このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

おおよど
大淀
本坊酒造(株)小林工場 宮崎県小林市

(2005.09.22)
大淀川は大隅半島に発し、都城盆地から宮崎平野を経て日向灘へとそそぐ九州第4の一級河川である。総延長107km。流域面積を見ると“筑後二郎”筑後川に次ぐ第2位。2230㎡という堂々たる大河だ。

名水の町小林市で造られる『宮崎の本坊酒造の芋焼酎』。大淀川水系の石氷川が市内を流れており、蔵元と全く関係がないと言うわけではないが、雄大な風景の中を優しく、そして時に厳しく流れるこの川の様にありたいと願ったのだろうか。ともかく日向国随一の大河“大淀川”の名を銘(めい)に冠している。

私が家族旅行で宮崎を初めて訪れた十数年前。町の中にこの焼酎の看板が立っていたので、“ 浜ゆう ”と共に宮崎でよく飲まれている焼酎だと思っていた。当時の流通を知る由もないが、今も県内各所で色あせた看板を時々見ることがある。宮崎市内、県北の北川町・・・。
今はこの白麹仕込みの焼酎は無い。“大淀”の名を冠する焼酎は 黒麹仕込みの銘柄 が地元小林を中心に売られている。小林市内の繁華街では多くの店でこの“大淀”の銘柄入り看板を掲げているが、市内の流通量は“霧島”が圧倒的だという話を聞いたことがある。これに対し、本坊酒造もこの状態を巻き返そうとしてか、20度数の“黒麹仕立て 桜島”が宮崎県内で盛んに売られている状況にある。

その陰で歴史ある“大淀”の名前も過去帳入りしてしまうのだろうか。。
北川町に残る本坊酒造の銘柄の看板。

甲類焼酎が主として飲まれていた地域性を反映しながらも、「のどかな酔いごごち」の文字が踊る。

ちなみに赤い円形は日輪を表すのだろう。
古くはこの看板のように、大淀川の流れに沈む夕日(注:宮崎市の大淀河畔の橘公園から夕刻の大淀川を望むと、川面にきらきらと踊る光景が印象的である。宮崎市内在住である管理者がこの図案に抱くイメージがまさにこの風景であることを断っておく)が図案化されていた。いつだったか、宮崎市内の酒店でこの図案の1升瓶を見つけたことがあったが、その時には練金に失敗して購入できなかった。・・・次にその店を訪れた時にはしっかり売り切れていたが。

時期は不明だが、爽やかさを出そうとしたのか青を基調としたラベルに一新されたのだろう。その色調から大淀川の流れを容易に想像することができる。
幸い、この“赤丸”のものについては2合のポケット瓶が手元にあるので紹介させて戴く(こうしてみると、やはり日向灘に昇る太陽か?)。

“大淀”についてはこの他にも現行の“黒こうじ”はもちろん、“原酒”など多くのヴァリエーションがあったようだ。また、高原向けの“皇子原”、野尻向けの“のじり”、えびの向けの“えびの”など、西諸県郡内の市町で流通していた地域ブランドの存在も忘れてはならない(これらのうち、“皇子原”、“のじり”については政右衛門さんより画像提供があった。感謝いたします)。
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