このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

天孫降臨
20度
神楽酒造(株) 宮崎県西臼杵郡高千穂町

(2006.03.29)
この焼酎ブームが始まった頃には、芋焼酎の北限といえば川南町と都農町の境目を流れる名貫川であった。ちょうどその下流域の国道10号線に位置する(資)都乃泉が北限の蔵として良くファンには知られる所であったのだ。だが、列島を焼酎ブームが席巻するにつれいつの間にか北限のラインは北へ北へと押し上げられ、八色の雲海のたなびく高千穂の焼酎蔵に於いても芋焼酎が販売されるご時世となったのだった。

酒の銘。県外の人が宮崎を思った時に土地柄を一番連想しやすい名前ではないか。“天孫降臨”といえば、日本神話での天と地の融合がなされる最も“はしり”の部分であり、宮崎が日本の“ふるさと”として語り継がれる由縁の物語でもある。高天原より舞い降りた天孫=ニニギ尊はこの後、(諸説はあるが)入郷の山々を隔てた西都で美しい姫と出会い、この国の礎を築いていく。

雄大な神話の世界をその肌で感じるには、地元宮崎県が観光の目玉として整備した“
ひむか神話街道”がおすすめである。蔵のある高千穂町はもちろんのこと、日向國に点在する連綿と語り継がれてきた神話、伝承の地を線に結ぶ山あり谷あり、川あり海ありの悠久の道である。山間部を中心とした度重なる台風被害による通行止めはご愛敬であるが、一度は走破してみたいと思わせる魅力ある道路だ。今の季節であったら、山桜が散る中を走ることが出来るのではないだろうか・・・ってもう散っていますよね。4月も目前だし。

気がつけば、“ 霧島 ”、“ 日向木挽 ”に続く第3の芋として宮崎市近郊でも急速な浸透を見せる銘柄である。減圧蒸留と常圧蒸留の焼酎のブレンドと言うことであるから、さすがに飲みやすいのでしょうね。私の周囲の状況から判断するに、芋臭さを敬遠する宮崎っ子の受けも良いようだ。ニシタチにさえも大看板がきっちりと掲げられていましてね、地元でも待ち合わせにうってつけのランドマークとして認識されておりますですよ。

今回購入したのは5合のパックなのであるが、従来の芋焼酎にはないあか抜けたパッケージングとなっているのが特徴であろうか。香りはほのかで芋臭さを感じさせず、風味の方も適度な旨さを残したままさらりと飲むことが出来るので、愛飲者が増加している理由はよくわかる。
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