんでいることが挙げられますが、寿海酒造さんについては、上にも述べたとおり、今日の串間市の飲酒人口を二分する蔵元です。また、井上酒造さんは日南市を中心とした旧南那珂郡市で圧倒的な支持を得ています。

この様な2蔵がコラボ焼酎を企画した背景というのを考えたときに、自分たちの主な消費地域内での飲酒人口の減少というのが背景に間違いなく存在しているのだろう・・・と想像します。少子高齢化による単純な人口減少もですが、宮崎市圏や都城市圏などの周辺都市への人口流出もあるでしょう。それに、若い世代のアルコール離れという減少も聞こえてきます。ならば蔵としてどの様な対策を取ればよいのか・・・。

一つが小さな蔵元がやっているように、関東や関西をターゲットにした商品開発、また、海外の富裕層を視野に入れても良いでしょう。そして、これまでの販売地域やその周辺のニーズに見合った銘柄の開発でしょうか。

以前のような焼酎ブームならば前者の様な戦略も採ることができたのでしょうが、消費の全体的な落ち込みもあってか、一筋縄ではいかないでしょう。両方の蔵元の焼酎については、宮崎市内でも一定の支持はあります。ならば、その様な顧客からの消費の広がりを期待しての取り組みなのでしょうか。低価格で美味い焼酎(う〜・・・ん。ちょっと出しゃばってしまったかな)。

物を売るって難しいですね。

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